旧ブルガリア王シメオン2世陛下が著書のポルトガル版発行を機に同国を訪問。姪のアレクサンドラ・ナデジダ公女やポルトガル大統領と会見(2018年7月)

 旧ブルガリア王シメオン2世陛下(His Majesty King【Tsar】 Simeon II of the Bulgarians : 元ブルガリア共和国首相シメオン・サクスコブルクゴツキSimeon Saxe-Coburg-GothaSimeon Sakskoburggotski)と旧ブルガリア王妃マルガリータ陛下(Her Majesty The Queen【Tsaritsa】Margarita of the Bulgarians : マルガリータ・サクスコブルクゴツカMargarita Saxe-Coburg-GothaMargarita Sakskoburggotska)は、シメオン2世陛下の著書(自伝)のポルトガル版発行を機にポルトガル共和国を訪問しました。

 姪のアレクサンドラ・ナデジダ公女(Princess Aleksandra Nadejda)や、ポルトガル共和国大統領マルセロ・レベロ・デ・ソウザ教授閣下(マルセロ・ヌノ・ドゥアルテ・レベロ・デ・ソウザ大統領 : His Excellency Prof Marcelo Rebelo de Sousa)と会見した模様。

 シメオン2世陛下は、女系でハンガリー貴族の名門コハーリ家の子孫となっていて、その当主的立場にある、とみなされていたか、本人がそう思っていたか、よくわからないのですが、2012年に出た情報によると、コハーリの称号について、姉のブルガリア王女マリヤ・ルイザ殿下(コハーリ女公 : Her Royal Highness Princess Maria Louise of Bulgaria, Princess of Koháry【Fürstin Koháry】)とその二度目の結婚の子孫に譲ったという状況になっているようです。
 アレクサンドラ・ナデジダ公女はマリヤ・ルイザ殿下の二度目の結婚の第一子で、アレクサンドラ・ナデジダ公女の子供も同じく称号付きで言及されていることがあります。

 

 (英語:旧ブルガリア王シメオン2世公式サイト)THE PRESIDENT OF PORTUGAL H.E. MR. MARCELO REBELO DE SOUSA WAS SPECIAL GUEST TO THE PREMIERE OF THE AUTOBIOGRAPHICAL BOOK OF KING SIMEON IN PORTUGESE « H.M. King Simeon II

 

ブルガリア王女カリナ殿下がフランスを訪問、ドルー王室礼拝堂ではオルレアン派フランス王室継嗣ヴァンドーム公爵ジャン王子殿下と会見(2018年6月)

 2018年6月1日~6月3日の日程で、ブルガリア王女カリナ殿下(ザクセン=コーブルク=ゴータ公女 : ザクセン公女 : ムラニー女伯爵 : Her Royal Highness Princess Kalina of Bulgaria, Princess of Saxe-Coburg and Gotha, Duchess in Saxony, Countess of Murany)がフランス共和国を訪問していたようです。

 オルレアン家埋葬地のドルー王室礼拝堂【サン=ルイ王室礼拝堂】では、他の訪問者らとともに、オルレアン派フランス王室のフランス皇太子/ヴァンドーム公爵/フランス王子/オルレアン公子ジャン殿下(Prince Jean of France : His Royal Highness The Dauphin de France, Duke of Vendôme : Prince of Orléans)から案内を受け、礼拝に参列した模様。

 また、映画 “The King” の試写会などを訪問したようです。

 

 (英語:ブルガリア王室公式サイト)Visit of HRH Princess Kalina in France « H.M. King Simeon II

 

訃報(2018年6月9日):ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公子ゲオルク=コンスタンティン殿下が落馬で薨去(1977~2018)同系統の男系男子は消滅が確定的に

 2018年6月9日、ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公子ゲオルク=コンスタンティン殿下(His Highness Prince Georg-Constantin of Saxe-Weimar-Eisenach : ゲオルク=コンスタンティン・プリンツ・フォン・ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハGeorg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach)が、落馬で薨去しました。
 1977年4月13日生まれの41歳。

