バネアサ農園事件などに伴い、実刑判決が出、ルーマニアから逃亡しているパウル・フィリップ・アル・ロムニエイ氏(Paul Philippe al României)ですが、いまだ確保されていません。
この度、パウル氏と一緒に逃亡はしていない、妻のリア・アル・ロムニエイ夫人(Lia al României)と子息のカロル・フェルディナンド・アル・ロムニエイ(Carol Ferdinand al României)が居住していた別荘を銀行に接収され、ホテルへ移ったと報道されています。
銀行側は、この別荘について、パウル氏側から数年にわたりリース契約への支払いがなされていないため、他の所有者に売却したともされています。
実刑判決の出たルーマニア王子パウル殿下(ポール王子 : His Royal Highness Prince Paul of Romania)を称するパウル・ホーエンツォレルン氏(パウル=フィリップ・ホーエンツォレルン : Paul-Philippe Hohenzollern : パウル・ランブリノ : Paul Lambrino : パウル・アル・ロムニエイ : Paul al României)に対し、ルーマニア警察 公式サイトが令状を公開しています。
ルーマニア王子パウル殿下(ポール王子 : His Royal Highness Prince Paul of Romania)を称するパウル・ホーエンツォレルン氏(パウル=フィリップ・ホーエンツォレルン : Paul-Philippe Hohenzollern : パウル・ランブリノ : Paul Lambrino : パウル・アル・ロムニエイ : Paul al României)を含む六人に対し、ルーマニア高等法院は有罪を宣告しました。
ルーマニア王カロル2世は(王になる前ですが)最初の結婚を極秘におこないました。これは父フェルディナンド1世らに内密でおこなわれましたが、キリスト教/ルーマニア正教会の神品(聖職者)が立ち合い、教会法上有効であるといわれています。ただし、フェルディナンド1世らはこの結婚を強引に法律上無効としました。
この結婚から生まれたカロル2世の長男が故カロル・ランブリノ氏(ルーマニア王子ミルチャ殿下を称)で、さらにその長男がパウル・ランブリノ氏です。
EU や各国の裁判で、父母の結婚(ルーマニア王カロル2世の最初の結婚)は合法でありカロル・ランブリノ氏はカロル2世の合法的な相続人であるとされました(しかしこれはルーマニア王位や王子の称号に関することに踏み込んだものではありません)。この結果により、パウル・ランブリノ氏に対しホーエンツォレルンの姓が用いられたりする例も出ました(ルーマニア王室の男系はドイツのホーエンツォレルン=ジグマリンゲンの系統です)。
また、この結婚が有効だとすると、二回目の結婚から生まれた故・ルーマニア王ミハイ1世陛下の立場はどうなるのかという面倒な話題もありますが、そこはとりあえずあまり考えられていません。
今回のさらなる再埋葬の件ですが、キリスト教/東方正教会/ルーマニア正教会の聖職者らが、王は代々の王陵に埋葬されることが望ましいという見解を述べていたことや、孫で現在のルーマニア王室当主/ルーマニア王位守護者マルガレータ陛下(Her Majesty Margareta, the Custodian of the Crown of Romania : ルーマニア皇太子マルガレータ殿下 : Her Royal Highness Crown Princess Margareta of Romania)は、おそらくそのようなことを積極的に望んではいなかっただろうこと(カロル2世の息子で、マルガレータ陛下の亡父である旧ルーマニア王ミハイ1世陛下はカロル2世とは会おうとせず、当時の再埋葬にも臨席せず)。そして、カロル2世の年長系統の男系の孫の“ルーマニア王子パウル殿下”にはこのような要望はあるでしょうが、2015年の違法な不動産取引の件以降、もともと大きくなかった発言権はほぼゼロになっており(公式サイトも消滅しました)、まとめるとルーマニア正教会主導の出来事なのではないかと思います。
礼拝はルーマニア正教会の、
トゥルゴヴィシュテ大主教ニフォン座下(個人の称号として府主教 : His Eminence Hon Metropolitan Nifon, Archbishop of Targoviste)、
アルジェシュ・ムスチェル大主教カリニク座下(His Eminence Archbishop Calinic of Argeș and Muscel)
