選挙後の首相・政権について混乱していたサモアで、裁判所がフィアメ・ナオミ・マタアファ閣下が首相であると判断(2021年7月)四大首長の一人、故マタアファ・ファウムイナ・ムリヌウ2世の娘

 2021年7月23日、サモア独立国の上訴裁判所は、5月24日のフィアメ・ナオミ・マタアファ閣下(The Honourable Fiame Naomi Mataʻafa)らによる宣誓が有効であることを確認し、同日より首相であったという判断を下しました。
 これにより、トゥイラエパ首相はすでに首相ではなくなっていることになり、20年以上継続した政権は終了しました。

 フィアメ・ナオミ・マタアファ閣下は、四大首長の一人“マタアファ”の地位にあった故マタアファ・ファウムイナ・ムリヌウ2世の娘です。
 同首長は独立前から首相の地位にあり、西サモア独立に伴いそのまま初代首相となりました。その後、さらに一度首相を務めています。

 今回の混乱と政権交代にはいろいろな原因があり、また影響がこれから出てくるでしょうが、当サイトとしては空位となっている“マタアファ”の選出があるのかどうか、今のところ四大首長のみが地位についている国家元首の扱いがどうなるのかというところが気にかかるところです。

 

 (英語)Samoa Observer | Court declares F.A.S.T. Government; impasse over
 (英語)First woman PM confirmed in Samoa | The West Australian

サモア四大首長:裁判所の延期命令を無視して新たな“マリエトア”の即位式を強行した当人と20人以上の首長が警察に告発される(2018年9月)

 2018年8月に、裁判所の延期命令を無視してサモア四大首長(タマ・ア・アイガ)のひとつ「マリエトア(Malietoa)」即位式を強行したパパリイ・ファアマウシリ・モリPapali’i Fa’amausili Molīパパリッイ・ファッアマウシリ・モリー : 故・サモア国家元首マリエトア・タヌマフィリ2世殿下の子息)とそれを支持する20人以上の首長らが、法廷侮辱罪で警察に告発されたようです(予定通りに)。

 

 (英語)Samoa chiefs and orators charged over bestowal of paramount title | RNZ News

 

 事情聴取が10月9日から始まる予定。

 一方、パパリイ・ファアマウシリ・モリのマリエトア選出そのものへの異論の裁判(?)が10月2日に始まるようです。

 日程にもよりますが、仮に後者の裁判でマリエトアと認められても、前者の件で有罪になったらまたやり直し(罪人にマリエトアの資格なしとの訴えが出て)ではないのかという気もします。

 

 ところで。
 即位式への臨席が報じられていた、同じく四大首長のひとつ「トゥイマレアリイファノTuimaleali’ifanoトゥイマレアリッイファノ)」であり現在のサモア国家元首であるトゥイアアナ・トゥイマレアリイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世殿下(His Highness Tuia’ana Tuimaleali’ifano Va’aletoa Sualauvi II, O le Ao o le Mālō : トゥイアッアナ・トゥイマレアリッイファノ・ヴァッアレトア・スアラウヴィ2世)夫妻は、お咎めなし??

 「見に来ただけ」だから問題ないということなんでしょうか。

※この方の名前が覚えられません。

 

追記:
 記事へのリンクを追加しておきます。

 (英語)Malietoa Moli charged with contempt of Court | Samoa Observer

Samoa Observerさんのツイート: "Malietoa Fa’amausili Moli has been charged with contempt of Court. https://t.co/Xm86HqmMVr"

 

サモア四大首長:故・サモア国家元首マリエトア・タヌマフィリ2世殿下の子息が“マリエトア”の即位式をおこなうも、法廷侮辱罪で訴えられ(即位式延期を要求されていた模様)またもひきずりおろされそうとのこと(2018年8月)

 2007年にサモア国家元首マリエトア・タヌマフィリ2世殿下(His Highness Malietoa Tanumafili II, O le Ao o le Mālō)が薨去した後、空位が続いている四大首長のひとつ「マリエトア(Malietoa)」の後継として、子息のパパリイ・ファアマウシリ・モリPapali’i Fa’amausili Molīパパリッイ・ファッアマウシリ・モリー)が昨年選出され、2018年8月に即位式がおこなわれたようです。

