訃報(2021年1月16日):旧ベトナム帝室のフオン・マイ皇女(公主)殿下が薨去(1937~2021)バオ・ダイ帝と阮有氏蘭(南芳皇后)の長女

 2021年1月16日、旧ベトナム帝室のフオン・マイ皇女(公主)殿下(Her Imperial Highness Princess Phương MaiPhuong Mai】)が薨去したようです。
 1937年8月1日生まれの83歳。

 バオ・ダイ帝(保大帝)と阮有氏蘭(南芳皇后)の長女です。

 

 (ベトナム語)Công chúa Phương Mai, con gái lớn cựu hoàng Bảo Đại qua đời | Văn hóa | Thanh Niên

 

 亡夫の第2代アディスアベバ公爵ピエトロ・バドリオ閣下は、エチオピア侵攻時にアディスアベバ公爵号をイタリア王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世から受けたピエトロ・バドリオ(後にバドリオ政権を形成)の孫です。

 殿下と第2代公爵の子息のフラヴィオ・バドリオ閣下(Flavio Badoglio, 3rd Duke of Addis Abeba)が第3代アディスアベバ公爵となっていることになります。

イタリア王室(アオスタ系統)継嗣/プッリャ公爵【称:アオスタ公爵】アイモーネ公子殿下【ロシア在住】の記事(2020年1月)「イタリアが王政復古するとは思わない」

 イタリア王室(アオスタ系統)の継嗣/プッリャ公爵アイモーネ公子殿下(His Royal Highness Prince Aimone of Savoy-Aosta, Duke of Apulia : His Royal Highness The Duke of Aosta)の記事が出ています。

※本人たちは自分たちが正統と主張しているので、すでに父の称号であるアオスタ公爵を使用しています(ときどき忘れてるんじゃないかと思う時がありますが)。

 なお、殿下は、仕事でモスクワに在住しています。ロシアに住み、イタリア王位に興味はないとする記事が出たこともあります。

 イタリア王室(直系)が継承法を絶対長幼制へ改定したことを受けて、アオスタ系統や支持者は反論を発表しましたが、それはそれとして、アイモーネ殿下のコメントを載せた記事が出ました。

 内容というか根本的な立場がはっきりしないのですが、

  • もうどちらが正統かの論争には参加しない
  • イタリアで王政復古があるとは思わない(アオスタ系の支持者団体はガックリきそうですが……
  • イタリア共和国へ忠誠を誓うことを避ける理由はない
  • 二系統(直系とアオスタ系統)はそれぞれの道を進むだけ

 といったところが今回の主な主張だと思うのですが、一方で子供たちが先祖の伝統を受け継ぐことは望んでいるように受け取れます(先祖の伝統を受け継ごうとする限り、正統論争は避けられないのでは……)。

※末尾に追加しておきますが、イタリア王室(直系)継嗣のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)がこの記事についてコメントしています。

 

 (イタリア語)Aimone di Savoia-Aosta: «Per ora non alimento la polemica». Intanto è guerra di carte tra i Savoia – Corriere.it

 

Corriere della SeraさんはTwitterを使っています: 「Aimone d’Aosta: «Per ora non alimento la polemica». Intanto è guerra di carte tra i Savoia https://t.co/63dUePuzCJ」 / Twitter

 

Aimone di Savoia — Juan Carlos il suo… – Corriere della Sera | Facebook

 

エマヌエーレ・フィリベルト殿下のコメント:
「アイモーネはいいやつだが、この部分はいただけない:『王政復古は起きないだろうし、イタリア共和国へ忠誠を誓うことを避ける理由はない』。彼は彼の選択をした、しかし私はいつでも腕を広げてすべての君主政イベント(この日曜日でローマでおこなうものを含む)で彼を歓迎するつもりだ」

Aimone è una persona per bene, ma mi… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

継嗣/

イタリア王室(直系)継嗣ヴェネツィア公エマヌエーレ・フィリベルト殿下がイタリア王妃エレナ(モンテネグロ出身)の彫像設置のためモンテネグロを訪問(2019年9月)文化大臣、ポドゴリツァ市長、キリスト教/“モンテネグロ正教会”府主教らと会見

※この記事はキリスト教 高位聖職者のニュースと一部重複します。

 

