伏見博明氏(旧・伏見宮家の 博明王 殿下)が、顧問を務めるPMインターナショナルのアジア太平洋本社オフィスのオープンを祝うリボンカットセレモニーに臨席(2025年10月)Luxembourg Timesの記事が”Prince”付きの表記に……

 2025年10月13日、シンガポールにて、ルクセンブルク大公国に本拠地を置く PMインターナショナル ののアジア太平洋本社オフィスのオープンを祝うリボンカットセレモニーがおこなわれたようです。

 同社顧問の、旧皇族の伏見博明氏(ふしみ ひろあき : 旧・伏見宮博明王殿下 : His Imperial Highness Prince Fushimi Hiroaki)が臨席。

 そしてこれを報じた Luxembourg Times の記事が、同氏に「Prince」付きの表記を使用しています(内々で敬称や称号が使用されているというような話が出ることはありますが、一般向けのメディアで、あっさり表記されるのもなかなか驚きです)。

 

 Luxembourg-based health and beauty company opens new Asia HQ | Luxembourg Times

※上部写真キャプション表記
「HRH Prince Fushimi」

From left to right: HRH Prince Fushimi, PM-International CEO & Founder Rolf Sorg and his wife Vicki Sorg, Marcus Sandstrom and Isaac Tan © Photo credit: PM International APAC

 ……なぜ HRH (His Royal Highness)なのかそれはそれで気になりますが……。

 

「Prince Hiroaki Fushimi of Japan」

The ribbon-cutting ceremony was attended by over 700 guests, including Prince Hiroaki Fushimi of Japan, who highlighted the company’s strong regional relationships, according to a press release. CEO and founder Rolf Sorg emphasised the importance of the Asia-Pacific region to the company.

 

※こちらは公式の Facebook アカウント。特に人名などの表記はありません。
APAC本社の新しいオフィスが正式にオープン🌟… – PM-International JAPAN | Facebook

 

関連リンク(書籍・Amazon.co.jp):
 旧皇族の宗家・伏見宮家に生まれて-伏見博明オーラル・ヒストリー

神宮(伊勢神宮)大宮司に就任した 久邇朝尊 氏の就任会見(2022年8月)

 2022年8月31日、7月5日付で神宮(伊勢神宮)の大宮司に就任していた久邇朝尊氏(くに あさたか)の就任会見がおこなわれました。

 

三重テレビ放送:
海外勤務経験した元商社マン「誠の心を尽くして奉仕」 大宮司に久邇朝尊さん – YouTube

 

 伊勢神宮大宮司・久邇朝尊さん就任会見 陛下の神宮への大御心に誠の心尽くす – 伊勢志摩経済新聞

伊勢志摩経済新聞さんはTwitterを使っています: 「伊勢神宮大宮司・久邇朝尊さん就任会見 陛下の神宮への大御心に誠の心尽くす https://t.co/e5Y1sDtycb」 / Twitter

神宮(伊勢神宮)大宮司に 久邇朝尊 氏が就任(2022年7月)

 2022年7月5日付で、神宮(伊勢神宮)の大宮司が、小松揮世久氏(こまつ きよひさ)から久邇朝尊氏(くに あさたか)に交代しました。
 7月9日、両氏は、退任・就任の奉告参拝をおこなった模様。
 久邇朝尊氏の父は久邇邦昭氏(旧 久邇宮家の邦昭王)で、大宮司(1990年~2001年)を務めています。

 

 (記事の掲載が終了しています)神宮大宮司に久邇朝尊氏 天皇陛下の御裁可を仰ぎ / 神社界唯一の新聞社 神社新報社
掲載時URL:https://www.jinja.co.jp/news/news_012740.html
 (記事の掲載が終了しています)伊勢の神宮で奉告参拝 大宮司の退任と就任で / 神社界唯一の新聞社 神社新報社
掲載時URL:https://www.jinja.co.jp/news/news_012753.html

