英国王チャールズ3世陛下が、アーガー・ハーン5世となったラヒム・アーガー・ハーン公子に殿下(His Highness)の敬称を授与することを発表(2025年2月)

 2025年2月10日、英国王チャールズ3世陛下(King Charles III : His Majesty The King)は、2月4日のアーガー・ハーン4世殿下の薨去に伴い、後継としてアーガー・ハーン5世Aga Khan V)となったラヒム・アーガー・ハーン公子(Prince Rahim Aga Khan)に、殿下(His Highness)の敬称を授与することを発表しました。

 故アーガー・ハーン4世も故エリザベス2世に殿下の敬称を授与されていました。
 今回の授与もこれまでの伝統の踏襲であり、またアーガー・ハーン4世の葬儀も終了したことにより発表されたものと思われます。

 

 (英語:英国王室 公式ウェブサイト)The King is pleased to grant the new Aga Khan the title “His Highness” | The Royal Family

XユーザーのThe Royal Familyさん: 「The King is pleased to grant the new Aga Khan the title “His Highness”. https://t.co/N1idu5d2eW」 / X

ラヒム・アーガー・ハーン公子がアーガー・ハーン5世に(2025年2月)

 2025年2月5日、ラヒム・アーガー・ハーン公子(Prince Rahim Aga Khan)が、新たなイスラム教イスマーイール派(ニザール派)のイマーム、アーガー・ハーン5世Aga Khan V)となることが発表されました。
 2月4日に薨去した、アーガー・ハーン4世殿下(His Highness Aga Khan IVの遺志によります。

 

XユーザーのThe Ismailiさん: 「Prince Rahim al-Hussaini Aga Khan V is the 50th hereditary Imam of the Shia Ismaili Muslims, as designated by Mawlana Shah Karim in accordance with the historical Shia Imami Ismaili Muslim tradition and practice of nass. The announcement was made in the presence of the Imam’s https://t.co/nuVjyHl1lx」 / X

 

 (英語)New Aga Khan named as Prince Rahim Al-Hussaini

 

 アーガー・ハーン4世殿下は、英国の故エリザベス2世より、殿下(His Highness)の敬称を受けていましたが、これは一代限りのもので、アーガー・ハーン5世には殿下の敬称はありません。
 英国王チャールズ3世陛下から、アーガー・ハーン5世に敬称の授与があるかどうかは今のところわかりません。

続報:
 英国王チャールズ3世陛下が、アーガー・ハーン5世となったラヒム・アーガー・ハーン公子に殿下(His Highness)の敬称を授与することを発表(2025年2月)

訃報(2025年2月4日):アーガー・ハーン4世殿下が薨去(1936~2025)イスラム教イスマーイール派(ニザール派)のイマーム。故エリザベス2世より殿下(His Highness)の敬称を受ける

 2025年2月4日、イスラム教イスマーイール派(ニザール派)のイマーム、アーガー・ハーン4世殿下(His Highness Aga Khan IV)が、ポルトガルのリスボンで薨去したようです。
 1936年12月13日生まれの88歳。

 

 (英語)The Ismaili
(現在、トップページに訃報あり)

XユーザーのThe Ismailiさん: 「With profound sadness, the Jamat is informed that our beloved 49th hereditary Imam, Mawlana Shah Karim Al-Hussaini, passed peacefully to Almighty Allah’s grace on 4 February 2025 in Lisbon, Portugal, surrounded by his family. Visit https://t.co/v5hpIQ7HI1 for more information. https://t.co/STvmNiPses」 / X

 

The Ismaili:
Pictorial memorial: Our beloved 49th Imam – YouTube

 

 後継者はすでに決まっていますが、まだ公表されません。
 長男はラヒム・アーガー・ハーン公子(Prince Rahim Aga Khan)。
 アーガー・ハーン4世は、英国の故エリザベス2世より、一代限りで殿下(His Highness)の敬称を受けており、またその先代も殿下の敬称を受けています。
 現在の英国王チャールズ3世陛下が後継者に対して殿下の敬称を授けるかどうかはわかりません。

続報:
 ラヒム・アーガー・ハーン公子がアーガー・ハーン5世に(2025年2月)

 

