冷泉家第23代当主 冷泉為臣(1944年戦死) が翻刻を手掛けていた「俊頼髄脳」の「定家本」(藤原定家らが書写)が出版される模様(2018年9月)

 藤原定家写本の歌学書翻刻出版へ 冷泉家時雨亭文庫が発表 : 京都新聞

 

 「俊頼髄脳」というのは、歌人であった源俊頼みなもと の としより)が、鳥羽天皇(当時上皇)の皇后だった高陽院藤原泰子に献上した作歌のための文書のようです。
 「俊頼口伝」「俊秘抄」という別名もある模様。

 藤原泰子は、関白藤原忠実の娘。

 この「俊頼髄脳」の最古の写本が、有名な藤原定家らによるものらしいのですが(「定家本」と記事にありますが、それは別の有名なものと混同するのでは……)、それの翻刻(出版できるように原稿を準備したということだと思います)を手掛けていたのが、1944年に中国で戦死した冷泉家第23代当主の冷泉為臣(れいぜい ためおみ)で、戦死のため「定家本」もどこにいったかわからなくなっていたようです(2005年発見……)。
 冷泉家は藤原定家の子孫の系統です。

 また、江戸時代の冷泉家第14代当主冷泉為久が「為久本」と呼ばれるものを出しているようです(写本??)。

 今回、冷泉為臣が生前に完成近くまで進めていたものを、学者らがチェックして仕上げたということになりそうです。

 冷泉為臣は父の冷泉家第22代当主冷泉為系伯爵に先立って亡くなっており、また父も隠居していたという情報もないので、「当主」であった時期はないのかと思います(数え方の問題)。
 ただ、上記の記事によれば、同家の典籍公開のために時雨亭文庫の一巻目の刊行を主導したのが為臣のようです。

 

追記:
 リンクをひとつ追加しておきます。

 「俊頼髄脳」の翻刻本出版 冷泉家23代当主・為臣氏の遺稿が76年ぶりに日の目(1/2ページ) – 産経WEST

 

エクアドル大統領が9月3日~9月8日の日程で実務訪問賓客として来日。天皇(明仁)・皇后(美智子)両陛下との会見予定あり(2018年8月)

 2018年9月3日~9月8日の日程で、エクアドル共和国大統領レニン・モレノ・ガルセス閣下(His Excellency Mr Lenín Moreno Garcés)が実務訪問賓客として来日予定。

 天皇陛下(明仁あきひと : Emperor Akihito : His Majesty【His Imperial Majesty】 The Emperor)と皇后陛下(美智子みちこMichiko : Her Majesty【Her Imperial Majesty】 The Empress)は会見の予定があるようです。

 

モレノ・エクアドル共和国大統領の訪日 | 外務省

1 レニン・ボルタイレ・モレノ・ガルセス・エクアドル共和国大統領(H.E. Mr.Lenín Boltaire Moreno Garcés, President of the Republic of Ecuador)及び同令夫人は,実務訪問賓客として訪日します。モレノ大統領夫妻は9月3日,日本に到着し,9月8日離日します。

2 滞在中,天皇皇后両陛下は,モレノ大統領及び同令夫人と御会見になります。また,安倍晋三内閣総理大臣は,モレノ大統領と首脳会談を行い,総理夫妻主催の晩餐会を開催する予定です。

 

続報:
 天皇(明仁)・皇后(美智子)両陛下が、来日しているエクアドル大統領レニン・モレノ・ガルセス閣下夫妻と会見(2018年9月)

 

ブラジル帝室が、ブラジル独立200周年の2022年9月までいろいろと式典をおこなったり参加したりする模様(2018年8月)

 スペインの「Monarquía Confidencial」によりますと、ブラジル帝室(ヴァソウラス系)が、ブラジル独立200周年の2022年9月までいろいろと式典をおこなったり参加したりする模様です。

 

 (スペイン語)La Casa Imperial de Brasil empieza a celebrar el bicentenario de la independencia

 

 同記事によれば、2018年8月19日、ブラジル皇太子ベルトランド殿下(オルレアン=ブラガンサ公子 : Prince Bertrand of Orléans-Braganza : His Imperial and Royal Highness The Prince Imperial of Brazil)はサンパウロ郊外にておこなわれた開始式典に臨席した模様(なお、ベルトランド殿下のことを現在ブラジル皇帝位を主張している人物と勘違いしているようですが、兄のルイス殿下が現在のブラジル皇帝位継承者です。記事内容もどれだけあてになるのかよくわかりません)。

 

