ホーエンベルク公子レオ閣下が、講演とそれに関するインタビューを受ける(2024年11月)ハプスブルク家のフランツ・フェルディナント大公の曾孫

 2024年11月16日、ホーエンベルク公子レオ閣下(His Serene Highness Prince Leo of Hohenberg : レオ・フュルスト・フォン・ホーエンベルクLeo Fürst von Hohenbergレオ・ホーエンベルクLeo Hohenberg)が、アルトシュテッテン城で、 Report24.news を含むメディア関係者を前に講演をおこなったようです。

※ Report24.news は、右派系メディアのようです。詳しくは知りませんが。

 レオ閣下は、その暗殺が第一次世界大戦の契機になったオーストリアのフランツ・フェルディナント大公の曾孫です。

 講演の中からいくつか抜き出しますが、これは日本語圏の X.com などでも見る保守系の立場でしょう。
 引用するだけにしては多くなってしまったので、後で削るかもしれません。
※下記の日本語文は Google翻訳です。

 

※これは現在の有力者らがおこなっているであろうことを述べています:

Global zentralisierte Uniformität ist das Ziel, und nur diejenigen, die sich anpassen, dürfen teilnehmen und in den Topf der Steuergelder greifen.

世界的に一元化された均一性が目標であり、適応する者だけが参加して納税者の金の壺に浸かることが許される。

 

Wir müssen uns bewusst sein, dass dieser Krieg mit sehr subtilen Mitteln geführt wird: Es gibt keine Schlachtfelder, keine Exekutionskommandos, keine Gulags im traditionellen Sinn.

私たちは、この戦争が非常に巧妙な手段で行われていることを認識しなければなりません。伝統的な意味での戦場、銃殺隊、強制収容所は存在しません。

 

Wenn Sie alles tolerieren, stehen Sie für nichts und können daher zu allem manipuliert werden – und genau darauf steuern wir zu.

すべてを容認する場合、あなたは何も支持しないことになり、したがって何にでも操作される可能性があります。まさにそれが私たちが向かっていることです。戦争は平和であり、平和は戦争です。 1984 年、『すばらしい新世界』と『動物農場』はもはやフィクションではないような気がします。

 

Sehen Sie, ich betrachte einen Traditionalisten als jemanden, der den höchsten Respekt vor Gott, der Menschheit und seinen Vorfahren hat. Ein Traditionalist sehnt sich nicht nach der Vergangenheit auf Kosten der Gegenwart und der Zukunft, er verharrt nicht in der Vergangenheit und beschönigt keine historischen Fehler. Durch die Lektionen, die aus der Vergangenheit gelernt wurden, übernimmt er die Verantwortung für die Zukunft. Ein Traditionalist hat so großen Respekt vor dem Preis der Lektionen, die seine Vorfahren lernen mussten, dass er mit all seinen Fähigkeiten gegen das Vergessen ankämpft.

ご存知のとおり、私は伝統主義者とは神、人類、そしてその先祖に対して最高の敬意を払う人だと考えています。伝統主義者は、現在と未来を犠牲にして過去を懐かしんだり、過去にこだわったり、歴史の間違いを覆い隠したりしません。過去から学んだ教訓を通じて、彼は未来に責任を負います。伝統主義者は、祖先が学ばなければならなかった教訓の代償を非常に尊重しており、忘れることに対して全力を尽くして闘います。

 

Wir erleben einen konzertierten Zusammenbruch nationaler Identitäten und persönlicher Freiheiten und werden derzeit ermutigt, jeden Glauben, jede Tradition und alle Werte zu verwerfen und durch eine „neue Wahrheit“ zu ersetzen.