 ヴェッティン家およびエルネスティン系ヴェッティン家でもっとも長系のザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公室当主/ザクセン=ヴァイマル=アイゼナッハ公ミヒャエル殿下(Michael : His Royal Highness The Prince of Saxe-Weimar-Eisenach)には男子がおらず、ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ系統ではミヒャエル殿下の従兄のエルンスト殿下とその子息の(今回薨去した)ゲオルク=コンスタンティン殿下しか他の男系男子は存在しなかったのですが、薨去により(ミヒャエル殿下とエルンスト殿下が70歳を超えているので)男系男子の消滅が確定的となりました。

 

 (英語)German prince who moved to UK to marry Englishwoman is killed after falling from horse in race | Daily Mail Online

 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach: Tod mit 41 | GALA.de
 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach: Plötzlicher Tod mit 41! | BUNTE.de
 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach stirbt bei tragischem Reitunfall | OTZ
 (ドイツ語)Reitunfall: Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach gestorben – FOCUS Online
 (ドイツ語)Tragisches Unglück: Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach stirbt bei Reitunfall | Express.de
 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach ist tot! | InTouch
 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach Tod: Tragischer Reitunfall im Alter von 41 Jahren
 (ドイツ語)Prinz Georg-Constantin von Sachsen-Weimar-Eisenach stirbt mit 41 Jahren
 (ドイツ語)Trauerfeier für Georg-Constantin wird in Weimar beerdigt | MDR.DE
 (ドイツ語)Trauerfeier für Prinz Georg-Constantin von Sachsen-Weimar-Eisenach | MDR.DE

 

 将来的に当主になるであろうことが決定的であったゲオルク=コンスタンティン殿下の今回の薨去に伴い、当主のミヒャエル殿下は、自分の後継者に、娘のレオニー殿下を指名しています。

 (ドイツ語)Nach tragischem Unfall: Leonie führt jetzt das Haus Sachsen-Weimar-Eisenach | OTZ

 葬儀を待たずに指名がおこなわれた非礼への批判もありますが……。

 ともあれ、今回の指名が、ミヒャエル殿下がトップを務めている各団体の次期トップに娘を指名しただけのものなのか、次期ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公室当主として娘を指名したのか、見解はわかれています。

 が、ミヒャエル殿下は、アルベルティン系ヴェッティン家=ザクセン王室の男系男子消滅とともに、ザクセン王室は消滅していると主張し、「あえていうならヴェッティン家全体でもっとも長系の男系男子である自分がザクセン王室当主」という主旨まで発言したことがあります。いきなり男系男子を無視して娘を指名するとは考えにくく、また指名したところで他のエルネスティン系ヴェッティン家(ザクセン=マイニンゲン公室とザクセン=コーブルク=ゴータ公室)が承認するとは思えません。
 ザクセン=マイニンゲン公室も、当主とみなされているコンラート殿下のほかには、父の一度目の結婚(貴賤結婚とみなされている)の息子であった亡兄の息子しか男系男子はいません。そしてコンラート殿下の真意はいまだ不明です。
 すでに消滅しているザクセン=アルテンブルク公室を含めて、エルネスティン系統のヴェッティン家は、ザクセン=コーブルク=ゴータ公室以外、未来が見えない状況です。

 また、後継指名されたレオニー殿下は未婚とされており、団体のトップであろうと大公室当主であろうと、後継問題はいずれ発生すると見られています。
 そのような場合、レオニー殿下が今から結婚して子供が生まれその子が継いだり、あるいは今回薨去したゲオルク=コンスタンティン殿下の姉デジレー殿下とその子孫が継ぐのであれば異論は少なそうではありますが、そうではない(ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハの子孫ではない)人々へ権利が移るとなると、法廷で争われることがあるかもしれません。

 

ロシア帝室ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下と継嗣のゲオルギー大公殿下が、アメリカ合衆国を訪問(2018年4月~5月)

 ロシア帝室ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下(Head of the Russian Imperial House : Her Imperial Highness The Grand Duchess Maria Wladimirovna of Russia)と継嗣のロシア大公ゲオルギー殿下(His Imperial Highness The Heir, Tsesarevich, and Grand Duke George of Russia)が、アメリカ合衆国を訪問したようです。

 2018年4月30日には、ニュージャージー州のブルガリア王女マリヤ・ルイザ殿下(コハーリ女公 : Her Royal Highness Princess Maria Louise of Bulgaria, Princess of Koháry【Fürstin Koháry】)を訪問。

