ナイジェリア伝統的君主:ベニン王エウアレ2世陛下が、イフェ王オジャジャ2世陛下を訪問(2018年4月)

 ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主で、有力な人物の一人、ベニン王【オバ】エウアレ2世陛下(His Royal Majesty Oba Ewuare II, The Oba of Benin)が、ヨルバ系君主の中で最大の影響力を持つ二人(皇帝格の“His Imperial Majesty”が使用されているケースがあります)のうちの一人とされるイフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife)を訪問したようです。
 おそらくヨルバ系君主のイーラ王“オバ”・ワッハーブ・オイェドトゥン(Orangun of Ila, Oba Wahab Oyedotun)も出迎えに現れた模様(調べてみたところ、名前の表記がものすごく多くて、本当のところがよくわかりません)。

 

 (英語)Oba of Benin visits Ooni – Punch Newspapers

 

アメリカの外交問題評議会(CFR)のブログに「ナイジェリアでは伝統的君主たちが実権を握っている」というようなタイトルの記事が掲載。主に「カノ首長ムハンマドゥ・サヌシ2世は影響力があるんですよ」という話で、外交官に殿下や他の伝統的君主らとの接触を勧める締め(2018年4月)

 アメリカ合衆国の外交問題評議会【CFR】のブログに、「ナイジェリアでは伝統的君主たちが実権を握っている」というようなタイトルの記事が掲載されています。

 

 (英語)Traditional Rulers Hold Real Power in Nigeria

 

 内容は、ナイジェリア中央銀行の元総裁でナイジェリア連邦共和国北部(シャリーア適用のイスラム教圏)第二の権威/カノ首長“アルハッジ”・ムハンマドゥ・サヌシ2世殿下(His Royal Highness Alhaji Muhammad Sanusi II, The Emir of Kano : サヌシ・ラミド・サヌシSanusi Lamido Sanusi)の影響力について語り、外交官らに殿下や他の伝統的君主らとの接触を勧めるものです。

 しかし、率直な話、殿下の影響力については、ナイジェリアの一般のニュースでも見ていればだいたいわかる内容です。

 

 ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主(Traditional Rulers)については、英国のBBCの推計で2000人という数が以前に出ています。
 そして、州政府により認定されるものであるため、増減が生じます。
 けしからぬ話としては、州政府にワイロを送り、なんの背景もないのに君主になろうとする輩まで出ています(というかすでになってしまったという話が……)。
 君主にもランキングがあり、(おそらく)最上位が 1st Class (Ruler) などと記事には出るのですが、このランクになってもかなりの人数が存在し、ピンからキリというのが正直なところです。

ナイジェリア伝統的君主:欧州議会議員代表団・EU【欧州連合】大使らが、ベニン王エウアレ2世陛下の人身売買への対応を称賛(2018年4月)

 欧州議会議員代表団・EU【欧州連合】大使らが、ベニン王エウアレ2世陛下(His Royal Majesty Oba Ewuare II, The Oba of Benin)の人身売買への対応を称賛したようです。

 

 (英語)EU eulogise Benin Monarch for fight against human trafficking – Independent Television/Radio

Independent Television and Radio:
EU eulogise Benin Monarch for fight against human trafficking – YouTube

ナイジェリア伝統的君主:ヨルバ人君主の一人/イウォランド王アブドゥルラシード・アデウェール・アカンビ陛下が、自身の称号を伝統的な(Oluwo of Iwoland)から北部イスラム圏風の首長(Emir)にすると宣言(2018年3月)

 2018年3月31日、ナイジェリア連邦共和国南西部オスン州【オシュン州】のヨルバ人君主の一人/イウォランド王“オバ”・アブドゥルラシード・アデウェール・アカンビ陛下(テル1世 : His Royal Majesty Oba Abdulrasheed Adewale Akanbi, Telu I, The Oluwo of Iwoland【Iwo Land】)は、イスラム教指導者の就任式で、自身の称号を伝統的なイウォランド王(Oluwo of Iwoland)から北部イスラム風の首長(Emir of Iwoland)にすると宣言したようです。
※本人がイスラム教徒なのかどうかはいまいちわかりませんが……それっぽい名前ではありますけど。

 声明によれば、ヨルバ人君主たちは内紛続きでこの2年の間は会合を開くことすらままならないありさまなので、自分は北部【イスラム圏】君主を見習いたいというようなことらしいですが……。

 州政府の許諾なしでこのような称号変更が可能なのかどうかはわかりません。

 ちなみに、ヨルバ人の頂点の二大君主は、英国植民地化前からの争いごとがいまだに片付いていないとはいわれています。

 

 (英語)CONTROVERSY: Yoruba Oba drops title, becomes Emir – Vanguard News

 (記事の掲載が終了しています)(英語)AMAZING…..Meet first ever Emir in Yorubaland – ROYAL NEWS
掲載時URL:http://www.royalnews.com.ng/2018/03/31/amazing-meet-first-ever-emir-in-yorubaland/

 

 ところで、南部圏第一級君主は通常“陛下”(His Royal Majesty)が用いられるのに対し、北部圏君主は“殿下”(His Royal Highness)が用いられます。

 南部君主称号から北部君主称号に変更すると、敬称が“格下げ”になってしまうのではないかと思いますが、どうなんでしょう。

※そもそも、北部の首長(Emir)に(Royal Highness)はおかしいのではないかという昔からの議論もあります。中東の首長(Emir)は単なる(Highness)です。
※そして、南北で“格差”があるのもおかしいのではないかという話もありますが……。

ナイジェリア伝統的君主:ナイジェリア中央銀行元総裁で連邦北部【イスラム法が適用されている】第二の権威/カノ首長ムハンマドゥ・サヌシ2世殿下の ニセ Instagram【インスタグラム】アカウントを開設し大量の金を騙し取った20歳の学生に禁錮36ヶ月とのこと(2018年3月)

 今月の初めごろに、ナイジェリア中央銀行の元総裁でナイジェリア連邦共和国北部(シャリーア適用のイスラム教圏)第二の権威/カノ首長“アルハッジ”・ムハンマドゥ・サヌシ2世殿下(His Royal Highness Alhaji Muhammad Sanusi II, The Emir of Kano : サヌシ・ラミド・サヌシSanusi Lamido Sanusi)の、 ニセ Instagram アカウントを開設した男(20歳の学生)が逮捕されましたが、このほど禁錮36ヶ月の判決が出たようです(控訴などについては不明)。

 ニセアカウント開設と なりすまし で3年も牢屋というのは重い気もしますが、どうやら大量に金を騙し取っていたらしく、この刑が重いのかどうかはよくわかりません。

 

 (英語)Fake Emir of Kano to spend 36 months in jail | Daily Nigerian