私たちは国民のアイデンティティと個人の自由が一斉に崩壊するのを目の当たりにしており、現在、あらゆる信念、伝統、価値観を捨て去り、それを「新しい真実」に置き換えるよう奨励されています。

 

 この講演の後、インタビューがおこなわれています。

 こちらのインタビューでは、ロシア・ウクライナ戦争になどの戦争に関する話が出てきます。
 レオ閣下は戦争は軍産複合体の利益になるものと判断しており、また、以前は平和主義者だった人々が戦争を支持することに高揚し、交渉を主張する人物は敵対的な人物とみなされるとしています。その中で中立を主張。
 ハプスブルク家当主のカール大公殿下はウクライナ支持で一貫しており、また左派系メディア(=以前は平和主義者だった人々)とも立場が近くなっています。
 右派系メディアである Report24.news は、対抗してレオ閣下に注目した、というのはうがちすぎの見方でしょうか。
 また、講演で述べられたことは、日本では保守層の立場に近いと言えそうですが、一方インタビューで述べられたことは日本ではどちらかというとリベラル・左派に近いように思います。

 (ドイツ語)Leo Hohenberg, Urenkel von Erzherzog Franz Ferdinand, entlarvt Krieg als Geschäftsmodell

Report24news:
Leo Hohenberg wirbt für den Frieden: Der Tod seines Urgroßvaters leitete den 1. Weltkrieg ein – YouTube

訃報(2024年7月11日):フュルステンベルク公ハインリヒ殿下(1950~2024)

 2024年7月11日、ドイツのフュルステンベルク公ハインリヒ殿下(Heinrich : His Serene Highness The Prince of Fürstenberg : ハインリヒ・フュルスト・ツー・フュルステンベルクHeinrich Fürst zu Fürstenberg)が薨去しました。
 1950年7月17日生まれの73歳。

 長い闘病生活の末に亡くなったようです。

 長男のクリスティアン殿下が後を継ぎます(クリスティアン・フュルスト・ツー・フュルステンベルクChristian Fürst zu Fürstenberg)。
 また、クリスティアン殿下の長男、タッシロ殿下が新たにフュルステンベルク公世子となります。

 

 (ドイツ語)Baden-Württemberg: Heinrich Fürst zu Fürstenberg gestorben | tagesschau.de

 

関連:
 インタビュー記事(ドイツ語):フュルステンベルク公クリスティアン殿下へのインタビュー記事(2024年11月) – 世界の王室ニュース

訃報(2024年6月6日):ホーエンローエ=エーリンゲン公クラフト殿下が薨去(1933~2024)

 2024年6月6日、ドイツのホーエンローエ=エーリンゲン公クラフト殿下(Kraft : His Serene Highness The Prince of Hohenlohe-Öhringen : クラフト・フュルスト・ツー・ホーエンローエ=エーリンゲンKraft Fürst zu Hohenlohe-Oehringen)が、ノイエンシュタインで薨去したようです。
 1933年1月11日生まれの91歳。

 薨去に伴い、ホーエンローエ=エーリンゲン公およびウイェスト公爵の地位は、子息のクラフト(=コンスタンティン)公世子殿下が継承し、その長男のクリスティアン=クラフト殿下(Christian-Kraft)が新たに公世子となります。

 

 (ドイツ語)Kraft Fuerst zu Hohenlohe-Oehringen ist tot
 (ドイツ語)Kraft Fuerst zu Hohenlohe-Oehringen ist tot | BUNTE.de
 (ドイツ語)Traueranzeigen von Kraft Fürst zu Hohenlohe-Oehringen | www.trauerundgedenken.de

 (英語)Royal Musings: The death of the Prince of Hohenlohe-0ehringen

インタビュー動画(ドイツ語):ロイス家当主/ロイス公 ハインリヒ14世 殿下が、一族の ロイス公子 ハインリヒ13世殿下 がクーデター計画容疑で逮捕された件について(2022年12月)

 ロイス公ハインリヒ14世殿下(Heinrich XIV : His Serene Highness The Prince Reuss : ハインリヒ14世・フュルスト・ロイスHeinrich XIV Fürst Reuß)が、一族のロイス公子ハインリヒ13世殿下(His Serene Highness Prince Heinrich XIII Reuss : ハインリヒ13世・プリンツ・ロイス・ツー・ケストリッツHeinrich XIII Prinz Reuß zu Köstritz)が逮捕された件についてインタビューを受けています。
関連:
 ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下らが、ドイツでクーデターを計画したとして逮捕(2022年12月)

 

インタビュー動画へのリンク:
 (ドイツ語)Razzia in Bad Lobenstein: Reußen distanzieren sich von Heinrich XIII. | MDR.DE

In der Adelsfamilie Reuß hat die Festnahme von Heinrich XIII. Prinz Reuß für Entsetzen gesorgt. Der Hauschef des ehemaligen Ostthüringer Herrscherhauses, Heinrich XIV. Fürst Reuß, äußerte sich im Interview.

