マルタ騎士団の副長(総長代行)にマルコ・ルッツァーゴ閣下が選出される(2020年11月)

※この記事はキリスト教 高位聖職者のニュースと重複します。

 

 2020年11月7日~11月8日にかけて、マルタ騎士団は、「終身の総長」または「任期一年の副長(総長代行)」を選出する会合をマルタ騎士団本部邸にて開きました。
 これは今年【2020年】の第80代総長の薨去に伴い、おこなわれたものです。
関連:
 訃報(2020年4月29日):第80代マルタ騎士団総長ジャコモ・ダッラ・トッレ・デル・テンピオ・ディ・サングイネット殿下が薨去(1944~2020)

 会合の結果、“フラー”・マルコ・ルッツァーゴ閣下(Fra’ Marco Luzzago)が副長として選出され、今後一年間マルタ騎士団を率います。

 今回の選出は新型コロナウイルス感染症【COVID-19】のパンデミックの中、感染症対策を考慮しておこなわれ、参加者はイタリアの他、アルゼンチン、ペルー、アメリカ合衆国、レバノン、フランス、スウェーデン、オーストリア、ドイツ、オランダ、スペイン、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スイス、マルタから集まったということです(出入国できたことに驚きですが……)。

 マルコ・ルッツァーゴ閣下は、ローマ教皇フランシスコ聖下よりマルタ騎士団の監視役として特別代理に叙任されている国際連合ジュネーブ事務局駐箚 ローマ教皇聖座 名誉代表シルヴァーノ・マリア・トマージ大司教座下(アケルム名義大司教 : Archbishop Silvano Maria Tomasi, C.S., Permanent Observer Emeritus to United Nations Office and Specialized Agencies in Geneva, Titular Archbishop of Acelum)の前で就任宣誓をおこないました。
 同大司教は枢機卿叙任が決定しており、また、先代の特別代理であったベーチュ枢機卿座下の“スキャンダル”の結果の特別代理への起用です。
関連(キリスト教 高位聖職者のニュース):
 キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、新たに枢機卿に昇叙される13人を発表(2020年10月)
 国際刑事警察機構【ICPO】が、“辞任”したベーチュ枢機卿座下に6000万円以上の金を送らせた女を逮捕(2020年10月)2000万円以上がシャネルなどに使われたとのこと

 終身の総長ではなく任期一年の副長が選出されましたが、これがまだ騎士団内部の関係修復の途上なのか、人物の様子見を含めてまずは副長ということなのか、あるいはマルタ騎士団の憲法が変わる最終段階のためにトップの任期が短いことが望まれたのか、判断が難しいところです。
 主権実体のマルタ騎士団の元首として、外交関係が樹立されている各国で副長は国家元首と同様に待遇されますが、 COVID-19 の影響もあり、各国訪問は制限されることになるでしょう。

 

 (英語:マルタ騎士団 公式サイト)Fra’ Marco Luzzago elected Lieutenant of Grand Master of Sovereign Order of Malta – Order of Malta
 (英語:バチカン・ニュース)Order of Malta elects Lieutenant of the Grand Master – Vatican News

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
Order of Malta, Fra' Marco Luzzago elected Lieutenant of the Gran Master – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
Ordine di Malta, Fra' Marco Luzzago eletto Luogotenente di Gran Maestro – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
Fra’ Marco Luzzago elected Lieutenant of Grand Master of Sovereign Order of Malta – YouTube

 

 (英語)Order of Malta elects Lieutenant and postpones election for Grand Master | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Order of Malta elects Lieutenant and postpones election for Grand Master – YouTube

 

Order of MaltaさんはTwitterを使っています 「Fra’ Marco Luzzago is the new Lieutenant of the Grand Master of the Sovereign #OrderofMalta. He is Italian, aged 70, Professed of solemn vows since 2003 https://t.co/xfBr2K3GiC」 / Twitter

 

Order of MaltaさんはTwitterを使っています 「The new Lieutenant of the Grand Master of the Sovereign #OrderofMalta, Fra’ Marco Luzzago has been sworn in. The Pope’s Special Delegate, Cardinal-elect Silvano Tomasi, and the Council Complete of State were present. He is will remain in office for a year. https://t.co/FTydtYC75Q」 / Twitter

 

Order of Malta – Fra’ Marco Luzzago is the new Lieutenant… | Facebook

 

Order of Malta – The new Lieutenant of the Grand Master of… | Facebook

 

Order of Malta(@orderofmalta_official) • Instagram写真と動画

 

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前スペイン王妃ソフィア陛下はスペインを離れる予定なし(2020年8月)

 前スペイン王ファン・カルロス1世陛下(His Majesty King Juan Carlos I of Spain)の突然の出国声明といまだ(8月7日現在)に所在地が確定しない状況ですが(ドミニカ共和国説、ポルトガル説、まだスペインにいる説、イタリア・フランスなど欧州連合内説に加え、アラブ首長国連邦【UAE】のアブダビにいる説も出てきました)、前スペイン王妃ソフィア陛下(Her Majesty Queen Sofía of Spain)には出国の予定なしと報道されています。

