フィジー伝統的首長:ランバサ首長にジョーン・クォマテが即位(2018年8月)

 2018年8月31日、フィジー共和国の伝統的首長位のひとつランバサ首長(Tui Labasa)に、“ラートゥー”・ジョーン・クォマテ(Ratu Jone Qomate)が即位したようです。

※全般的に人名のカタカナ表記など、かなり適当ですのでご注意ください。

 

 (英語)The Fiji Times » Ratu Jone installed new Tui Labasa

The Fiji Timesさんのツイート: "The vanua o Labasa braved the hot sun that seemed to burn in all its glory today as they sat in silence to witness the installation of their new chief and #TuiLabasa Ratu Jone Qomate. #TimesNews #FijiNews https://t.co/T0b0znOP1y"

The vanua o Labasa braved the hot sun… – Fiji Times Online | Facebook

 

 (英語)Ratu Jone Takes The Reins | Fiji Sun
 (英語)Ratu Wiliame: Chiefs Have Unifying Role | Fiji Sun

 

 一つ目の記事の写真(TwitterおよびFacebookにも掲載)は、伝統的な儀式がおこなわれているような情景です。
 こちらの記事では、マキュアータ首長“ラートゥー”・ウィリアム・カトニヴェレ(Tui Macuata Ratu Wiliame Katonivere)が臨席したと報じられています。
 フィジーの伝統的首長は70人ほどいるようですが、14の管轄区にわかれており、ランバサ首長はマキュアータ管轄区に属します。
 マキュアータ首長が上級の権限を保有しているのかどうかはわかりませんが、管轄区と同名の首長なので、席次としては上なのでしょう。
 また、マキュアータ首長は政党「FijiFirst」(フィジーファースト : フィジー第一党)の副党首でもあるようです。

 

 二つ目の記事では、フィジー共和国の最大宗派であるキリスト教のメソディスト(メソジスト)の牧師らの参列する儀式がおこなわれたことがうかがわれます。

追記1:
 三つ目の記事を追加しました。
 写真および内容、一つ目の記事とほぼ同じですが、マキュアータ首長の権限(というかなんというか)が少しほのめかされています。

 

追記2:
 2016年11月に先代の首長である おば の“アンジー”・サラニエタ・トゥイロマロマ・クォマテ・リトヴァ(Adi Salanieta Tuilomaloma Qomate Ritova)が薨去していたようです。
 また、父の“ラートゥー”・ジョエリー・クォマテ(Ratu Joeli Qomate)が1997年~2004年に首長であり、その前は伯父で上院議員を務めていたらしい“ラートゥー”・テヴィタ・クォマテ(Ratu Tevita Qomate)が首長の座にあったようです。
 と、これだけ聞くと、さも地位を継承しそうですが、二つ目の記事中の、妻エレノア・ヴァカロロマElenoa Vakaloloma)は、信じられないと興奮しているようで、親戚が多いんでしょうか。

 

追記3:

 (英語)FBC News | No controversy over installation of Tui Labasa

FBC News – No controversy over installation of Tui Labasa… | Facebook

 こちらの記事によりますと、ドラウナ家(Drauna family)というところが、自分たちこそがランバサ首長になる権利があると(毎回)要求しているそうです。
 が、マキュアータ首長は明確にこの要求を否定しています。

 ちなみに、記事中写真のキャプションに“ラートゥー”・ジョージ・クォマテ(Ratu Joji Qomate)という名前があります。明らかに一族ですが、首長の兄弟とかでしょうか。

 

追記4:

 (英語)FBC News | Tui Labasa calls for review on how funerals are carried out

FBC News – Tui Labasa calls for review on how funerals are… | Facebook

 また、この記事によりますと、新首長は、現代生活では、家庭での葬礼の費用の負担が重くなっているということで、簡素化を含めた検討をする意向のようです。
 要するに、どこの国にもある、現代化に伴う「なんで葬式にこんな大金かけないといけないんだ」という話ですが、伝統的首長が議論をリードする意思を示す、というのが伝統が残っていることを感じさせます。