伊勢の神宮では、七月五日付で神宮大宮司を退任した小松揮世久氏と、新たに就任した久邇朝尊氏が七月九日、それぞれ退任並びに就任の奉告参拝をおこなった。

 

動画あり:
 (記事の掲載が終了しています)三重・伊勢神宮 「大宮司」交代を“奉告”…祭主を補佐する事務方トップに 三菱商事出身の久邇朝尊さん(62) | TBS NEWS DIG (1ページ)
掲載時URL:https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/91036?display=1

三重県の伊勢神宮では、祭主を補佐し、神宮職員を取りまとめる大宮司が、7月5日付で交代し、神前に報告する「奉告参拝」が7月10日、行われました。

※記事本文の日付も「2022年7月9日(土) 12:00」なので、10日は誤りでしょう。

 

 伊勢神宮の大宮司に久邇朝尊氏が就任|NHK 三重県のニュース
 伊勢神宮大宮司に久邇朝尊氏 – 旧皇族出身の元商社マン|奈良新聞デジタル

 

関連:
 神宮(伊勢神宮)大宮司に就任した 久邇朝尊 氏の就任会見(2022年8月)

有識者会議「今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」(2021年7月)

 2021年(令和3年)7月26日の 第10回 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議 の議事次第が公開されています。

※「議事の記録」はまだありません(前回分もまだです)。

 

 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議|内閣官房ホームページ
 第10回 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議 議事次第|内閣官房ホームページ

 

 今回の議事次第は、PDFファイル三つで、合計9ページ、文字も大きく見やすい(というかまんま打ち込んだだけというか)内容です。

 資料1(一つ目のPDFファイル)と追加資料(三つ目のPDFファイル)では、




今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない。

 と、これまでにない強い調子で言い切っています。

 現実的には、悠仁親王殿下の将来の状況を見つつ、生まれながらの女性皇族(内親王・女王)が結婚後も皇室に残る方法や、いわゆる旧宮家の男系男子を皇族の養子とする方法で皇族の人数を確保することについて、政府事務局がメリットやデメリットの調査や研究をするということになったようです。

 

 話が進まないのもともかくとして、いったいいつの間にこんな強く言い切ることに合意が出来たのかもよくわかりませんが……。

秋篠宮皇嗣(文仁親王)殿下の11月30日報道の記者会見(11月20日収録)に残る疑問。殿下は皇室典範や関連法規の改正・変更の可能性をカケラも想像していないのではないか(2020年12月)

 2020年11月30日に報道された(11月20日収録)秋篠宮皇嗣殿下(文仁親王 : ふみひと : Prince Fumihito : His Imperial Highness Crown Prince Akishino)の記者会見については、それに関するニュース記事なども散見されます。

 伊吹文明(元)衆議院議長が「いくつかの報道はいかがなものか」的な発言小室圭氏に説明を求める発言をしたことや、その発言内の「日本国民ではない」を引く形で皇室の方々を「無国籍者」と言及する記事もありました(政府に聞いたら「日本国籍は当然あります」と回答するでしょうが)。
 他にも、秋篠宮皇嗣殿下を支持するものや、小室圭氏に関わる問題が政府の議論に影響を与えていたとしたら大変なことだなどといった論旨やいろいろあったように思います。

 しかし、そもそも我々の政府は今なにをしているのでしょうか?
 我々の代表者である国会議員は、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の付帯決議(附帯決議)という形で、政府に対し「政府は女性宮家の創設など安定的な皇位継承のための諸課題について、皇族減少の事情も踏まえて検討を行い、速やかに国会に報告する」よう求めていました。
 2020年11月8日の「立皇嗣の礼」が終了し、我々の政府は「皇位の安定的継承」に向け、その知恵を絞りに絞って検討しているはずです。はずです。はずです……。
 とはいうものの、選択肢はさほどありません。