 

 (英語)Queen Sofia will not be leaving Spain to join her husband

 

 ソフィア陛下は数日前に、長女のスペイン王女エレナ殿下(ルーゴ女公爵 : Her Royal Highness Infanta Elena of Spain, The Duchess of Lugo)、妹のギリシャ・デンマーク王女イリニ殿下(Her Royal Highness Princess Irene of Greece and Denmark)らとともにスペイン王室の夏の離宮、マリベント宮殿(Marivent Palace)に到着しているようです。

 今後とも、妹のイリニ殿下らと生活・行動を共にすることが多いのではないかと思われます。

 

前スペイン王ファン・カルロス1世陛下がスペインを出国するとの報道(2020年8月)タックス・ヘイヴンを巡るスキャンダルの最中。帰国は生涯ないとの観測も

 タックス・ヘイヴン(租税回避地)を巡るスキャンダルなどが報じられていた前スペイン王ファン・カルロス1世陛下(His Majesty King Juan Carlos I of Spain)ですが、スペイン王国を出国すると報道されています。
※一部では「亡命」という単語が……。

2020年8月4日 22時15分追記:
 陛下は中米のドミニカ共和国に到着しているとの報道が出ています。
2020年8月4日 22時39分追記:
 ポルトガル説も出ているようです。

 

 (過去において)海外の口座に中東の君主(サウジアラビア財務大臣が故サウジアラビア王からの指令で?)からの送金(リベートの類?)が確認され、子息のスペイン王フェリペ6世陛下が遺産の相続権を放棄するという声明を出したという報道がありました。父に関する予算もカット。そしてスペインの最高裁判所から捜査命令が出ているようです。
 また、その後、スイス連邦からスペイン王国に秘密裏に金が動かされたとの報道も出ました。こちらは現在のところ、スペインおよびスイスでは捜査は開始されていませんが、開始されると見込まれており、また陛下側は捜査に協力するとのことです。

 当面のところ、陛下の称号は維持される見込みと、前王妃ソフィア陛下への影響は考慮されていませんが、これらもどうなるかわかりません。

 

 (英語)Spanish royal family: Spain’s emeritus king Juan Carlos I to leave country amid tax haven scandal | News | EL PAÍS in English
 (英語)BREAKING: King Juan Carlos of Spain leaves country in exile amid corruption scandal – Royal Central

 不正疑惑のスペイン前国王、亡命の意向 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
 スペイン前国王 国外へ 高速鉄道建設計画めぐり収賄疑惑で | NHKニュース

 

追記:
 全体像がよくわかりませんが、サウジアラビアがらみで、サウジ側から資金洗浄がおこなわれつつ最終的に陛下にお金が渡っている、というように思えました。これに関して、元ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ザイン公子妃のコリンナ・ラーセン(陛下の元愛人として名前があがる人)が所有する企業が関わっているとも報道されています。
 スイスの金融機関が関わっているため、スイスの捜査官がスペイン側に陛下の行動に関して問い合わせている状況ともされています。

 一方、NHK は「サウジアラビアの高速鉄道の建設計画をめぐって、工事を受注したスペインの企業連合から見返りに金を受け取った疑惑」としています。
 これは、サウジアラビア王国のハラマイン高速鉄道(メッカ・メディナ高速鉄道)の車両などにおいて、スペイン王国の企業群が受注した件ででしょう。
 サウジアラビアがらみであることは同じものの(また、おそらくこの鉄道の件が問題の核心と思えるものの)、こちらはスイスに関しては情報がなく、別件(というか別の不正というか)なのか。見返りとしていますが、そもそもなんの見返りなのか。

 全体像としては、高速鉄道建設の件で、陛下へリベートというかワイロというかなんというかが渡ったことは確かに思えます。
 無理矢理つなげるならば、スペイン企業 → サウジアラビア王室 → 陛下に関わるスイスの金融機関の口座、となりますが、正確な話は続報を待ちたいと思います。

 

 陛下は2014年に退位するまで国家元首としての特権がありましたが、現在でも一部特権があるようです。
 また、在位中の行為に関する問題についてどういう扱いになるのか、いまひとつはっきりしません(免責特権があるので刑罰などはないとしても捜査もしないわけにはいかないでしょうし)。

 

追記2:
 それにしてもどこの国へいこうというんでしょう。
 現在の世界の状況(新型コロナウイルス感染症【COVID-19】のパンデミック下)では、高齢の陛下を受け入れるのは、医療の質が高く医療体制に余裕がある国となるでしょう。それに加えて不正の疑い(というか出国する時点で疑いどころではありませんが)のある人物を受け入れ、かつスペインと引き渡し条約を結んでいないという夢のような国がいったいどこに……。

2020年8月4日 22時15分追記:
 (この記事の上部にも追記していますが)陛下は中米のドミニカ共和国に到着しているとの報道が出ています。
2020年8月4日 22時39分追記:
 ポルトガル説も出ているようです。

 「王室に対する批判が高まるのを避けたい」というのも、なんともよくわからない話で、もともとがご本人の表明に基づくものなので報道としてはそう書くしかないでしょうが、いったいこれでどうやって批判が高まるのを避けるつもりなのか。

 

追記3:
 (英語)King Carlos is 'staying in the Dominican Republic' after being 'forced into exile' | Daily Mail Online
 (英語)Spaniards ask where Juan Carlos has gone after ex-king leaves country – Reuters

 スペイン前国王、中米ドミニカ共和国へ亡命か 報道 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

 ポルトガル説もあるものの、ドミニカ共和国が有力とみられているようです(正式発表があると見込まれているので、もう少し情報を待った方がよさそうですが)。
 ロイターによれば、

Switzerland classifies the Dominican Republic as a country with which judicial cooperation is “very difficult”, but Spain has an extradition agreement with it.