 また、いつのことだかよくわかりませんが、ロンドニア州の州都ポルト・ヴェーリョでは、二人の弟であるブラジル皇子/オルレアン=ブラガンサ公子アントニオ殿下(His Imperial and Royal Highness Prince Antonio of Brazil, Prince of Orléans-Braganza)とベルギー貴族出身の妻クリスチャーニ妃殿下(Christine)が君主政支持者らの会合に臨席するなどしたようです。

Pró Monarquia – O I ENCONTRO MONÁRQUICO DE RONDÔNIA No… | Facebook

 ルイス殿下とベルトランド殿下には子供がいないため、アントニオ殿下とクリスチャーニ殿下の間の子息ラファエル殿下が将来のブラジル帝室当主と目されています。

 

ガーナ伝統的君主:アキーム・アブアクワ王ナナ・オフォリ・アッタ1世(現大統領の母方の祖父)崩御75周年式典。アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が臨席(2018年8月)

 2018年8月23日、アキーム・アブアクワ王ナナ・オフォリ・アッタ1世Nana Ofori Atta INana Sir Ofori Atta I, KBE)の崩御から75周年の式典がおこなわれました。

 ガーナの歴史では、The Big Six(偉大な6人)と呼ばれる統一黄金海岸会議という政党を創設したり、有力ポストで活動したりするなどした六人がいます。
 正直この六人がなにをやったのか細かいことはよくしらないのですが、
 六人のうち、ジョセフ・ボアキエ・ダンクアJoseph Boakye DanquahJ・B・ダンクア)はナナ・オフォリ・アッタ1世の弟、
 ウィリアム・オフォリ・アッタは息子、
 エドワード・アクフォ=アド大統領は娘婿(その間に生まれた子供が現在のガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)、
 となっているようです。

 式典は現在のアキーム・アブアクワ王オサグイェフオ・アモアティア・オフォリ・パニン陛下(His Royal Majesty Osagyefuo Amoatia Ofori Panin, Okyenhene【King of Akyem Abuakwa】)が執りおこない、アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)が招待に応じ訪問しました。

 なお、ジェリー・ジョン・ローリングス元大統領や、政治家ら多数も参列。

 

 両王は友好関係を発展させていくことを宣言した模様です。

 

 (英語)Photos: Otumfuo’s Historic Visit To Okyenhene
 (英語)Asantes, Akyems Will Continue To Live In Peace – Otumfuo, Okyenhene Declare
 (英語)Okyenhene Not My Rival -Otumfuo – Daily Guide Africa

 

ADDRESS BY THE OKYENHENE, OSAGYEFUO… – Office of the Okyenhene | Facebook

The President of the Republic, Nana Addo Dankwa Akufo-Addo

Asantehene, Otumfuo Osei Tutu II

First Lady, Mrs Rebecca Akufo-Addo

※アキーム・アブアクワ王のスピーチですが、呼びかけの一人目が大統領、二人目がアシャンティ王、三人目がファーストレディー(大統領の妻)となっています。なかなか興味深い順番ではあります。

 

 (英語)Asantehene Wants Role Of Traditional Rulers Defined In The Constitution

 式典当日スピーチ、アシャンティ王は、1992年憲法の改正を提案。
 伝統的君主の役割や権限の明確化を求めているようですが……。
 はっきりいって難航必至だと思います。

 なお、同記事によれば、今回の式典、アシャンティ王は、21人の大首長(アシャンティ王は King of Kings なので、この21人あたりが本当は King 扱いされるべきだと考える人がいる)を連れてきたそうです。

 

 式典の翌日、なぜかアシャンティ王が大統領を訪問。

 (英語)Akufo-Addo hosts Otumfuo at Jubilee House | General News 2018-08-24
 (英語)Akufo-Addo Hosts Otumfuo At Jubilee House
 (英語)Otumfuo Meets Nana

 20人の大首長を連れて、となっています(1人減りましたね)。

 なお、数ヶ月前にアシャンティ王が大統領近親および側近に対して激怒した件がありました。
 原因のひとつが、アシャンティ王の評判を落として、彼らの王であるアキーム・アブアクワ王の権威を上げようというような(わかるようなわからないような)動機ではないかと現在では見られているようですが、今回のアシャンティ王とアキーム・アブアクワ王との会見により、とりあえず事態は収束したとみていいのではないでしょうか。

 (英語)Gabby Otchere-Darko pays homage to Otumfuo Osei Tutu at Okyehene's durbar (Photo) ▷ Ghana news | YEN.COM.GH
 (英語)Akyem and Ashanti advance relations | Ghana News Agency (GNA)

 

ModernGhana.comさんのツイート: "Asantehene Wants Role Of Traditional Rulers Defined In The Constitution https://t.co/putaBIqMrf"

 

ModernGhana.comさんのツイート: "Photos: Otumfuo’s Historic Visit To Okyenhene https://t.co/fqUF0kBjuM"