 

Samoa Observer:
Malietoa title bestowed upon Fa’amausili Moli – YouTube

 

※サモアの人名は称号などを受けてしょっちゅう表記が変わるので、「Malietoa Moli」などと書いてあってもたぶんこの方です。

 どうも選出への異論申し立てを受けて裁判所かなにかが審議をおこなっていた途中らしく、即位式の延期を求められていた模様。
 無視して強行した結果、法廷侮辱罪で訴えられ、警察へ捜査が指示されたそうで、これからどうなるのでしょう。

 なお、強行した即位式には、同じく四大首長のひとつ「トゥイマレアリイファノTuimaleali’ifanoトゥイマレアリッイファノ)」であり現在のサモア国家元首であるトゥイアアナ・トゥイマレアリイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世殿下(His Highness Tuia’ana Tuimaleali’ifano Va’aletoa Sualauvi II, O le Ao o le Mālō : トゥイアッアナ・トゥイマレアリッイファノ・ヴァッアレトア・スアラウヴィ2世)夫妻の臨席はあったようですが、同じく四大首長のひとつ「トゥプア・タマセセ(Tupua Tamasese)」で先代のサモア国家元首であったトゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ殿下(His Highness Tuiatua Tupua Tamasese Efi)の臨席は報じられていません。
 同じく四大首長のひとつ「マタアファ(Mata’afa : マタッアファ)」は現在空位となっています。

 

 (英語)Malietoa title bestowed at Malie | Samoa Observer
 (英語)Criminal charges sought for Malietoa title bestowal | RNZ News
 
 

 さて、現時点までの西サモア~サモアの国家元首(オ・レ・アオ・オ・レ・マロ : O le Ao o le Mālō : オ・レ・アオ・オ・レ・マーロー)について記述しておきますと──
 まず1962年独立時点で、独立以前から特別な地位にあった、
 トゥプア・タマセセ・メアオレ殿下(His Highness Tupua Tamasese Meaʻole, O le Ao o le Mālō)、
 マリエトア・タヌマフィリ2世殿下、
 が特別な規定により両者とも終身の共同国家元首となります(どちらも四大首長)。
 前者はわりと早く薨去し、その後マリエトア・タヌマフィリ2世殿下が単独の終身国家元首となり、2007年に薨去。
 そして、トゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ殿下とトゥイアアナ・トゥイマレアリイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世殿下が短期間国家元首代行を務めますが(どちらも四大首長)、前者のトゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ殿下が正式に国家元首に選出されます(対抗馬なし)。任期は5年。
 任期終了の2012年にも選出会議がおこなわれ、このときも対抗馬なしで選出されている、と思います
 次の任期終了である2017年には、トゥイアトゥア・トゥプア・タマセセ・エフィ殿下と、ともに短期間国家元首代行を務めていたトゥイアアナ・トゥイマレアリイファノ・ヴァアレトア・スアラウヴィ2世殿下の間で選挙がおこなわれ後者が就任しました。
 また、2017年11月には、(通算で)2期10年を上限とするという憲法改正がおこなわれる見込みと報じられましたが、1期10年で終わりと取れるような書き方をしているところもあり、改正されたかどうかも含めて詳細は不明です。
 いずれにせよサモアの事実上の唯一政党「人権推進党(Human Rights Protection Party : HRPP)」は、国家元首の就任資格が事実上四大首長(ルール上、下位首長を含む)に絞られていることに対して批判的とされており、また、トゥイラエパ首相は口ではいかにも国家元首の地位を尊重しているようなことをいいますが与党を掌握している人物であり、冷淡にいってしまえば国家元首や四大首長を尊重しているわけがない(自分は首相を20年務めている)ので、サモアの国家元首の地位はこれからどうなるかわかりません。

 

 また、今回、即位式を強行したパパリイ・ファアマウシリ・モリですが、上記の動きとは別に、有罪になれば国家元首就任の資格を失うことになるかもしれません。

 

続報:
 サモア四大首長:裁判所の延期命令を無視して新たな“マリエトア”の即位式を強行した当人と20人以上の首長が警察に告発される(2018年9月)