追記:
 (英語)Aga Khan: Billionaire and spiritual leader dies at 88
 (英語)Museveni Eulogises Aga Khan, Hails His Legacy in Uganda
 (英語)Museveni mourns the Aga Khan IV, burial Sunday – New Vision Official

ルーマニア王室が弔意:
 (ルーマニア語:ルーマニア王室 公式ウェブサイト)Principele Aga Khan IV, In Memoriam | Familia Regală a României / Royal Family of Romania

ウガンダ/ブガンダ王国の伝統的宰相チャールズ・ピーター・マイガ閣下がコメント:
 (英語)🟩His Highness Aga Khan, leader of Ismaili Muslims, dies at 88

The Katikkiro of Buganda, Charles Peter Mayiga hailed the Aga Khan.
“We have learnt, with sadness, the demise of the Aga Khan, Prince Karim Al- Hussaini, 88. The Kingdom of Buganda has cordial relations with the Ismail Community – in Uganda and abroad, for whom the Aga Khan is spiritual leader,” Mayiga said, adding that “HM Kabaka Ronald Mutebi II has known and collaborated with the late Prince Al-Hussaini for years. We appreciate the Aga Khan’s humanness, extending significant social services and economic initiatives in Uganda, and worldwide. On behalf of the Kingdom of Buganda, and on my own behalf, I extend our condolences to the Prince’s family, the Ismail Community and the Aga Khan Foundation.”

 (英語)World leaders mourn Aga Khan IV, the man who defined humanity | Monitor

 

国連事務総長アントニオ・マヌエル・デ・オリヴェイラ・グテーレス閣下からの弔意:
XユーザーのAntónio Guterresさん: 「I am deeply saddened by the news that His Highness Prince Karim Al-Hussaini, Aga Khan IV, has passed away. He was a symbol of peace, tolerance and compassion in our troubled world. I express my deepest condolences to His Highness’s family and the Ismaili community. https://t.co/VvXCrq8zPQ」 / X

ウガンダ共和国大統領ヨウェリ・カグタ・ムセベニ閣下からの弔意:
XユーザーのYoweri K Museveniさん: 「To the Ismaili Community   Maama Janet and myself, were sorry and very sad, to learn of the death of our friend, His Highness the Aga Khan. It must have been 1957-1958, when, at the age of 12, I started seeing our 4 Indian families at Ntungamo hanging pictures of a young man https://t.co/JID19wyY16」 / X

ケニア共和国大統領ウィリアム・サモエイ・ルト閣下からの弔意:
XユーザーのWilliam Samoei Ruto, PhDさん: 「We are saddened by the passing of The Aga Khan, the spiritual leader of Ismaili Muslims. He was an extraordinary leader who went beyond what seemed impossible to help the vulnerable — through his charities in hospitals and schools. Our thoughts are with the family of His https://t.co/IZxydFJCKy」 / X

タンザニア連合共和国大統領サミア・スルフ・ハッサン閣下からの弔意:
XユーザーのSamia Suluhuさん: 「It is with great sadness that I learned of the passing of His Highness Prince Karim Al-Husseini, Aga Khan IV, the spiritual leader of the world's Ismaili Muslims and the founder of the Aga Khan Development Network. On behalf of the Government and People of the United Republic https://t.co/HpgjqyY8sn」 / X

インド首相ナレンドラ・モディ閣下からの弔意:
XユーザーのNarendra Modiさん: 「Deeply saddened by the passing of His Highness Prince Karim Aga Khan IV. He was a visionary, who dedicated his life to service and spirituality. His contributions in areas like health, education, rural development and women empowerment will continue to inspire several people. I https://t.co/ef2lMIQ6H0」 / X

カナダ首相ジャスティン・トルドー閣下からの弔意:
XユーザーのJustin Trudeauさん: 「The Aga Khan devoted his life to peace and prosperity for all. He worked across continents and cultures to resolve the world’s greatest humanitarian challenges: poverty, education, and gender inequality. He was an extraordinary man of vision, faith, and generosity, and I know」 / X

離婚(2022年?):ラヒム・アーガー・ハーン公子とサルワ妃(ケンドラ・スピアーズ)が離婚していた模様

 アーガー・ハーン4世殿下(His Highness Aga Khan IV)の長男ラヒム・アーガー・ハーン公子(Prince Rahim Aga Khan)と、サルワ・アーガー・ハーン公子妃(Princess Salwa Aga Khanケンドラ・スピアーズKendra Spears)が離婚していたようです。

 

 (英語)The Aga Khan’s Enduring Struggle in Afghanistan 2022-02-23 | Ismaili.NET – Heritage F.I.E.L.D.

