ナミビア伝統的君主:フィレモン・シュウムブワ・ナンゴロ陛下がオンドンガ王と認められた模様(2019年6月)

 2019年3月に、ナミビア共和国の伝統的君主の一人である前オンドンガ王のイマニュエル・カウルマ・エリファス陛下(King Omukwaniilwa Immanuel Kauluma Elifas)が崩御し、4月には甥のフィレモン・シュウムブワ・ナンゴロFillemon Shuumbwa Nangolo)が王として選ばれていました。
 一方、新王のおじのコニサ・カレンガKonisa Kalenga)が同じく王を称していたらしいのですが、それはともかく、管轄大臣のナミビア共和国/都市・農村開発大臣ペヤ・ムシェレンガ閣下(Peya Mushelenga)により前者が王として認められたようです。

 

 (英語)Mushelenga recognises Shuumbwa as Ondonga king – The Namibian

 

※「王」というより「大首長」のほうが適当ではないかという気がしましたが、記事中に「king」及び大文字で始まる「King」はあるものの、「chief」系の表記がないので、「王」にしておきます。

 

ナミビア伝統的君主:ナミビア政府が、ヘレロ人の大首長ヴェクイイ・ルコロの称号を“格下げ”。大首長(元・法務長官?)は「憲法違反」「ドイツ外務省と大使が関わっている」と非難(2018年8月)ドイツ大使館は関与を否定

 (英語)Rukoro fights village chief status – The Namibian

The Namibianさんのツイート: "Paramount chief Vekuii Rukoro vowed to sue the government if it does not change its intentions to confer him the status of just being the chief of the traditional community of Aminuis. https://t.co/gyt7ngBO2c… https://t.co/e6vgbzBRvF"

The Namibian – Paramount chief Vekuii Rukoro yesterday… | Facebook

 

 ナミビア共和国政府が、同国の伝統的君主のひとり、ヘレロ人の大首長ヴェクイイ・ルコロVekuii Rukoro)の称号を“格下げ”したそうです。

 記事によりますと、“ombara otjitambi”という称号を2016年に承認されているようです。
 ヘレロ人は、ナミビアの構成民族で唯一複数の伝統的君主が存在します(これがドイツの植民地政策の結果かどうかはわかりませんが)。
 “ombara otjitambi”という称号を保有することは、おそらくですが、ヘレロ全体の大首長に近い意味合いなのではないかと思いますが、一方で、他の伝統的君主はその下で指揮を受けるわけではないと思われるので、管轄区域があるのではないかと思います。

 そして、政府、というか現在のナミビア共和国大統領ハーゲ・ガインゴブ博士閣下(His Excellency Dr. Hage G. Geingob)は、今回、ルコロの称号をアミヌイスの首長(Aminuis)としたようです。
 記事によればアミヌイスはすごい田舎のようですが、そもそもここを管轄しているのは、ムバンデル大首長なのではという疑問が。

 ルコロの前任者、クアイマ・リルアコは2014年6月2日に薨去していますが、現在の大統領とリルアコ、ルコロの関係があまり良くなかった/良くないのではないかとも思われます。

 また、ルコロはドイツ外務省と大使を非難(ドイツ大使館は関与を否定)、抗議に対して政府関係者が電話に出ず、WhatsAppでも返事をよこさない、としています(WhatsAppで大首長と閣僚が連絡を取るのがナミビアの現状のようです)。

 ともあれ、政府側が撤回しない場合、訴訟がおこなわれるでしょう。
 ルコロがなぜドイツの関与をほのめかしたのかよくわかりませんが、裁判になれば明らかになるかもしれないし、ならないかもしれません。

 

訃報(2014年6月2日):ナミビア伝統的君主/ヘレロ大首長クアイマ・リルアコ、薨去(1935~2014)

 2014年6月2日、ナミビア共和国のヘレロ人(ヘレロ族)の大首長クアイマ・リルアコKuaima Riruako)が薨去しました。1935年4月24日生まれの79歳。

 ナミビア共和国の政治に関与し、薨去直前にはナミビア共和国大統領ヒフィケプニェ・ポハンバ閣下(His Excellency Mr Hifikepunye Pohamba)が見舞いに訪れていたということです。

 

記事:
 (英語)The Namibian – Great loss (News | )
 (アフリカーンス語)Chief Riruako sterf | Republikein.com.na