※ドイツ語字幕設定可能
名前キャプションは「Heinrich Fürst Reuß(ハインリヒ・フュルスト・ロイス)」
フュルストは一般的に当主称号(公/侯)なので、これにより当主であることが示されています:

 英語の記事などでも、このインタビューをもとに文章が掲載されています。
 (英語)Who is Prince Heinrich XIII of Reuss? Germany's far-right coup plotter explained

Heinrich XIV, a distant relative who acts as the head of the house and its spokesman, told the German broadcaster MRD on Wednesday that he was shocked by the news and that he hadn’t spoken to Heinrich XIII for a decade.

“Of course it rubs off catastrophically on the family,” he said. “I believe we’ve been a tolerant, cosmopolitan dynasty for 850 years in eastern Thuringia, and now we are all around the world, all the way to America, [we’re] ‘terrorists’ and ‘reactionaries’ — it’s really horrible.”

 ハインリヒ14世殿下は、遠縁のハインリヒ13世公子の逮捕の報を聞きショックを受けているということ、また10年会っていないということを述べています(追記:最後に会ったのは2013年ではないかという説が濃厚……いやというほど重要なことでもないんですが)。850年にわたるロイス家の名声が失墜し、一族が非難されていることについても衝撃を受けている模様。

 加えて、これはインタビュー動画のほうからですが、

Es sind 60 Familienmitglieder, 30 Heinriche.
Das ist Natürlich verwirrend.
Es gibt 30 Mal Heinrich Reuß.
In der Erbfolge, die fruher mal wichtig war, ist er die Nr. 17.
Da müssten 17 sterben, dass er drankommt.
Da macht es für ihn gar keinen Sinn zu putschen.

「一族には60人、ハインリヒが(男子)30人いる。
 これはもちろん混乱を招くことだ。
 ハインリヒ・ロイスが30人いる
 彼(ハインリヒ13世公子)は、かつて重要だった(ロイス公位)継承順位は第17位。
 継承順位が第17位の(ロイス公位を継ぐ可能性もほぼ無い)彼が、(ドイツ全体に対する)クーデターをする意味がない」

 ハインリヒ13世公子が、現時点でロイス公位継承順位第17位だとすると、世間が知らない間にこの数年でまた何人かロイス公子が誕生しているような気がします。
 それにしても、いつ聞かれても継承順位を答えられるのか、それとも情報を準備してインタビューに臨んだのか。準備したのかなあ……。

 

 ロイス家の「ハインリヒ●世」のナンバリングに関する話も下記記事でしています。
関連:
 ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下らが、ドイツでクーデターを計画したとして逮捕(2022年12月)

ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下らが、ドイツでクーデターを計画したとして逮捕(2022年12月)

 2022年12月7日、ドイツの連邦検察は、ロイス公子ハインリヒ13世殿下(His Serene Highness Prince Heinrich XIII Reuss : ハインリヒ13世・プリンツ・ロイス・ツー・ケストリッツHeinrich XIII Prinz Reuß zu Köstritz)らを逮捕しました。
 クーデターを計画したとの容疑だとのことです。。
関連:
 ドイツのライヒスビュルガー(Reichsbürger : 過激な君主政主義者)などに関するやや雑多な記事(英語)(2022年11月)ドイツ人の約10%が君主政支持、34歳未満では20%近くが支持(本当?)

 

※以下「~世」の数字を微妙に間違えている可能性もありますが、その場合は許してください。

 ハインリヒ13世殿下は、現存するロイス家の唯一の系統であるロイス=ケストリッツ家の一員です(当主ではありません)。

 ロイス=ケストリッツ家は、ドイツ帝国の中の弟系ロイス公国(ロイス=ゲーラ公国)の君主であったロイス=シュライツ家から早くにわかれた家で、現在は同家の年長系統のロイス公ハインリヒ14世殿下が当主、二つのロイスの公位の継承者と見なされています。

