モナコ公オノレ3世殿下の次男の子孫が、自身の系統がフランスの強制によるモナコ公位継承法変更によってモナコ公になっていないことを理由に約3.5億ユーロ(約440億円)の賠償を求めてフランス政府を提訴とのこと(2018年8月)

 モナコ公オノレ3世殿下(Honoré III)の次男、モナコ公子ジョゼフ殿下(Joseph)の子孫、ルイ・ド・ヴァンサン・ド・コーザン伯爵子(Count Louis de Vincens de Causans)が、自身の系統がモナコ公位を継承していないのは、フランスにより継承法変更の強制があったためということで、約3.5億ユーロ(約440億円)の賠償を求めてフランス政府を提訴する(した?)とのことです。

 この問題ですが、現在のモナコ公アルベール2世殿下(His Serene Highness Prince Albert II, Sovereign Prince of Monaco)の曾祖父にあたるモナコ公ルイ2世殿下(Louis II)には、婚姻外の子供であるシャルロットCharlotte)しか子孫がおらず、したがって継承者がいないため、次の継承者はドイツのウラッハ家(ヴュルテンベルク家の貴賤結婚の子孫)の系統になる、という状況が過去にありました。
 そして、継承法は変更され、モナコ公女となったシャルロット殿下の子孫のアルベール2世殿下が現在のモナコ公です。

 今回のルイ伯爵子の主張などでは、ドイツの家であるウラッハ家がモナコ公位を継承することをフランス政府が許さなかったために、モナコ公位継承法の変更が強要された、というものです(主流の見解?)。
 また、ドイツのウラッハ家の系統はモナコ公位への権利を放棄しており、その次が今回のルイ伯爵子の系統になる、ということです。

 伯爵子は(記事を読んだ限りでは)モナコ公になりたいのではなく慰謝料をもらいたい、というようなことのようですが(そもそも、もともとの継承法とウラッハの権利放棄が妥当だと考えると、現在のモナコ公位は彼の叔父グザヴィエ・ド・コーモン・ラ・フォルスではないかという気もしますが)、この不景気のご時世にフランス政府にそんな大金を払えなんて判決が出たら暴動が起きるのではないかと思います。

 

 (フランス語)S’estimant «spolié» du trône de Monaco, il réclame 351 millions d’euros à la France – Le Parisien

Le Parisien:
Louis de Causans, l'homme qui remet en cause la légitimité du trône de Monaco – 動画 Dailymotion

Le Parisienさんのツイート: "S’estimant «spolié» du trône de Monaco, il réclame 351 millions d’euros à la France https://t.co/JOQoiH6V4Q #Rediff https://t.co/JOQoiH6V4Q"

 

 (英語)Aristocrat sues France for €351m in row over Monaco throne | World news | The Guardian
 (英語)Aristocrat sues France for £314m in Monaco throne row | Daily Mail Online

 

旧ブルガリア王シメオン2世陛下が著書のポルトガル版発行を機に同国を訪問。姪のアレクサンドラ・ナデジダ公女やポルトガル大統領と会見(2018年7月)

 旧ブルガリア王シメオン2世陛下(His Majesty King【Tsar】 Simeon II of the Bulgarians : 元ブルガリア共和国首相シメオン・サクスコブルクゴツキSimeon Saxe-Coburg-GothaSimeon Sakskoburggotski)と旧ブルガリア王妃マルガリータ陛下(Her Majesty The Queen【Tsaritsa】Margarita of the Bulgarians : マルガリータ・サクスコブルクゴツカMargarita Saxe-Coburg-GothaMargarita Sakskoburggotska)は、シメオン2世陛下の著書(自伝)のポルトガル版発行を機にポルトガル共和国を訪問しました。

 姪のアレクサンドラ・ナデジダ公女(Princess Aleksandra Nadejda)や、ポルトガル共和国大統領マルセロ・レベロ・デ・ソウザ教授閣下(マルセロ・ヌノ・ドゥアルテ・レベロ・デ・ソウザ大統領 : His Excellency Prof Marcelo Rebelo de Sousa)と会見した模様。

 シメオン2世陛下は、女系でハンガリー貴族の名門コハーリ家の子孫となっていて、その当主的立場にある、とみなされていたか、本人がそう思っていたか、よくわからないのですが、2012年に出た情報によると、コハーリの称号について、姉のブルガリア王女マリヤ・ルイザ殿下(コハーリ女公 : Her Royal Highness Princess Maria Louise of Bulgaria, Princess of Koháry【Fürstin Koháry】)とその二度目の結婚の子孫に譲ったという状況になっているようです。
 アレクサンドラ・ナデジダ公女はマリヤ・ルイザ殿下の二度目の結婚の第一子で、アレクサンドラ・ナデジダ公女の子供も同じく称号付きで言及されていることがあります。

 

 (英語:旧ブルガリア王シメオン2世公式サイト)THE PRESIDENT OF PORTUGAL H.E. MR. MARCELO REBELO DE SOUSA WAS SPECIAL GUEST TO THE PREMIERE OF THE AUTOBIOGRAPHICAL BOOK OF KING SIMEON IN PORTUGESE « H.M. King Simeon II