 スイス連邦はドミニカ共和国を、捜査協力が「きわめて困難」な国としているようです。一方で、スペイン王国は同共和国との間に本国送還/引き渡しに関する合意(条約ではない??)があるともしています。

 

関連・続報:
 前スペイン王妃ソフィア陛下はスペインを離れる予定なし(2020年8月)

 

訃報(2020年4月29日):第80代マルタ騎士団総長ジャコモ・ダッラ・トッレ・デル・テンピオ・ディ・サングイネット殿下が薨去(1944~2020)

※この記事はキリスト教 高位聖職者のニュースと重複します。

 

 2020年4月29日、第80代マルタ騎士団総長“フラー”・ジャコモ・ダッラ・トッレ・デル・テンピオ・ディ・サングイネット殿下(His Most Eminent Highness The Prince and Grand Master, Fra’ Giacomo Dalla Torre del Tempio di Sanguinetto)が薨去しました。
 1944年12月9日生まれの75歳。

 薨去に伴い、マルタ騎士団内務総監“フラー”・ルイ・ゴンサロ・ド・ヴァーレ・ペイショット・ドゥ・ヴィラス=ボアス閣下(His Excellency Fra’ Ruy Gonçalo do Valle Peixoto de Villas-Boas, Grand Commander)がマルタ騎士団臨時副長(臨時総長代行 : Lieutenant ad interim)を務めます。
 次の総長選出は来年【2021年】。2020年11月に予定と情報が出ています。
関連:
 マルタ騎士団の副長(総長代行)にマルコ・ルッツァーゴ閣下が選出される(2020年11月)

 追悼ミサはローマ教皇庁列聖省長官ジョヴァンニ・アンジェロ・ベーチュ枢機卿座下(His Eminence Giovanni Angelo Cardinal Becciu)が司式しました。

 

 (英語:マルタ騎士団 公式サイト)Grand Magistry Announces Death of H.M.E.H. Grand Master Fra’ Giacomo Dalla Torre del Tempio di Sanguinetto – Order of Malta
 (英語:マルタ騎士団 公式サイト)In Remembrance of Sovereign Order of Malta’s Grand Master Fra’ Giacomo Dalla Torre del Tempio di Sanguinetto – Order of Malta
 (英語:マルタ騎士団 公式サイト)Pope Francis: “I invoke the divine goodness for his soul and eternal peace” – Order of Malta

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
In Memoriam – Fra’ Giacomo Dalla Torre del Tempio di Sanguinetto 09/12/1944 – 29/04/2020. – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
Funeral of the 80th Grand Master of the Order of Malta, Fra’ Giacomo Dalla Torre – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
Live-Streamed Funeral of the 80th Grand Master of the Sovereign Order of Malta – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
DIRE – Funeral of the Grand Master of the Order of Malta, Fra’ Giacomo Dalla Torre – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団 公式チャンネル):
A tribute made by the Order of Malta in memoriam of Grand Master Fra' Giacomo Dalla Torre. – YouTube

 

関連:
 訃報(2020年12月3日):ジュセッペ・ダッラ・トッレ・デル・テンピオ・ディ・サングイネット教授が薨去(1943~2020)新型コロナウイルス感染症【COVID-19】。バチカン市国第一審裁判所長官(1997~2019)。4月に薨去した第80代マルタ騎士団総長ジャコモ殿下の兄

 

ロシア帝室・ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下親子が、ツァリツィノ宮殿にてポルトガル王室当主/ブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下と会見していた模様(2019年12月?)

 ロシア帝室・ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下(Head of the Russian Imperial House : Her Imperial Highness The Grand Duchess Maria Wladimirovna of Russia)と継嗣のロシア大公ゲオルギー殿下(His Imperial Highness The Heir, Tsesarevich, and Grand Duke George of Russia)が、ロシアのツァリツィノ宮殿にて、ポルトガル王室(ブラガンサ家)当主のブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下(His Royal Highness Duarte Pio, Duke of Braganza)と会見していたようです。

 

 (スペイン語)Los Románov regresan a Tsaritsyno

 

Revista ¡HOLA!さんはTwitterを使っています: 「La gran duquesa María Vladímirovna y su hijo, el gran duque Jorge, regresaron al palacio 'maldito' de Catalina la Grande. https://t.co/wKZHKf3IKC」 / Twitter