 2018年5月3日、「The Versailles Foundation」の晩餐会に。
 現在セルビア王室を称するユーゴスラビア王室のディミトリ王子殿下(1965年生まれの方? : His Royal Highness Prince Dimitri of Yugoslavia)、
 ホーエンツォレルン公カール・フリードリヒ殿下(Karl Friedrich : His Royal Highness The Prince of Hohenzollern)とホーエンツォレルン公妃カタリナ殿下(Katharina : Her Royal Highness Princess of Hohenzollern)、
 などの臨席があったようです(ホーエンツォレルン公室当主夫妻は「Royal Highness」と表記されています。誤記なのか理由があるのか不明)。

 2018年5月6日には、在外ロシア正教会【ROCOR】のサンフランシスコ・米国西部大主教キリル座下(His Eminence Archbishop Kyrill of San Francisco and Western America)の礼拝へ。

 

 (英語:ロシア帝室公式サイト)Russian Imperial House – April 28 – May 7, 2018. The Grand Duchess Maria is the Guest of Honour at the Annual Dinner of The Versailles Foundation in New York City

 (英語)Visit of the Russian Imperial House to New York — The Russian Legitimist
 (英語)T.I.H. Grand Duchess Maria and Grand Duke George visit New York — The Russian Legitimist

 (英語)The Versailles Foundation’s annual dinner honoring Her Imperial Highness The Grand Duchess Maria of Russia | New York Social Diary

 (英語:在外ロシア正教会【ROCOR】公式サイト)The Russian Orthodox Church Outside of Russia – Official Website | Archbishop Kyrill of San Francisco and Western America gives a church award to Grand Duke Georgy Mikhailovich

 

Vanity Fair(英語)記事:“There’s Nothing Wrong with Falling from Grace”(2018年)君主政復活・王室支持の話と、エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下とニコライ・トルストイ伯爵子の話題など

 (英語)“There’s Nothing Wrong with Falling from Grace”: The Global Network of Monarchists Helping Deposed Kings and Queens | Vanity Fair
 (英語:上記からニコライ・トルストイ伯爵子に関する部分の一部を抜き出したもの)Count Nikolai Tolstoy on Russian Monarchy and the Romanovs | Royal Russia News

 

 冒頭は、ルーマニア王女マルガレータ殿下(当時)から連絡を受けた人物の話、君主政復活・王室支持の話と、エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下(His Imperial Highness Prince Ermias Sahle-Selassie)とニコライ・トルストイ伯爵子(Count Nikolai Tolstoy)の話題などが中心となっています。

 

 エルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下は故エチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世陛下の孫ですが、一般的にエチオピア帝室の当主とされていません。
 しかし、この記事のように、帝室の代表者として活動しているとみる立場もあるようです。

 

 ニコライ・トルストイ伯爵子の話の一部には、“Pretender【プリテンダー】”という用語に関するものがあります。
 いうまでもなくこの言葉は中立的ではないものですが、Wikipedia英語版のせいか、この言葉が使用されるケースが多い気します(上記の記事すらそうなのですが)。
 そのもっともアホらしい例は、リトアニアの王位継承者を称して活動を始めたウラッハ公子イニゴ閣下(His Serene Highness Prince Inigo of Urach)のものらしきサイト(すぐに更新止まりましたけれど)に、イニゴ閣下をリトアニア王位の“legitimate pretender”とする表記があったことです。もちろんこれは、イニゴ閣下を正当な王位継承者と表現したかったのでしょうが、pretenderに「不当」である意味がありlegitimateに「正当」である意味があることを考慮すれば、ギャグのような言葉の並びです。
 中立的というかなんと表現すればいいのかわかりませんが、“Claimant【クレイマント】”という用語がありますが、一般的の人にはなじみがなく、また、正直これが本当に中立な用語なのか首をかしげるときもあります。日本語で“王位請求者”と(訳して)書いている例がありますが……コメントは避けます
 伯爵子は“Heir【エア】”を使っているようですが、当方でも「(王位)継承者」などこの用語を意識して書いています。この用語が実は一番便利です。曖昧さを許容するという意味でも。pretenderはそもそも本人が称していないのにこう書くのは名誉棄損みたいなものですし、claimantも本人が称していない場合はどうなのか、よくわからない部分があります。