カタール首長タミーム殿下がトルコ大統領エルドアン閣下を訪問、巨額の投資を表明(2018年8月)トルコ系メディアに「カタール恩知らず論」が出た後

 2018年8月15日、カタール国首長“シャイフ”・タミーム・ビン・ハマド・アル・サーニー殿下(シェイク・タミム首長 : His Highness Sheikh Tamim bin Hamad Al Thani, Emir【Amir】 of the State of Qatar)は、トルコ共和国大統領レジェップ・タイップ・エルドアン閣下(His Excellency Mr Recep Tayyip Erdoğan)を訪問しました。
 会談では、カタール側からトルコへ、150億ドル(1兆6000億円以上)の巨額の投資が表明された模様。

 アメリカ合衆国トランプ政権からの圧力により、トルコの経済が混乱・通貨が下落などする中、カタール側からの支援がなにもないことに、エルドアン政権が不満を募らせているという報道が、トルコ系メディアでなされた後のことです。

 2017年カタール外交危機において、カタールはサウジアラビア・UAEをはじめとする国々に圧力を受けましたが(受け続けていますが)、兵を駐留させているトルコはカタール支持を明確にしました。

 

PressTV:
Qatari emir meets Erdogan, pledges $15 billion investment in Turkey – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=SmKjtQtsCrY

 

 (トルコ語:トルコ大統領府公式サイト)T.C.CUMHURBAŞKANLIĞI : Cumhurbaşkanı Erdoğan, Katar Emiri Şeyh Temim ile görüştü

 

T.C.Cumhurbaşkanlığıさんのツイート: "Cumhurbaşkanı Erdoğan, Katar Emiri Şeyh Temim ile görüştü https://t.co/3oN5a6oiTj… "

تميم بن حمدさんのツイート: "Ümmetin sorunları ve Katar’ın yanında duran Türkiye’nin ve oradaki kardeşlerimizin yayınındayız.… "

Recep Tayyip Erdoğanさんのツイート: "Bugün bir çalışma ziyareti için ülkemize gelen kardeşim @TamimBinHamad ile çok verimli ve olumlu bir görüşme gerçekleştirdik. Kendisini Cumhurbaşkanlığı Külliyesinde ağırlamaktan büyük memnuniyet duydum.… https://t.co/aH15xbwFqU"

Recep Tayyip Erdoğanさんのツイート: "أجرينا اليوم لقاء مثمرا وإيجابيا مع أخي TamimBinHamad@ الذي قدم إلى بلادنا في إطار زيارة عمل، وتشرفت كثيرا باستضافته في المجمع الرئاسي.… https://t.co/2TLeHP8dCs"

Qatar News Agencyさんのツイート: "HH the Amir during a meeting with the Turkish President, at the presidential complex in the capital Ankara this afternoon… https://t.co/PInhJMJrMX"

Cumhurbaşkanı Erdoğan, Katar Emiri Şeyh… – T.C. Cumhurbaşkanlığı | Facebook

 

モナコ公オノレ3世殿下の次男の子孫が、自身の系統がフランスの強制によるモナコ公位継承法変更によってモナコ公になっていないことを理由に約3.5億ユーロ(約440億円)の賠償を求めてフランス政府を提訴とのこと(2018年8月)

 モナコ公オノレ3世殿下(Honoré III)の次男、モナコ公子ジョゼフ殿下(Joseph)の子孫、ルイ・ド・ヴァンサン・ド・コーザン伯爵子(Count Louis de Vincens de Causans)が、自身の系統がモナコ公位を継承していないのは、フランスにより継承法変更の強制があったためということで、約3.5億ユーロ(約440億円)の賠償を求めてフランス政府を提訴する(した?)とのことです。

