ロシアの君主政主義者党党首アントン・バコフ“公”“閣下”が大統領選挙から撤退した理由。「私はロシア連邦と“ロマノフ帝国”の二重国籍なので大統領になれない」。話題作りだったように思えますが完全に失敗しているのでは(2018年1月)

 2018年3月の大統領選挙に、自らの政党「君主政主義者党」から立候補を表明していたアントン・アレクセーヴィチ・バコフ氏(Anton Alexeevich Bakov)ですが、先月(2018年1月)人知れず(?)撤退していた模様。
 撤退理由は、「私はロシア連邦と“ロマノフ帝国”の二重国籍者なので大統領になれない」というもの。
 事情をご存じない方には、このオッサンはなにをいうとるのか、という話ですが、以下、なるべく簡潔に説明します。
 ちなみにこの人。ロシア連邦は国として出場できなくなったオリンピックには、ロシア帝国の旗などをつかえ!、と主張していました。

 さて。このバコフ氏は、金持ちの変人なのですが、なぜかロシア帝国を復興するためにロマノフ王朝の後継者を擁立しようと考えました。
 そこで、白羽の矢が立てられた一人が、ロマノフ家当主ロシア女大公マリヤ殿下なのですが、マリヤ殿下には婉曲に断られます。
 ここでとっととあきらめればいいのですが、なぜかさらに突き進み、ロシア帝室の厳しい同等身分結婚をマリヤ殿下もその他の男系子孫も満たしておらず、その条件を満たすロシア帝位継承者はロマノフ家女系子孫のライニンゲン家直系だ、といいだしました。補足しますと、この考え自体は(あくまで仮定としてですが)たまにそういう意見を表明する人がいたことはいます(現実的にいうとゲフンゲフンもいいところですが)。
 そしてライニンゲン男系直系のライニンゲン公子カール・エミッヒ殿下(His Serene Highness Prince Karl Emich of Leiningen)をキリスト教のルター派から東方正教会の信徒に改宗(洗礼名ニコライ・キリロヴィチ)させて皇帝候補として担ぎます。これが“ロシア皇帝ニコライ3世”です。ちなみにカール・エミッヒ殿下は、二度目の結婚が貴賤結婚とされてライニンゲンの跡継ぎからはずされてしまった人です。

 いっぽう、バコフ氏は、どこぞの貧乏な国からそこそこのサイズの島を買い取って、その島を独立国としてその貧乏な国に認めさせようという金の力で独立国を作るという計画を発動します。
 当初、この“国”は、まんま“ロシア帝国”と呼ばれていましたが、その後“帝座”と名称を変更します。概念的にもローマ教皇聖座を意識したものへ変更をしようとしますが、ムチャやん……。
 そして、南太平洋のキリバス共和国に狙いが定められ、政治家の中にも乗り気になる愉快な人も出たのですが、専門家からの否定的な声などもあり、結局破談となります。
 その後、アフリカ西部のガンビア共和国が狙われ、バコフ氏とガンビアの間で協定が交わされます。率直な話、この協定の内容は独立国うんぬんとは到底呼べないようなものだと思うのですが、「その一歩だ!」といわれればさようですかというほかありません。
 ここでなぜか名前が“ロマノフ帝国”になります。
 ともあれ、バコフ氏は、“ニコライ3世”から与えられた称号などを含め、大法官アントン・バコフ公殿下(His Serene Highness Prince Anton Bakov, The Archchancellor of Romanov Empire)と名乗っていたのですが、ロマノフ帝国では単に首相になったりといろいろ忙しいですが、ともあれ本人の脳内ではすでに帝国は成立しているようです。脳外ではリゾート地としての整備が始まっているだけのようですが。ただリゾート地としての整備は本格的なものを目指しているとの分析もあり、いったいこの人はなにがしたいのかハテナマークが頭に浮かぶばかりです。

 そしてロシア大統領選挙の話に戻りますが、以上の状況からすると、最初から「“ロマノフ帝国”との二重国籍だから無理だったわ」といって“ロマノフ帝国”の宣伝をおこなうだけのつもりだったのではないか、という気がします。

 

 (ロシア語)Лидер Монархической партии заявил, что снимается с выборов – Политика – ТАСС

ヨルダン王アブドッラー2世陛下がロシア大統領プーチン閣下を訪問(2018年2月)

 2018年2月15日、ロシア連邦を訪問中のヨルダン・ハシェミット王国国王アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン陛下(アブドゥッラー2世アブドラ国王 : King Abdullah II bin Al-Hussein : His Majesty the King of the Hashemite Kingdom of Jordan)は、ロシア連邦大統領ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン閣下(His Excellency Mr Vladimir Vladimirovich Putin)と会談しました。
 内容は中東情勢と両国関係が主のようです。

 

RHC JO(ヨルダン王室ハーシム家公式チャンネル):
حديث جلالة الملك عبدالله الثاني والرئيس الروسي فلاديمير بوتين خلال لقائهما في الكرملين – YouTube

 

 (英語:ロシア大統領府【クレムリン】公式サイト)Meeting with King Abdullah II of Jordan • President of Russia

 