Following his recent divorce from American model Kenda Spears, the Prince maintains a home in Geneva with his two sons, Irfan, 6, and Sinan aged 5.

 離婚の日付は不明ですが、二人の子供、イルファン公子とシナン公女はラヒム公子とジュネーヴで同居しているようです。

 

 アーガー・ハーン4世殿下はイスラム教イスマーイール派(ニザール派)のイマームで、故・英国女王エリザベス2世陛下より「殿下(His Highness)」の敬称を(個人として)受けています。

殉教者・カヘティ王妃聖ケテヴァンの不朽体(聖遺物)がインドからジョージア【グルジア】に(2021年7月)大統領・両外相らが大聖堂の式典に参列するも、バグラチオン王朝からの参列者なし(たぶん)

 2021年7月9日、キリスト教/東方正教会/ジョージア正教会【グルジア正教会】の殉教者・カヘティ王妃聖ケテヴァン(Saint Queen Ketevan of Kakheti)の不朽体(聖遺物)がインドからジョージア【グルジア】にもたらされました。

 

 (英語:インド外務省 公式サイト)External Affairs Minister at the ceremony to mark the return of the holy relics of St. Queen Ketevan in Georgia

Ministry of External Affairs, India(インド外務省 公式チャンネル):
EAM at the ceremony of Handing over of holy relics of Queen St.Ketevan – YouTube

 

ジョージア大統領コメント/
Salome Zourabichvili(サロメ・ズラビシヴィリ公式チャンネル):
პრეზიდენტის კომენტარი ქეთევან დედოფლის წმინდა ნაწილების საქართველოში გადმოსვენებასთან დაკავშირებით – YouTube

 

 (ジョージア語【グルジア語】:ジョージア正教会【グルジア正教会】総主教庁 公式サイト)საქართველოს საპატრიარქო | დიდმოწამე ქეთევან დედოფლის წმინდა ნაწილი საქართველოს მართლმადიდებელ ეკლესიას გადმოეცა

 (英語)Georgian Church receives relics of St. Ketevan from Indian gov’t / OrthoChristian.Com

 

 聖ケテヴァンは、現在のジョージアの東部に成立していたカヘティ王国の王妃(&王太后)であり、サファヴィー朝のアッバース1世にイスラム教への改宗を要求されたため拷問を受け殉教したとされています。
 その遺骨などはカトリックの聖職者によってインドにもたらされます。
 インドでは、自国に現在あるものについては、インドの文化的遺産として扱うため、他国に渡す理由がありません。したがって今回の“返還”はインド首相ナレンドラ・モディ閣下の英断となるわけです。
 今回、インド側が特殊な決断をした上に外務大臣スブラマニヤム・ジャイシャンカル閣下がジョージアを初訪問までしたその目的についての考察はやや錯綜しており、ロシアへの牽制を読み取るものや、あるいはコーカサスへの足掛かりをえて婉曲的に中国への牽制をしている、あるいはイスラムvs非イスラムの対立を構築する作戦という見方もあります。しかし、いずれにせよちと説得力が足りないように思います。はっきりいってよくわかりませんが、当サイトの考察対象ではないのでここまでにしておきます。
 ジョージア側では、副首相・外務大臣ダヴィト・ザルカリアニ閣下が対応をおこないました。

 重要なのは、7月10日には、ジョージアの首都トビリシの至聖三者大聖堂で記念式典がおこなわれたことであり、ジョージア正教会から首座代行であるセナキ・チホロツク府主教シオ座下(His Eminence Metropolitan Shio of Senaki and Chkhorotsqu)が臨席しています。
 事前には総主教イリア2世聖下の臨席という話も出ましたが、高齢と体調の問題で動くのも難しいのかもしれません。
 また、記念式典には、ジョージア大統領【グルジア大統領】サロメ・ズラビシヴィリ閣下(ズラビシュヴィリ大統領)も臨席しています。