 この問題ですが、現在のモナコ公アルベール2世殿下(His Serene Highness Prince Albert II, Sovereign Prince of Monaco)の曾祖父にあたるモナコ公ルイ2世殿下(Louis II)には、婚姻外の子供であるシャルロットCharlotte)しか子孫がおらず、したがって継承者がいないため、次の継承者はドイツのウラッハ家(ヴュルテンベルク家の貴賤結婚の子孫)の系統になる、という状況が過去にありました。
 そして、継承法は変更され、モナコ公女となったシャルロット殿下の子孫のアルベール2世殿下が現在のモナコ公です。

 今回のルイ伯爵子の主張などでは、ドイツの家であるウラッハ家がモナコ公位を継承することをフランス政府が許さなかったために、モナコ公位継承法の変更が強要された、というものです(主流の見解?)。
 また、ドイツのウラッハ家の系統はモナコ公位への権利を放棄しており、その次が今回のルイ伯爵子の系統になる、ということです。

 伯爵子は(記事を読んだ限りでは)モナコ公になりたいのではなく慰謝料をもらいたい、というようなことのようですが(そもそも、もともとの継承法とウラッハの権利放棄が妥当だと考えると、現在のモナコ公位は彼の叔父グザヴィエ・ド・コーモン・ラ・フォルスではないかという気もしますが)、この不景気のご時世にフランス政府にそんな大金を払えなんて判決が出たら暴動が起きるのではないかと思います。

 

 (フランス語)S’estimant «spolié» du trône de Monaco, il réclame 351 millions d’euros à la France – Le Parisien

Le Parisien:
Louis de Causans, l'homme qui remet en cause la légitimité du trône de Monaco – 動画 Dailymotion

Le Parisienさんのツイート: "S’estimant «spolié» du trône de Monaco, il réclame 351 millions d’euros à la France https://t.co/JOQoiH6V4Q #Rediff https://t.co/JOQoiH6V4Q"

 

 (英語)Aristocrat sues France for €351m in row over Monaco throne | World news | The Guardian
 (英語)Aristocrat sues France for £314m in Monaco throne row | Daily Mail Online

 

高円宮家の絢子女王殿下と守谷慧 氏の「納采の儀」がおこなわれる(2018年8月)

 2018年8月12日、高円宮家の絢子女王殿下(あやこ : Her Imperial Highness Princess Ayako of Takamado)と、守谷慧氏(もりや けいKei Moriya)の「納采の儀」がおこなわれました。

※「納采の儀」の日時は予定通り。

 

 納采の儀 – 宮内庁

 絢子さまと守谷さん 結納にあたる「納采の儀」 | NHKニュース

高円宮家の三女の絢子さまと、東京の大手海運会社に勤務する守谷慧さんの結納にあたる「納采の儀」が行われ、お二人の婚約が正式に決まりました。

「納采の儀」は、一般の結納にあたる皇室の行事で、12日午前10時前、守谷さんの使いで親族の近藤達也さんがモーニング姿で高円宮邸に到着しました。続いて、薄い水色のシルクのワンピースを着た絢子さまと、母親の久子さまが待たれる故高円宮さまの肖像画のある応接室で、「納采の儀」が行われました。

 

 絢子女王殿下と憲仁親王妃久子殿下(ひさこHisako : Her Imperial Highness The Princess Takamado)は、天皇陛下(明仁あきひと : Emperor Akihito : His Majesty【His Imperial Majesty】 The Emperor)と皇后陛下(美智子みちこMichiko : Her Majesty【Her Imperial Majesty】 The Empress)に「納采の儀」をおこなったことを報告。
 夕方には、守谷慧氏ら父子が両陛下を訪問。

 結婚式は今年【2018年】10月29日に明治神宮にておこなわれる予定。

 

スペイン王フェリペ6世陛下のカタルーニャ訪問をひかえ、スペイン君主政連合が「カタルーニャは王とともに」をモットーに支持行進を呼びかけ(2018年8月)

 2018年8月17日に、スペイン王フェリペ6世陛下(King Felipe VI : His Majesty The King of Spain)は、カタルーニャのバルセロナでのテロ事件(17-A)より1年の追悼式典に参列するため、同地を訪問予定。