 

ブルガリア王女カリナ殿下がフランスを訪問、ドルー王室礼拝堂ではオルレアン派フランス王室継嗣ヴァンドーム公爵ジャン王子殿下と会見(2018年6月)

 2018年6月1日~6月3日の日程で、ブルガリア王女カリナ殿下(ザクセン=コーブルク=ゴータ公女 : ザクセン公女 : ムラニー女伯爵 : Her Royal Highness Princess Kalina of Bulgaria, Princess of Saxe-Coburg and Gotha, Duchess in Saxony, Countess of Murany)がフランス共和国を訪問していたようです。

 オルレアン家埋葬地のドルー王室礼拝堂【サン=ルイ王室礼拝堂】では、他の訪問者らとともに、オルレアン派フランス王室のフランス皇太子/ヴァンドーム公爵/フランス王子/オルレアン公子ジャン殿下(Prince Jean of France : His Royal Highness The Dauphin de France, Duke of Vendôme : Prince of Orléans)から案内を受け、礼拝に参列した模様。

 また、映画 “The King” の試写会などを訪問したようです。

 

 (英語:ブルガリア王室公式サイト)Visit of HRH Princess Kalina in France « H.M. King Simeon II

 

関連:
 ブルガリア王フェルディナンド1世の再埋葬(2024年5月)曾孫のカリナ王女殿下の筋肉が一部で話題に……

訃報(2018年7月27日):ヴァルデック=ピルモント公子妃インゲボルク殿下、薨去(1932~2018)夫のフリードリヒ=カール殿下薨去から一月余りで

 2018年7月27日、ヴァルデック=ピルモント公子妃インゲボルク殿下(Her Serene Highness Princess Ingeborg of Waldeck and Pyrmont : インゲボルク・ププリンツェッシン・ツー・ヴァルデック・ウント・ピルモントIngeborg Prinzessin zu Waldeck und Pyrmontインゲボルク・フォン・ビーラIngeborg von Biela)が薨去した模様です。
 1932年7月2日生まれの86歳。

 夫のヴァルデック=ピルモント公子フリードリヒ=カール殿下が6月25日に薨去したばかりでした。

 

 (ドイツ語:死亡告知)Anzeige von Ingeborg Prinzessin zu Waldeck und Pyrmont | trauer.wlz-online.de

 

正統派フランス王位継承者ルイ20世ことアンジュー公ルイ・アルフォンス殿下の妻マリー・マルグリット殿下が、二人の間の第四子となる子供を懐妊しているとの発表(2018年7月)

 正統派フランス王位継承者ルイ20世Louis XX)ことアンジュー公ルイ・アルフォンス殿下(Louis Alphonse : His Royal Highness The Duke of Anjou : ルイス・アルフォンソ・デ・ボルボン・マルチネス=ボルディウLuis Alfonso de Borbón Martínez-Bordiú)の妻アンジュー公妃マリー・マルグリット殿下(Marie Marguerite : Her Royal Highness The Duchess of Anjou)が、二人の間の第四子となる子供を懐妊していると発表されました。

※写真の中にかけられているTシャツに2019とあるので、誕生予定は来年かと思われます。

 

 なお、ルイ・アルフォンス殿下は、最近では、母のマリア・デル・カルメン・マルチネス=ボルディウ・フランコ閣下(María del Carmen Martínez-Bordiú Franco)によるフランコ公爵位継承申請に関する議論や、フランシスコ・フランコ総統の遺体を「戦没者の谷」から掘り出して他所に移そうとする首相らの話題などと関連して報道が出ています。

 

スペイン語とフランス語:
Mi querida #mujer @margaravs y yo… – Luis Alfonso de Borbón Martínez-Bordiú | Facebook

Luis Alfonso de Borbónさん(@luisalfdeborbon) • Instagram写真と動画

 

 スペインメディアの ¡Hola! がその筋から入手した情報によりますと、第四子は男子であるとのことです(詳細は紙媒体を買ってね、といういつもの)。

 (スペイン語)En ¡HOLA!: El bebé que esperan Luis Alfonso de Borbón y Margarita Vargas es…

 

 (フランス語)Un troisième fils pour le chef de la Maison de Bourbon | Le blog LEGITIMITE
 (フランス語)Famille de France, familles de France, familles nombreuses | Le blog LEGITIMITE

 正統派のブログですが、性別は男子で、出産予定は2019年2月であるとのことです。

 

 6月の、「戦没者の谷」訪問時の記事:
 (スペイン語)Luis Alfonso de Borbón: “El Valle de los Caídos es un monumento de reconciliación y oración”

 

 フランコ総統を支持する人々が、ルイ・アルフォンス殿下を、「我々の王」と言及とのこと。

 (スペイン語)"Eres nuestro rey": por qué los ultras aclaman a Luis Alfonso en plena crisis en Zarzuela

'Cara al sol' contra la exhumación de Franco del Valle de los Caídos – 動画 Dailymotion