2007年にサモア国家元首マリエトア・タヌマフィリ2世殿下(His Highness Malietoa Tanumafili II, O le Ao o le Mālō)が薨去した後、空位が続いている四大首長のひとつ「マリエトア(Malietoa)」の後継として、子息のパパリイ・ファアマウシリ・モリ(Papali’i Fa’amausili Molī : パパリッイ・ファッアマウシリ・モリー)が昨年選出され、2018年8月に即位式がおこなわれたようです。
なお、強行した即位式には、同じく四大首長のひとつ「トゥイマレアリイファノ(Tuimaleali’ifano : トゥイマレアリッイファノ)」であり現在のサモア国家元首であるトゥイアアナ・トゥイマレアリイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世殿下(His Highness Tuia’ana Tuimaleali’ifano Va’aletoa Sualauvi II, O le Ao o le Mālō : トゥイアッアナ・トゥイマレアリッイファノ・ヴァッアレトア・スアラウヴィ2世)夫妻の臨席はあったようですが、同じく四大首長のひとつ「トゥプア・タマセセ(Tupua Tamasese)」で先代のサモア国家元首であったトゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ殿下(His Highness Tuiatua Tupua Tamasese Efi)の臨席は報じられていません。
同じく四大首長のひとつ「マタアファ(Mata’afa : マタッアファ)」は現在空位となっています。
さて、現時点までの西サモア~サモアの国家元首(オ・レ・アオ・オ・レ・マロ : O le Ao o le Mālō : オ・レ・アオ・オ・レ・マーロー)について記述しておきますと──
まず1962年独立時点で、独立以前から特別な地位にあった、 トゥプア・タマセセ・メアオレ殿下(His Highness Tupua Tamasese Meaʻole, O le Ao o le Mālō)、
マリエトア・タヌマフィリ2世殿下、
が特別な規定により両者とも終身の共同国家元首となります(どちらも四大首長)。
前者はわりと早く薨去し、その後マリエトア・タヌマフィリ2世殿下が単独の終身国家元首となり、2007年に薨去。
そして、トゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ殿下とトゥイアアナ・トゥイマレアリイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世殿下が短期間国家元首代行を務めますが(どちらも四大首長)、前者のトゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ殿下が正式に国家元首に選出されます(対抗馬なし)。任期は5年。
任期終了の2012年にも選出会議がおこなわれ、このときも対抗馬なしで選出されている、と思います。
次の任期終了である2017年には、トゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ殿下と、ともに短期間国家元首代行を務めていたトゥイアアナ・トゥイマレアリイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世殿下の間で選挙がおこなわれ後者が就任しました。
また、2017年11月には、(通算で)2期10年を上限とするという憲法改正がおこなわれる見込みと報じられましたが、1期10年で終わりと取れるような書き方をしているところもあり、改正されたかどうかも含めて詳細は不明です。
いずれにせよサモアの事実上の唯一政党「人権推進党(Human Rights Protection Party : HRPP)」は、国家元首の就任資格が事実上四大首長(ルール上、下位首長を含む)に絞られていることに対して批判的とされており、また、トゥイラエパ首相は口ではいかにも国家元首の地位を尊重しているようなことをいいますが与党を掌握している人物であり、冷淡にいってしまえば国家元首や四大首長を尊重しているわけがない(自分は首相を20年務めている)ので、サモアの国家元首の地位はこれからどうなるかわかりません。
また、マキュアータ首長のほうは、彼の先祖のマキュアータ首長“ラートゥー”・ライオ・カトニヴェレ(Tui Macuata Ratu Raio Katonivere)が三代前のランバサ首長(即位した新首長の伯父で上院議員を務めていたらしい)“ラートゥー”・テヴィタ・クォマテ(Ratu Tevita Qomate)の即位を主導したと前例を出し、マキュアータ首長がランバサ首長を即位させるのが当たり前なのだといわんばかりの見解を示していますが、どちらのいうことが正しいのかはさっぱりわかりませんが……。
いっぽう、なんの組織かわかりませんが、「Native Land Commission」という役所のお偉方らしい“ラートゥー”・ヴェシクラ・ヴァナナラギ(Ratu Vesikura Vananalagi)という人は、“ラートゥー”・ペニからの訴状が届くまではコメントすることはないとのこと。
また、一番上に書いたドラウナ家にも、提訴が可能だと助言したそうです。
The vanua o Labasa braved the hot sun that seemed to burn in all its glory today as they sat in silence to witness the installation of their new chief and #TuiLabasa Ratu Jone Qomate. #TimesNews#FijiNewshttps://t.co/T0b0znOP1y
この式典ですが、現在ハワイ王室当主の一人とされるハワイ王女オワナ・サラザール殿下(Her Roya Highness Princess Owana Salazar of Hawaii)の招待により、オルレアン派フランス王室の長女であるリヒテンシュタイン公子妃マリー殿下(オルレアン公女 : フランス王女 : Her Royal Highness Princess Marie of Liechtenstein, Princess of Orléans, Princess of France)と娘の一人のリヒテンシュタイン公女マルガレーテ殿下(Her Serene Highness Princess Margarete of Liechtenstein)が参列したようです。
※マリー妃殿下は、リヒテンシュタイン公子グンダカル殿下と結婚しています。
(URL移転により記事の掲載が終了しています)(フランス語:フランスのオルレアニストのブログ)La Princesse Marie de France aux 175 ans de la restauration de la Monarchie à Hawaï – Le blog de La Couronne
掲載時URL:http://www.la-couronne.org/actualite-royale/la-princesse-marie-de-france-aux-175-ans-de-la-restauration-de-la-monarchie-a-hawai/