 ロイス家は慣習により、男子は全員ハインリヒなので、ナンバリングによって個人を特定します(20世後半から数字がややこしいこともありますが……)。
 これは生まれた順に振られるので、「兄が1世で弟が2世」ということもありえますし、「兄が1世で、次の二代が遠縁に振られていて、弟はいきなり4世」みたいなこともありえます。世紀が変わると1世からに戻ります。現在の当主、ハインリヒ14世殿下の長男はハインリヒ29世殿下ですが、次男は(21世紀に入ってから生まれているので)ハインリヒ5世殿下です。

 一方、ハインリヒ13世殿下は男系では傍系ですが、父の故・ロイス公子ハインリヒ1世が、最後の弟系ロイス公世子ハインリヒ45世養子となっています。ハインリヒ1世の妻がハインリヒ45世の女系の姪・故ヴォイツラヴァ・フェオドラですが、結婚より前の養子縁組です(結婚する予定だったかもしれません)。また、養子は(君主の地位の)継承権には関係ありませんが、財産に関しては係争もありました。
関連(逮捕されたハインリヒ13世の母の訃報):
 訃報(2019年6月3日):ロイス公子妃ヴォイツラヴァ・フェオドラ殿下(メクレンブルク公女)、薨去(1918~2019)バルト連合公国君主に推されたメクレンブルク公子アドルフ・フリードリヒ殿下の娘。薨去に伴いメクレンブルク=シュヴェリーン系統は男系女子二人を残すのみに

 要するに、
 当主:ハインリヒ14世
 傍系(だが父が弟系ロイス家当主ハインリヒ45世の養子となった)兄弟:ハインリヒ8世、ハインリヒ9世、ハインリヒ10世、ハインリヒ13世、ハインリヒ15世
 となっていて(他にも人物はいます)、逮捕されたハインリヒ13世は当主でもなく、兄もいます。が、「13世」と書かないと他の一族との区別が面倒になります。

関連:
 スピーチ映像(英語 2019年):ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下によるスピーチ映像(2022年12月)
 インタビュー動画(ドイツ語):ロイス家当主/ロイス公 ハインリヒ14世 殿下が、一族の ロイス公子 ハインリヒ13世殿下 がクーデター計画容疑で逮捕された件について(2022年12月)

 

 ドイツで国家転覆目指すテロ組織摘発 退役軍人など25人逮捕 | NHK | ドイツ

検察の発表によりますと「ハインリヒ13世」を名乗る男と退役軍人が首謀者とみられ、ほかに、去年まで連邦議会議員を務めていた現職の裁判官も逮捕されたということです。

組織の構成員らはドイツがいわゆるディープ・ステート=闇の政府に支配されているという陰謀論を信じ、去年11月ごろから国家の転覆と独自の政府の樹立を目指して会合を重ねていたということです。

具体的に、武装したグループで連邦議会の議事堂に押し入る計画を立てていた疑いもあるとしています。

 ドイツで何が “貴族”や裁判官などが国家転覆と独自政府樹立 計画か | NHK | ニュース深掘り

 

ANNnewsCH(ANN NEWS チャンネル):
ドイツで“クーデター計画” 25人拘束 “陰謀論”信じ…軍事部門も設立か(2022年12月8日) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kFaDe6ozpD4

 

ANNnewsCH(ANN NEWS チャンネル):
主犯格の中に貴族出身「ハインリヒ13世」…ドイツで“クーデター計画” 25人身柄拘束(2022年12月8日) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=HiKaMVibD_Y

 

TBS NEWS DIG Powered by JNN:
「国家転覆を計画」ドイツ極右勢力の25人逮捕|TBS NEWS DIG – YouTube

 

ロイター(Reuters Japan):
ドイツで国家転覆計画、極右25人拘束 帝国再興企む – YouTube

 

Kanal13:
German POLICE arrests Prince Heinrich XIII and 25 suspected of far-right plot to overthrow state – YouTube

 

Guardian News:
Germany: police arrest far-right extremists planning to 'overthrow the state' – YouTube

 

WELT Nachrichtensender:
PRINZ HEINRICH-PUTSCH: Razzia – Thüringer Adeliger und Reichsbürger wollte Regierung stürzen – YouTube

 

 (英語)Germany arrests 25 accused of plotting coup – BBC News
 (英語)Heinrich XIII Prince Reuss: Who is 'ringleader' of German far-right coup plot – and what is the Reichsburger movement? | World News | Sky News