 イタリア王室継嗣のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)は、曾祖母の故イタリア王妃エレナ陛下(Her Majesty Queen Elena of Italy : モンテネグロ出身)の彫像設置のためにモンテネグロを訪問しました。

 モンテネグロ文化大臣のアレクサンダル・ボグダノヴィッチ閣下(Aleksandar Bogdanović)、
 同国ポドゴリツァ市長イヴァン・ヴコヴィッチ閣下(Ivan Vuković)、
 キリスト教/東方正教会の教会法上合法な教会に属さない(または主流のグループに属さない)“モンテネグロ正教会(MOC)”首座の“ミハイロ府主教”(ツェティニェ大主教・モンテネグロ府主教ミハイロ座下 : His Beatitude Mihailo, Archbishop of Cetinje and Montenegrin Metropolitan)、
 らと会見しました。
 “モンテネグロ正教会(MOC)”の聖職者らとの会見では、ローマ・カトリック教会の聖職者が同行したとの情報もあります。
 また、モンテネグロ駐箚のイタリア共和国特命全権大使が一部同行していたようです。

※モンテネグロ王室関係者との会見情報は見当たりません。

 投稿中のコメントから察すると、モンテネグロ大統領ミロ・ジュカノヴィッチ閣下がお膳立てを整えたように思えますが……。

 

文化大臣との会談と、その後の大臣と殿下それぞれのコメント。殿下のコメントは4:49辺りから、
冒頭などで出てくる白ヒゲの聖職者がミハイロ府主教/
Ministarstvo kulture Crne Gore(モンテネグロ文化省公式チャンネル):
2019 09 07 Cetinje – Ministar kulture Aleksandar Bogdanović – Princ Emanuel Filiberto di Savoja – YouTube

 

向かって左から、エマヌエーレ・フィリベルト殿下、ミハイロ府主教、文化大臣:
Aleksandar Bogdanović – Princ Emanuel Filiberto di Savoja,… | Flickr
Aleksandar Bogdanović - Princ Emanuel Filiberto di Savoja, Cetinje

 

 (モンテネグロ語【セルビア語】ラテン文字:モンテネグロ文化省公式サイト)Detalji | Ministarstvo kulture podržava inicijativu o podizanju spomenika kraljici Jeleni u Podgorici
 (写真)Aleksandar Bogdanović – Princ Emanuel Filiberto di Savoja, Cetinje (07.09.2019.) | Flickr

Ministarstvo kulture Crne Goreさん(@ministarstvo.kulture) • Instagram写真と動画

 

“モンテネグロ正教会(MOC)”のコトルの教区の聖職者らと:
ПОĆЕТА ПРИНЦА ЕМАНУЕЛА ФИЛБЕРТА… – Епископија Которско-приморска – ЦПЦ | Facebook

 

モンテネグロ駐箚イタリア共和国大使、ミハイロ府主教と:
Con SE l’Ambasciatore d’Italia in… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

ポドゴリツァ市長と:

 (モンテネグロ語【セルビア語】ラテン文字:写真あり)Podrška Glavnog grada za podizanje spomenika kraljici Jeleni – Glavni Grad Podgorica

📢|Podrška Glavnog grada za podizanje… – Glavni grad Podgorica | Facebook

Glavni grad Podgoricaさん(@glavni_grad_podgorica) • Instagram写真と動画

Con il sindaco di Podgorica per… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

追記:
 記事が二つ出ていたのでリンク。

 (英語)Prince Emanuele Filiberto di Savoia: Montenegro has great potential – CdM
 (モンテネグロ語:セルビア語ラテン文字)Crna Gora je preporođena država | Analitika – Informativni Portal

 記事によれば、今回の訪問はミハイロ府主教の招待によるもののようです。なぜか“モンテネグロ正教会”と関係が深いようです。
 モンテネグロ政府の協力などは、対セルビアの戦略の一環でしょうか。
 また、セルビア正教会と“モンテネグロ正教会”との問題について殿下は、知識がないとしてコメントを控えたようです。

 

イタリア王室(直系)継嗣ヴェネツィア公エマヌエーレ・フィリベルト殿下がトリエステを訪問(2018年9月)トリエステ市長と会談、強制収容所跡地の訪問、ミラマーレ城【ミラマール城】への訪問