 カタルーニャ自治政府は、もちろんのこと、訪問を歓迎しません

 スペイン君主政連合(La Unión Monárquica de España)という団体は、「カタルーニャは王とともに」をモットーに支持行進を呼びかけているとのこと。
※同組織は、1978年憲法と立憲君主制の護持を目的に近年設立されたもののようですが、規模や実際の影響力などはわかりません。

 

 (スペイン語:スペイン君主政連合公式サイト)Convocatoria, Barcelona :: Unión Monárquica de España

 (スペイン語)“Cataluña con su rey”. Monárquicos recibirán a Felipe VI en Barcelona antes del homenaje por el atentado

Monarquía Confidencialさんのツイート: "“Cataluña con su rey”. Monárquicos recibirán a Felipe VI en Barcelona antes del homenaje por el atentado https://t.co/pFe0hXS18J… https://t.co/Mb8dwoAXS6"

 

 以前のスペインの報道によりますと、カタルーニャでは役所なども含めて、フェリペ6世陛下を批判するビラが貼られまくっているような有様のようです。

 なにか事件が起きるのではないかという気がしますが……。

 

Royal Central によると、アルバニア王室当主レカ2世殿下が、新聞(?)のインタビューに対し「アルバニアとコソボを統合し、君主政国家になるべき」と発言したとのこと(2018年8月)

 (英語)Crown Prince Leka: “Kosovo and Albania should be united under a monarchy” – Royal Central

 

 英国の王室情報ニュースサイト「Royal Central」によりますと、アルバニア王室当主/アルバニア皇太子レカ2世殿下(His Royal Highness Crown Prince Leka II of the Albanians)が、同国の新聞かなにか(メディアを特定できませんでした)のインタビューで「アルバニアとコソボを統合し、君主政国家にするべき」と発言したとのことです。

 元ネタのはアルバニアメディアがよくわからないうえ、 Royal Central は時々信用できない記事を出すので、とりあえず話半分くらいの気持ちです。

 

 いちおう簡単な政治的な背景や、かつてのアルバニア王国との絡みで少し話を。

 旧ユーゴスラビア紛争を経て、コソボ共和国は独立しましたが、独立を承認していない国々からはセルビア共和国内のコソボ・メトヒヤ自治州とみなされています。
 アルバニア人が多数。

 アルバニアがその周辺への影響力を強め、統合していく大アルバニア主義への警戒と、実際にはそのような傾向は見られないという指摘は、2000年前後からゼロ年代後半までありましたが、その後、コソボの状況の改善が見られず、また近年の世界各地の紛争や独立運動の遠因をコソボ独立に求める考えなど、ややこしい状況は続いてます。

 いっぽう、セルビア共和国側は隣接するセルビア人居住地方及び伝統的にセルビアに属すると認識されている領域への影響力拡大を目指しているのは明らかで、またキリスト教のセルビア正教会は、自身の正式名称に「ペーチ総主教庁」を加えることを議論(ペーチ【ペヤ】はコソボ領)するなど、剣呑な雰囲気もあります(そもそも同教会の現在の正式名称が人によって違ったりするのですが、とりあえず近年の正式名称はセルビア正教会でよかったのではないかと思っています。が違うかもしれません)。

 また、コソボ独立を認めることと、コソボとアルバニアの統合を認めることは別であり、これが国際的に認められるのは厳しいのではないかと思われます。

 一方、かつてのアルバニア王国は、コソボのある程度を領有していた時期があり、またアルバニア王ゾグ1世陛下は、自身の息子であるアルバニア皇太子レカ【1世】殿下が生まれる前、女系の甥タティ殿下に、コソボ公(Prince of Kosovo)の称号を与え継嗣としていました。
 このような経緯から、現在のアルバニア王室当主であるレカ2世殿下が、アルバニアとコソボの統合と君主政復活を主張するのは、政治的な緊張感が高まる可能性をスルーすれば、特に不思議はありません。