2022年9月14日、南アフリカ共和国の最高上訴裁判所は、故ザノズコ・シカウ陛下(Kumkani Zanozuko Sigcau)がムポンド人の王であると、大統領や CTLDC が承認したのは誤りだとする、ウェジズウェ・シカウ王女(Wezizwe Sigcau)らの訴えを認めました(報道などでの王女の名前と判決文の名前 Wenzile Feziwe Sigcau が異なっていますが詳細不明)。
これにより、2018年の憲法裁判所の承認によりザノズコ・シカウ陛下を王と認めた決定は無効となりました。
なお、故ザノズコ・シカウ陛下は(とりあえず陛下表記を続けますが)、5月31日に崩御し、南アフリカ共和国大統領マタメーラ・シリル・ラマポーザ閣下(Matamela Cyril Ramaphosa)が弔意を表明・第一級公葬(Official Funeral Category One)もおこなわれました。
その後、摂政や次期王位に関する議論も出ていたところでこの判決、となり、正直もうなにがなにやら……。
判決は、訴えを起こしていた王女の父・故ムポンドンビニ・シカウ(Mpondombini Sigcau)を正統な王と認めています。この前提で次の王(or女王?)を決めなさいということでしょうが……。
王女は自らが女王となるつもりでしょうが、判決文がそこまで踏み込んだものかどうかは……そもそもこの王女の きょうだい とかはいるのかいないのか、いても何人いるのか、などまったくわかりません。
また、どうなるにせよその決定に時間がかかり、かつ決定された後に裁判になるのも目に見えているので、この件に限らず、南アフリカ共和国は伝統的君主に関する制度設計に壮大に失敗してしまった感がありありとします。
大統領から陛下への弔意:
(英語:南アフリカ共和国 政府 公式サイト)King Zanozuko Tyelovuyo Sigcau | South African Government
葬儀の様子(5時間以上)/
SABC News:
Official Funeral Category One of AmaMpondo King Zanozuko Sigcau – YouTube
続報(2024年):
憲法裁判所が、故ザノズコ・シカウ陛下の王位を有効と認め、王女側の訴えを斥けました:
(英語)Apex court ruling settles AmaMpondo kingship dispute
(英語)Constitutional Court dethrones amaMpondo princess | Scrolla.Africa