 2018年9月20日、イタリア王室継嗣のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)は、イタリア共和国トリエステを訪問しました。

 トリエステ市長ロベルト・ディピアッツァ閣下(Roberto Dipiazza)と会談、トリエステの経済・産業・観光について意見交換がおこなわれたようです(一帯一路構想【シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード】についても話が出たようで、相変わらずなぜかイタリア人は他の西欧諸国よりもこの構想がプラスの意味で気になる模様)。

 また、殿下はリジエラ・ディ・サン・サッバ(強制収容所跡地の博物館)を訪問しました。
 同収容所への強制収容を可能にした法律(曽祖父イタリア王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世陛下署名)については最近「国の恥」と語っています。

 ミラマーレ城【ミラマール城】への訪問もありましたが、こちらは予定にはないものだったようです。
 イタリア王室の中では(1898年生まれの)アオスタ公爵アメデーオ殿下が住んでいたことがある模様。

 

 (イタリア語:市長訪問関連)Emanuele Filiberto a Trieste tra enogastronomia e sviluppo della città (FOTO) – Trieste Cafe

TriesteCafeさんのツイート: "Emanuele Filiberto a Trieste! Siete interessati? All'interno dell'articolo le FOTO! https://t.co/1HLV9dbStF"

Trieste Cafe – Emanuele Filiberto a Trieste, l'incontro con il sindaco | Facebook

 

http://www.triestecafe.it/blog/2018/09/20… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

 (イタリア語:ミラマーレ城【ミラマール城】訪問関連)Emanuele Filiberto di Savoia a Miramare – Trieste Cafe

TriesteCafeさんのツイート: "Visita a Miramare https://t.co/qJPE6evLth"

Trieste Cafe – Visita a Miramare | Facebook

 

 (イタリア語:上部写真はリジエラ・ディ・サン・サッバでの献花ですが、内容は全般)Emanuele Filiberto in visita a Trieste

TRIESTEPRIMAさんのツイート: "Emanuele Filiberto di Savoia: "Le leggi razziali una vergogna nazionale" https://t.co/AdquEVkjMx… "

 

 リジエラ・ディ・サン・サッバ関連:

 (動画)Emanuele Filiberto: "Leggi razziali una vergogna nazionale" – video – TGR Friuli Venezia Giulia

Tgr Rai FVGさんのツイート: "In visita alla #RisieraSanSabba Emanuele Filiberto definisce una vergogna nazionale le #LeggiRazziali firmate dal bisnonno. https://t.co/7vKwfDpPz6"

Tgr Rai FVG – ‪In visita alla Risiera di San Sabba,… | Facebook

 

 レディプッリャ軍事慰霊堂(レディプーリア軍事慰霊堂 : Sacrario militare di Redipuglia : サクラリオ・ミリターレ・ディ・レディプッリャ)訪問時に、上記法律について「国の恥」と語ったという報道:

Tgr Rai FVGさんのツイート: ""Le leggi razziali sono una gran vergogna per l'Italia, per quello che è successo". Lo ha detto Emanuele Filiberto di Savoia, oggi in visita in FVG, a margine di una cerimonia al Sacrario militare di Redipuglia.… https://t.co/HN0Qiz26jY"

Tgr Rai FVG – "Le leggi razziali sono una gran vergogna… | Facebook

 

イタリア王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世陛下夫妻の遺体がイタリアに“帰国”する(2017年12月)

 2017年12月15日、故イタリア王妃エレナ陛下(Her Majesty Queen Elena of Italy : モンテネグロ出身)の遺体がフランスのモンペリエからイタリア内に移された模様。
 また12月17日には、イタリア王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世陛下(His Majesty King Vittorio Emanuele III of Italy)の遺体もエジプトのアレクサンドリアからイタリアへ。
 ともにイタリア北部のヴィコフォルテの聖堂墓所に再埋葬。

 曾孫のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)は、「イタリア王にふさわしい墓所はローマのパンテオン」と話しているということです。

 

Redazione Il Nazionale:
Vicoforte: l'arrivo delle spoglie di Vittorio Emanuele III presso il Santuario – YouTube

 

News Tv2000:
Il feretro di Vittorio Emanuele III in Italia (tra le polemiche). La voce della Comunità Ebraica – YouTube