 

ModernGhana.comさんのツイート: "Asantes, Akyems Will Continue To Live In Peace – Otumfuo, Okyenhene Declare https://t.co/V3WLnMiWjb"

 

ModernGhana.comさんのツイート: "Akufo-Addo Hosts Otumfuo At Jubilee House https://t.co/FjplVTflkV"

 

ModernGhana.comさんのツイート: "Otumfuo Meets Nana https://t.co/nRbUWGleNh"

 

Yen.com.gh – Gabby Otchere-Darko got a chance to meet the… | Facebook

 

Yen.com.gh – The Rawlings' commended the Otumfuo and the… | Facebook

 

 (英語)Otumfuo calls on former president Rawlings ▷ Ghana news | YEN.COM.GH

ジェリー・ジョン・ローリングス元大統領のアカウント:
OTUMFUO CALLS ON RAWLINGS Former… – Jerry John Rawlings | Facebook

 

ガーナ共和国アシャンティ王国の学者がコフィー・アナン(元)国連事務総長閣下の葬儀を王と同格の「国葬」にするべきと主張(2018年8月)神聖なる「黄金の剣」の名を称号として授与されているため

 報道によりますと、ガーナ共和国アシャンティ王国の学者が、2018年8月18日に薨去した国際連合第7代事務総長コフィー・アナン閣下(His Excellency Mr【Dr?】 Kofi Annan)閣下の葬儀を、アシャンティ王と同格の「国葬」にするべきと主張しているようです。

 

 (英語)Kofi Annan earns traditional burial rite typical of Asante Kings – 3newsgh
 (英語)Kofi Annan to receive special burial akin to Asante kings – The Nubian Times
 (英語)Kofi Annan earns traditional burial rite typical of Asante Kings – Historian | General News 2018-08-20

 

 2002年にコフィー・アナン閣下は、アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)より、王が戴冠時などに使う神聖なる「黄金の剣」(Busumuru【ブスムル?】 または Busumro【ブスムロ?】 と表記されています)の名前を称号として受けていることが根拠として挙げられています。
 この名称を授与すること自体が前例のなかったことなので、葬儀に関することも前例がないわけですが、どのような結論が出るでしょうか。

 なお、下記記事によると、葬儀(ガーナでの正式な葬儀?)については、(ガーナにいる)遺族(といっても日本人の感覚では遠い親戚かもしれませんが)が正式に陛下に薨去を報告してからということです(またアナン閣下は「chief」となっているので、アシャンティでの状況はよくわからないのですが、首長の位を継いでいることになっているのかもしれません。ともあれ死亡表記を「薨去」にしました)。

 (英語)Annan's funeral arrangement to be announced after Otumfuo's meeting with family | General News 2018-08-20

 

その他アナン氏死去の報道:
 (英語)How Kofi Annan earned tittle ‘Busumuru’ from Asantehene – Otec FM Online
 見出しにくだんの「Busumuru」を持ってきています(が、その話はほんの少しです)。
 
 (英語)Kofi Annan's death; Ghana flag to fly at half-mast for one week – Graphic Online

 

2002年に称号を授与されたときの報道など:

 (英語:国際連合公式サイト)In Ghana, Annan receives honorary title from Ashanti people | UN News

Last year, while visiting Sierra Leone, Mr. Annan also received a traditional title, equivalent to a “great warrior,” in recognition of his work.

 シエラレオネでも称号を受けているようですが、どのくらいの格式かは不明(国連のサイトでアフリカの称号について考えることになろうとは……)。
 なお「Busumuru」表記です。

 (英語)Ghana: Busumuru Kofi Annan – allAfrica.com
 こちらも「Busumuru」表記です。

 (英語)Asantehene confers rare title on U.N. sec-general | General News 2002-08-16
 こちらは「Busumro」表記です。

 

敬称表記修正に関する追記:
 日本国行政府が弔意メッセージにおいて英語の敬称に(H. E.)【His Excellencyのこと】を使用しているので、それを使用すると同時に、こちらではさらに対応する日本語として「閣下」を使用します。

 アナン元国連事務総長の逝去を受けた安倍総理大臣による弔意メッセージの発出 | 外務省
 アナン元国連事務総長の逝去を受けた我が国によるガーナへの弔意メッセージの発出 | 外務省

 

関連:
 ガーナ:アナン(元)国連事務総長閣下の国葬に、オランダのベアトリクス前女王陛下(王女殿下)とメイベル妃殿下、ノルウェー皇太子妃メッテ=マリット殿下が臨席(2018年9月)棺が国旗に覆われ遺体の顔すら公開されなかったので議論に「彼は『黄金の剣』だから」説も