ナイジェリア伝統的君主:イバダン王サリウ・アカンム・アデトゥンジ陛下の91歳祝賀式典がおこなわれる(2019年8月)“王位昇格騒動”の21人の高位首長との対立は収束に向かった模様

 さて、一年前のこちらの記事を覚えておいででしょうか/ご存知でしょうか。

 

 ナイジェリア伝統的君主:イバダン王国で昨年【2017年】オヨ州政府に新たに“王”として認められた多数の首長(21人?)が、これを認めた現職州知事らを批判している元・州知事の上院議員(かつ同王国の上位の首長のひとり)を非難「嫉妬だ!」(2018年9月)

 

 まったく覚えておられない方や、初耳の方は↑の記事を読んで、そんなことがあったのかと思って下さい。

 

 さて、昨年のイバダン王の誕生日式典では、これらの21人の高位首長らが欠席するという無礼があったわけですが、今年はレカン・バログン高位首長(Lekan Balogun, The Otun Olubadan of Ibadan)が(嫌がっていたものも含めて)21人をまとめて全員参列したようではあります。
 イバダン王“オバ”・サリウ・アカンム・アデトゥンジ陛下(His Royal Majesty Oba Saliu Akanmu Adetunji, the Olubadan of Ibadan)は1928年8月26日生まれ。

 

 (英語)Ibadan ‘kings’ reunite with Olubadan at monarch’s 91st birthday – Daily Trust

Daily TrustさんはTwitterを使っています: 「Ibadan ‘kings’ reunite with Olubadan at monarch’s 91st birthday https://t.co/u60R3i7nJs https://t.co/8S8VAxAv9h」 / Twitter

 

 また、詳細がよくわからないのですが、前オヨ州知事による21人の王位認定が裁判所で無効とされた後に、前オヨ州知事と今のオヨ州知事が和解を協議したと記事にはあります。この際、結局のところ21人の王位は取り消された/あるいは無効となったものと思います(と思いますが……)。

 今回、イバダン王には、高位首長を代表して(王位から引きずりおろされた一人の)アミドゥ・アジバデ高位首長(Amidu Ajibade, Ekarun Olubadan of Ibadan)が祝いを述べたようです。

 

 騒動が終わるのは結構なことですが、なんだったんだ一体……。

 

追記:
 もう一つ記事を見つけたのでリンクしておきます。

 (英語)Olubadan's special birthday gift – The Nation Newspaper

 微妙にすっきりしないのは、結局 21 人の地位が最終的にどうなったのかがはっきり書かれていないところですが……。

 

追記2:

How Olubadan’s birthday anniversary turned blessing for Ibadan – Daily Trust

Daily TrustさんはTwitterを使っています: 「After years of infighting, the traditional gladiators in Ibadanland are working towards settling their rift with the birthday anniversary of the Olubadan providing a… #DailyTrust, #Nigeria https://t.co/8yuAUaRHiR」 / Twitter

 

追記3:
 下記の記事は、21人は王位を放棄したとしています( reportedly ですが)。

21 Obas installed by Ajimobi reportedly drop crown, submit to Olubadan ▷ Legit.ng

At the meeting are also the Ooni of Ife, Oba Adeyeye Ogunwusi; Olugbo of Ugbo land, Oba Frederick Akinruntan; Oba of Lagos, Oba Rowland Akiu and a host of other traditional rulers.

 おそらく調停役となったのであろう、
 (ヨルバ系君主の二人の最高権威のうちの一人)イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife)、
 (ナイジェリア一の大金持ち)ウグボ王“オバ”・フレデリック・オバテル・アキンルンタン陛下(His Royal Majesty Oba Fredrick Obateru Akinruntan, the Olugbo of Ugbo)、
 ラゴス王ロウランド・アキウ陛下(Oba Rowland Akiu, Oba of Lagos)
 の名前が挙がっています。
追記:
 最後のラゴス王についてですが、一般的にラゴス王はリルワン・アキオル陛下(His Royal Majesty Oba Rilwan Akiolu, The Oba Lagos)です。人違いなのか、微妙にスペルが似ているともいえるので誰かが壮絶にミスタイプしたものが転記されているのかわかりませんが、細かい事情についてはわかりません。