ヴルチャ大主教ヴァルサヌフィエ座下(His Eminence Archbishop Varsanufie of Vâlcea)、
らが執り行いました。
参列者ですが、マルガレータ陛下の名代として、夫のルーマニア王子ラドゥ殿下(His Royal Highness Prince Radu of Romania)、妹のルーマニア王女ソフィア殿下(Her Royal Highness Princess Sophia of Romania)、妹のルーマニア王女マリア殿下(Her Royal Highness Princess Maria【Marie】 of Romania)が参列しています。
一方、マルガレータ陛下及びすぐ下の妹で王位継承順位第1位のエレーナ王女殿下は参列していません。エレーナ王女殿下の子息ながら、一度与えられた「ルーマニア王子」の称号と「殿下」の敬称、そしてルーマニア王位継承権を剥奪された”元ルーマニア王子”のニコラエ・メドフォース=ミルズ氏(Nicolae Medforth-Mills : ニコラス・メドフォース=ミルズ氏 : Nicholas Medforth-Mills)とアリナ夫人は参列していますが、今のところの継承順位では将来的に王室当主となることになるエリサベタ・カリナ・デ・ロムニエ・メドフォース=ミルズ嬢(Elisabeta Karina de Roumanie Medforth-Mills)は参列していません。
そして、ルーマニア王室公式ニュース配信サイト掲載の写真では、なるべくニコラエ氏をのせないように写真を選んでいるようにも思え、同王室は今後どうしたいのかと首をかしげる次第(いつものことですが)。
そして、ルーマニア王子パウル殿下(ポール王子 : His Royal Highness Prince Paul of Romania)を称するパウル・ホーエンツォレルン氏(パウル=フィリップ・ホーエンツォレルン : Paul-Philippe Hohenzollern : パウル・ランブリノ : Paul Lambrino)とリア夫人、子息のカロル・フェルディナンド・ホーエンツォレルン(Carol Ferdinand Hohenzollern)が、カロル2世の孫夫妻及び曾孫として参列しています。
カロル2世は、父フェルディナンド1世らに内密で1回目の結婚をし、その間に生まれたのが故カロル・ランブリノ氏で、パウル氏はその長男です。この結婚は強制的に無効化されましたが、数十年後に各国の裁判所が有効と認め(ただしこれは生まれた子供へルーマニア王室に関する権利を認めたわけではありません)、またルーマニア正教会の教会法上合法な結婚であったことから教会内部に立場を支持する主教らも存在しました。
故カロル氏は自らの出自に関する承認を求めたわけですが、一方子息のパウル氏は、自らがルーマニア王室当主と称するようになります。この主張に関しては細かいところで一定していませんでした。王室当主は自分ただ一人とする場合と、叔父である故ルーマニア王ミハイ1世陛下が王位についていたことは事実であることから王室当主の座は二つあると称する場合とがありました。
教会内部以外にもその主張を支持する人々もいたのですが、上述した通り、2015年に違法な不動産取引で自宅軟禁に置かれ、以後ふるわない状態です。
なお、妻のリア夫人との間に今回同席した子息がいるわけですが、リア夫人の生年の情報が誤りでなければ60歳での出産ということになり、なんといいますか、疑問視する意見もあります。
Regele Carol al II-lea a murit în exil, în Portugalia, pe 4 aprilie 1953 şi este singurul Rege al României care a fost înhumat până acum în afara unei biserici. https://t.co/2A4CJMUKdM
„Mutarea sicriului cu osemintele Regelui Carol al II-lea dintr-o capelă izolată și așezarea acestuia în noua Catedrală Arhiepiscopală şi Regală de la Curtea de Argeș reprezintă un moment de recuperare istorică şi de integrare în tradiția monarhică… https://t.co/DWLkEAZznL