 そしてようやくここからが当サイトの本題となります。
 ジョージア王室、あるいはバグラチオン王朝の当主は二系統にわかれて対立を続けています。
 男系では年長系統ながら、長らく君主の位から離れていたムフラニ系統。
 そして、ジョージアの最後の統一的な王の系統であるグルジンスキー系統。
 動画やその他記事を見る限りでは、両系統ともこの重要な式典に臨席していません。
 ムフラニ系ジョージア王室当主/ジョージア皇太子ダヴィト殿下(ムフラニ公 : His Royal Highness The Crown Prince Davit of Georgia, Royal Prince of Kartli (Batonishvili), Prince of Mukhrani and Mukhran Batoni : ダヴィト・バグラチオニ=ムフラネリ公子 : Prince Davit Bagrationi-Mukhraneliダヴィト・バグラチオン=ムフランスキー公子 : Prince Davit Bagration-Moukhransky)は、グルジンスキー系統の元妻からの暴行・DVでの提訴を受けジョージアを離れています。臨席しようがありません。
 一方、グルジンスキー系統のジョージア皇太子ヌグザル殿下(His Royal Highness Crown Prince Nugzar of Georgia : ヌグザル・バグラチオン=グルジンスキー公子 : Prince Nugzar Bagration-Gruzinskyヌグザル・バグラチオニ=グルジンスキー公子 : Prince Nugzar Bagrationi-GruzinskiBatonishviliTsarevich)もまた臨席していません。

 聖ケテヴァンは、ムフラニ系の男系女子であり、またヌグザル殿下の直接の先祖になります。
 そして、バグラチオン王朝関連の出来事で、今回より大きなことは当分ない、下手したらもうないということです。
 このような状況で臨席が実現しなかったのは、もはや政府も教会も両系統共に王室当主として扱う気が薄れているのではないかという気がします。
 王政復古どころか当主として扱われないという、なんとも情けない有様になってしまいましたが……。そもそも先祖の遺骨の返還に呼ばれないという時点で、もうどうにもならないでしょう。
 最大の王政復古支持者である総主教イリア2世聖下は高齢で、後継と目されるシオ府主教は、コンスタンティノープルがロシア正教会の管轄権下にあるウクライナに対して起こした勝手な行動に起因するシスマ2018が遠因で、コンスタンティノープルを支持する聖職者らとの教会内闘争に入りつつあり、教会は王政復古を支持するどころではありません(これは東方正教会全域がそうで、もはやルーマニアやブルガリア、セルビアですら王政復古は不可能です。なにかすると、コンスタンティノープルが介入してきて荒れる可能性があるのでは、王政復古による社会の安定など戯言にしかなりません)。
 ジョージア政府にしても、今までメインで支持してきたムフラニ系のダヴィト殿下がこんなことになってしまった以上、やる意味も見いだせないでしょう。そもそも彼らが本気でダヴィト殿下とヌグザル殿下の関係をマネージしなかったことが一因ではありますが……。

 ダヴィト殿下の一子で、ヌグザル殿下の女系孫にもあたるギオルギ殿下の将来に期待する人々もいますが、統一の王室当主として認められる可能性はあるかもしれませんが、それは確実ではありませんし、まして王政復古はもうないと断言していいでしょう。

 

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 ジョージア王女【グルジア王女】アナ殿下が父でグルジンスキー系当主のヌグザル殿下と共に、元夫で対立するムフラニ系当主のダヴィト殿下を「王室の代表者を勝手に名乗るのをやめよ」と提訴(2019年3月)ダヴィト殿下がエリザベス2世陛下に授与した勲章(鳩山(元)総理も授与されているとの噂あり)が一定金額寄付すれば誰でも入手できる説や、ダヴィト殿下側が弁護士がヌグザル殿下を「ジョージア正教会【グルジア正教会】によるDNA検査の結果バグラチオン王朝の一員でないとわかった」(検査機関は否定)とするなど泥沼総決算の予感
 ジョージア王室【グルジア王室】グルジンスキー系当主ヌグザル殿下をはじめとする人々(ムフラニ系含む)が、対立するムフラニ系当主のダヴィト殿下とその弁護士を非難する公式声明を新聞に掲載した模様(2019年4月)