  1. なにもしない(付帯決議は頻繁に無視されるものだそうです)
  2. いわゆる旧宮家の男系男子を皇族に編入する
  3. 男子優先長幼制を選択し、そのためにいろいろする
  4. 絶対長幼制を選択し、そのためにいろいろする

 そして、ここで思い出していただきたいのは、現行ルールでは、立后(天皇の結婚)および親王・王(皇族男子の結婚)の結婚は皇室会議の議を経るとなっていること。
 仮に上記四案のうちの後者二つのどちらかが選択された場合、このルールが内親王・女王にも適用され、皇室会議が開かれる可能性は当然ありうるだろうということです。
 眞子内親王殿下の結婚がすぐあるならともかく、いつあるかわからない状況で、結婚について認めると割とあっさりと発言したのは、殿下にはこのような女子の継承が可能になるルールへの変更と皇室会議でそれが取り上げられうるという発想がまったくないのではないかと思われるのです(これは内親王殿下自身にも言えることですが)。
 殿下は自身が皇室会議の議員ですが、現在のまま議員であっても本人に関わりのある問題ですし、予備議員が代わりに出席することになるだろうと思います(断言はできませんが)。また仮に出席したとしても、ご本人の意見は当然あるでしょうが、単独で認めるものではありません(ちなみに伊吹文明氏は衆議院議員から出る予備議員ですので、出席する可能性はこちらもあります)。

 何が言いたいかといいますと、これは(結果的にはですが)政治介入になってしまっているのではという話です。
 しかも本人(たち)が単にごく自然に念頭にないというだけのため、(この件で)責めるのもなかなか難しく、また小室圭氏という人物の存在も問題の所在をぼかしているように思います。

 

 さて、ここからは話を少し変えて、そもそもなぜここまで何も変わらないまま時間が過ぎ去ったのか、という話をします。
 「政治家がやる気がなかったのでは?」という思う人もいるでしょう。それはそうです。
 しかし、まず知っていただきたいのは、西欧の王室などより、日本の皇室は制度上の変更がきわめてめんどくさい状態にある、ということです。

 (ものすごく簡単に説明しますが)日本では、一般の国民が「戸籍」というシステムで情報を管理するのに対し、皇室の構成員はいわゆる「皇統譜:天皇と皇后に関する大統譜・それ以外の皇族に関する皇族譜」で情報を管理します。
 つまり情報管理がわかれているわけです。
 皇族の場合はいわゆる「皇籍」という言葉もあるので、これを用いて説明すると、一般女性が皇族男子と結婚する場合は戸籍から皇籍に移動し、皇族女性が一般男性と結婚する場合は皇籍から戸籍に移動する、とイメージで言えばそうなります。
 そして、「皇籍」が称号や継承順位を内包している(つまり称号や継承順位を持つ人物はすべてこの皇籍の中に入っている人物のはずだという)ようにみえる以上、この“函(はこ)”に関するルールをすべてをワンセットにしなければならないようにみえます

 西欧ではこんなことになっていません(もちろん国によってルールは異なりますので、その辺りはご注意を)。

 王室のメンバーかどうかなどは、だいたいですが、その時々にその時の都合で決めればいいです。王子や王女の称号を持っていても外れることはありえますし、狭義の王室メンバーと広義の王室メンバーがわかれていて、移されることもあります。発表する必要すらない国もあります。
 日本でははっきりとわかれているため、わかりやすいのですが、変更となると大ごとになってしまうようにみえます

 また、西欧では、称号に関しては、君主が叙すことが可能なので、たとえば王女の夫に称号を出したければ君主が自由に出せますし、なんなら取り消せます。
 天皇にはそのような権限がないため、あらかじめ法律で内親王と結婚した一般男性は親王にする、とか決めないといけないようにみえます