 

ナイジェリア伝統的君主:オウォ王アジバデ・グバデゲシン・オグノイェ陛下が即位(2019年8月)ヨルバ系

 2019年8月23日に、ナイジェリア連邦共和国オンド州の伝統的君主の一人、オウォ王“オバ”・アジバデ・グバデゲシン・オグノイェ陛下(Oba Ajibade Gbadegesin Ogunoye, Olowo of Owo)が即位したようです。
 ヨルバ系君主の模様。
 第13代なのか第33代なのかよくわかりませんが、どちらも間違いかもしれません。
 先々代の王の子息のようです。
 1966年7月6日生まれの53歳。

 即位式には、予定として、オンド州知事のほか他の南西部の知事ら、そして副大統領イェミ・オシンバジョ閣下(Yemi Osinbajo)が参列とのことですが、実際に参列した写真などは確認できていません。

 

Ogunoye Installed As 33rd Olowo Of Owo | Sahara Reporters

Sahara ReportersさんはTwitterを使っています: 「Ogunoye Installed As 33rd Olowo Of Owo | Sahara Reporters The traditional rites, which was attended by hundreds of residents of the town and well-wishers. READ MORE: https://t.co/tuMquHQQjm https://t.co/g6niPKqkq2」 / Twitter

 

New Olowo of Owo installed today – The Sun Nigeria

The Sun NigeriaさんはTwitterを使っています: 「Ogunoye installed 13th Olowo of Owo – https://t.co/BAjvnQNHGZ https://t.co/DIr1MUWXgV」 / Twitter

 

New Olowo, Ogunoye installed – The Nation Newspaper

The Nation NigeriaさんはTwitterを使っています: 「New Olowo, Ogunoye installed https://t.co/M2dN7aR0Zo」 / Twitter

The traditional rites started very early… – The Nation Newspaper | Facebook

 

 (英語)I broke a jinx – Olowo-elect – Vanguard News

 上の記事は少し前のインタビュー記事です。

 本人による選出の経緯(例外的に平穏に選ばれ=ジンクスを破った、など)がありますが、王室による説明もあります。
 それによりますと、王室はエレウォクン(Elewokun Ruling House)と呼ばれ、二つの系統、アタンネイェス(Atanneyes)・オグノイェス(Ogunoyes)に分かれていて、さらに前者はオラグベギス(Olagbegis)とアジケス(Ajikes)から構成される、とのことです。
 今回即位した陛下の名前には、オグノイェが含まれるのでオグノイェス出身なのかと思えば、そうでないかのような質問をインタビュアーがしているので、少々疑問点もありますが、ただこの中でどこかが優先されるとか、ローテーション(確定的にせよなんとなくにせよ)があるとか、そういうことは述べられていません。

 

ナイジェリア伝統的君主:イログボ=エキティで怒れる人々が王とその家族を追放したとの報道。息子の王子がカルト教団を率いて問題行動を繰り返したあげく少年を殺害した疑い(2018年10月)

 ナイジェリア連邦共和国エキティ州の伝統的君主のひとり、イログボ=エキティ王“オバ”・エドワード・アジャイー陛下(Oba Edward Ajayi, The Owa of Ilogbo-Ekiti)とその一家が、人々から追放されたとの報道がされています。

 (どれもだいたい同じ内容の)報道によりますと王の子息である、アデレイェ・アジャイー王子(Prince Adeleye Ajayi)が、カルト教団を率いて問題行動を多数起こしていたのに王は人々の訴えを受けてもなにひとつ行動せず、ついに王子らが少年を殺害した疑いが発生し、人々が怒って王とその家族を追放した、とのことです。
 殺害事件については警察が調査中。
 王は今のところ声明などは発表しておらず、携帯電話は電源が切られているそうです。

 また、疑惑の王子はカルトに関係したとして五年前に大学から放校されたとの情報もあります。

 

 (英語)Angry residents ostracize Ekiti monarch – Daily Post Nigeria
 (英語)Ekiti monarch chased out of palace as resident dies – Punch Newspapers
 (英語)King chased from his throne for helping cult led by his son – Metro – Pulse.ng
 (英語)Residents chase Ekiti monarch out of town over son's alleged cult activities