RHCさんのツイート: "جلالة الملك عبدالله الثاني يعقد مباحثات ثنائية مع الرئيس الروسي فلاديمير بوتين في الكرملين #الأردن #روسيا His Majesty King Abdullah II holds bilateral talks with Russian President Vladimir Putin at the Kremlin #Jordan #Russia… https://t.co/ShLnXNRI5u"

 

RHCさんのツイート: "جلالة الملك عبدالله الثاني والرئيس الروسي فلاديمير بوتين في الكرملين اليوم #الأردن #روسيا His Majesty King Abdullah II and Russian President Vladimir Putin at the Kremlin today #Jordan #Russia… https://t.co/MZOLKMOB7E"

 

RHCさんのツイート: "حديث جلالة الملك عبدالله الثاني والرئيس الروسي فلاديمير بوتين خلال لقائهما في الكرملين اليوم #الأردن #روسيا Remarks by His Majesty King Abdullah II and Russian President Vladimir Putin at the Kremlin today #Jordan #Russia… https://t.co/TAUtzhYaOA"

 

President of Russiaさんのツイート: "#Kremlin: Meeting with King Abdullah II of Jordan: Russia-Jordan cooperation, the situation in Syria https://t.co/vdFO1YPQa6… https://t.co/g9Kh4uXSL7"

2017年12月に、ロマノフ家協会の新会長にオルガ公女殿下が選出されていた模様(2018年1月)

 2017年12月3日に、ロマノフ家協会(RFA : The Romanov Family Association)の新会長に、ロシア公女オルガ・アンドレーエヴナ殿下(Her Serene Highness Princess Olga Andreevna of Russia)が選出された模様です(英国人?)。

 ロマノフ家協会は、ロマノフ家傍系で貴賤結婚に分類される可能性が高い男系子孫たちなどが加入しています。
 同協会の会長は、2016年のロシア公子ドミトリー殿下の薨去に伴い、空席となっていました。
 同協会がかつて示していた継承ルールに従うと、現在のロシア帝位継承者およびロマノフ家当主となるのはアンドルー・ロマノフ公子殿下(アメリカ人?)です。
 オルガ殿下はその年齢の離れた異母妹のようです。

 現在のこの協会の目的は、よくわからないものになっているように感じますが……。

 

 (英語)Romanovs elect new chairman to spearhead dynasty – Russia Beyond

 

“アラウカニア・パタゴニア公【対立公】スタニスラス1世殿下”がモルドバ大統領ドドン閣下の政治的立場を支援することを表明(2018年1月)

 支援してなんになるのか、という話ではありますが。

 そんなわけで、アルゼンチンとチリのあたりに建国したかったアラウカニア・パタゴニア王国の現在の王室(?)の、対立公であるアラウカニア・パタゴニア公スタニスラス1世【スタニスラス・パルビュレスコ】殿下(キディコ子爵 : His Royal Highness Stanislas I【Stanislas Parvulesco】, Prince of Araucania and Patagonia, Viscount of Quidico)の話。

 

 先頃、モルドバを訪問し、資本主義にかわるものについて検討したスタニスラス公ですが、ちゃっかりモルドバ共和国大統領イゴル・ドドン閣下(His Excellency Mr Igor Dodon)と写真を撮り、自分が重要人物として扱われたかのようにブログに記事を書いておりました。

 そのドドン大統領閣下、簡単にいうと親ロシア派なのですが、フィリプ首相ら政府・議会勢力は親・西側諸国なので対立が激化し、大統領権限が無視されるというか「もともとそんなものはなかったのだ」というような状況になっているみたいです(モルドバの憲法を読んで詳細を確認する気がまったく起きない……ちゃんと作られているかどうかもわからないし)。

 

 (フランス語:アラウカニア・パタゴニア王国【スタニスラス1世派】公式ブログ)Soutien du Prince d' Araucanie au Président Moldave Igor Dodon. – Royaume d'Araucanie et de Patagonie.

 そんなピンチのドドン閣下を、我らの、ではないですが、プリンス・スタニスラスは支援すると表明しており、特になにもできないでしょうが、スタニスラス1世もまた親ロシア派であることがはっきりしました。というかもともとはっきりしてましたけど。

 

追記:
 スタニスラス1世はフランス王ジャン2世の子孫を称しており、系譜の情報も出回っています。

ロシア帝室【ロマノフ家】のマリヤ女大公殿下とゲオルギー大公殿下の新年と降誕祭のメッセージ(2018年1月)

 ロシア帝室【ロマノフ家】当主/ロシア女大公マリヤ・ウラジーミロヴナ殿下(Her Imperial Highness the Grand Duchess Maria Wladimirovna of Russia, The Head of the Russian Imperial House)と、
 継嗣のロシア大公ゲオルギー殿下(His Imperial Highness the Heir, Tsesarevich, and Grand Duke George of Russia)
 の、新年と降誕祭のメッセージが掲載されています。

 

 (ロシア語:ロシア帝室公式サイト)Российский Императорский Дом – С РОЖДЕСТВОМ ХРИСТОВЫМ И НОВОЛЕТИЕМ!

 (英語)Christmas and New Year Greetings from the Head of the Imperial House — The Russian Legitimist