 加えて西欧では継承に関しては、継承法というのはそれだけで決めるだけの項目にできるため、上記二つの項目と強い関係にありません(また、上記二つに関連することは運用でカバーすることもいくらでも可能です)。王室のメンバーでなく、王子でも王女でもない人物が継承順位に並んでいる国もあります。
 日本だと、一般市民が皇位継承可能となる、というのは驚愕される可能性が高く、ありえないということになるようにみえます

 このように見てくると、付帯決議の「政府は女性宮家の創設など安定的な皇位継承のための諸課題について、皇族減少の事情も踏まえて検討を行い、速やかに国会に報告する」というのは、そもそもが面倒な事態になっていることを前提にしているものだということがわかります。
 また、「小室圭氏が親王になるかも」というような記事を見たこともあります。
 日本の法体系を前提にして変更を考えればそうなりますが、ぶっちゃけていえばそんなことは継承法という概念そのものとは関係のないものです。
 継承法それだけでいえば、男子限定長幼制を維持するか、男子優先長幼制か絶対長幼制に変更するか、ということになります。

 しかし、強固な“函(はこ)”が前提となり、それだけのことが難しくみえる、そういう状況でした。あれもこれも決めないといけないようにみえる。しかもどの案も強い反対にあうようにみえる

 ですが、もしかしたら簡単だったのかもしれません。
 それはわかりませんが、もう政府はそちらはあきらめたかのように思えます。

 

 主に2020年【令和2年】11月:1947年【昭和22年】の11宮家皇籍離脱以来、皇室のもっとも不思議なひと月で書きましたが、秋篠宮皇嗣(文仁親王)殿下は伝統的な意味で皇太子になりました。
 宮中祭祀で特別な地位を得、またもしこの地位を変更するならそれは廃太子になるでしょう。
 このことがわかりやすく説明されてきたとは到底思えません。
 これは女子の継承を主張してきた方々からすれば、「寝耳に水」「聞いていない」と驚愕の余り怒鳴ってもいいことのはずと思っていたら、誰一人何も言わないのでこちらが驚愕しました。

 率直な話、女子の継承を本気で考えていた人はひとりもいなかったんじゃないのかなあ、と思ったりもしますが……。
 秋篠宮皇嗣殿下が、法改正の可能性をまったく念頭に置かなくなっても、これは仕方ないのでは。

 

 最後にやや余談ですが、いわゆる旧宮家の男系男子の皇籍復帰について。
 これは、大前提を多くの人々に受け入れてもらうのが難しいですが、その後の事務的なことは楽です
 上記のたとえを使えば、該当の男性(と一家)を戸籍から皇籍に移すだけです。
 シンプルですね。

 

関連:
 立皇嗣の礼(2020年11月8日):「立皇嗣宣明の儀」「賢所皇霊殿神殿に謁するの儀」「朝見の儀」がおこなわれる。秋篠宮皇嗣(文仁親王)・同妃(紀子)両殿下は今後は宮中祭祀で宮中三殿の殿舎にあがって拝礼する模様
 天皇(徳仁)陛下が新嘗祭に臨む(2020年11月)秋篠宮皇嗣(文仁親王)殿下も「神嘉殿」の殿舎に上がり拝礼との報道
 政府内で「皇女(こうじょ)」という呼称で国家公務員として公務をおこなってもらうという案があるとの報道(2020年11月)
 天皇(徳仁)・皇后(雅子)両陛下、秋篠宮家の眞子内親王殿下が、議会開設百三十年記念式典に臨席(2020年11月)
 55歳(2020年11月30日):秋篠宮皇嗣(文仁親王)殿下が55歳を迎える。11月20日収録の記者会見で眞子内親王殿下の結婚について言及
 眞子内親王殿下結婚問題:欧州人の困惑「すると日本のプリンセスは皇位継承権がなく、結婚すると称号を失う代わりに結婚は自由なんだね。じゃあ君たちは何を騒いでいるの?」に対する困惑(2020年12月)