 

 住民らは王とその家族を追放し、王の私物である自動車を破壊。
 そして王の崩御時におこなわれる宮殿周辺の樹木の伐採がおこなわれた模様。

 

結婚(2018年10月):ナイジェリアの伝統的君主でヨルバ人最高権威のイフェ王が、キリスト教系団体の女指導者(? Prophetessと書いてあります)を三人目の妻に迎えた模様

 ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主で最有力者の一人、そしてヨルバ系君主の中で最大の影響力を持つ二人(皇帝格の“His Imperial Majesty”が使用されているケースがあります)のうちの一人とされるイフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife)が、三人目の妻として、キリスト教系団体の女指導者(?)ナオミ・シレクノラ・オルワセイ(Prophetess Naomi Silekunola Oluwaseyi)と結婚したようです。

※「Prophetess」は普通に考えると女の預言者ですが、普通に考えるといくらなんでも預言者ではないだろうと思うので、指導者としておきました。「なんらかの主義を提唱する人物」というような意味合いもあるらしいので、そちらではないでしょうか。

 

その指導者が謎の儀式(?)をしたり、歌ったりしている映像/
SaharaTV:
Naomi Oluwaseyi, Ooni Of Ife's New Queen, In 'Spiritual Action' – YouTube

 (英語)VIDEO: Naomi Oluwaseyi, Ooni Of Ife's New Queen, In 'Spiritual Action' | Sahara Reporters

 

 (英語)Update: Prophetess Naomi Oluwaseyi Is The New Queen Of Ife — Guardian Life — The Guardian Nigeria Newspaper – Nigeria and World News

 

The Guardian Nigeriaさんのツイート: "Oni of Ife, Oba Adeyeye Ogunwusi, 'unveils' his 25-year-old new wife, prophetess Naomi Oluwaseyi. https://t.co/aospzLf0Hb"

 

Ooni Enitan Ogunwusiさんのツイート: "It is the beginning of your wisdom on this throne of Oduduwa. You are welcome home my beautiful and adorable queen. #OoniOfIfe #Otisese… https://t.co/CP2aGN6FoG"

 

I waited patiently upon the Almighty the… – Ooni Adeyeye Enitan Babatunde Ogunwusi – Ojaja II | Facebook

 

関連:
 誕生(2020年11月18日):ナイジェリア伝統的君主/イフェ王オジャジャ2世陛下に長男が誕生した模様

 

ナイジェリア伝統的君主:2019年総選挙の上院議員選挙区で、オヨ王の子息アキーム王子(現職・与党APC)に、同じくオヨ王の子息アデバヨ王子(新人・前与党PDP)が挑む模様(2018年10月)

 下記記事によりますと、オヨ王ラミディ・オライウォラ・アデイェミ3世陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Lamidi Olayiwola Adeyemi III, J.P, CFR, LL.D, The Alaafin of Oyo Empire)の二人の子息が来年【2019年】の総選挙で同一選挙区で議席を争う模様です。

 

 (英語)Brother vs. brother: Oyo’s princes battle for Senate – Daily Trust

 

 上記記事によれば、上院の該当選挙区ではオヨ王の子息で現職のアキーム・アデイェミ王子(Prince Akeem Adeyemi)が議席を保有しており、2015年と同じく現在の与党「全進歩会議(APC)」から出馬の予定です。

 それに対し同じくオヨ王の子息アデバヨ・アデイェミ王子(Prince Adebayo Adeyemiバヨ・アデイェミ王子 : Prince Bayo Adeyemi)が、前の与党である「国民民主党(PDP)」から出馬して議席を争うようです。
※アデバヨ(Adebayo)とバヨ(Bayo)の二つの表記が記事中にありますが、バヨが省略形??

 なおアキーム王子とアデバヨ王子は、1977年12月の8日と9日の生まれ、ということですが……双子とは書いてないので、オヨ王のそれぞれ別の妻から産まれたのでしょう。

 

 それにしても、もしやこれは、上院議員選挙を利用した事実上の王位継承戦争なのでは……。

 

追記:
 上院議員ではなく下院議員の選挙?
 アキーム・アデイェミ王子が再選となったようです。