戴冠式(2018年10月3日):南アフリカ伝統的君主/ムポンド人のニャンデニ王マンガリソ・ンドロヴイェズウェ・ンダマセ陛下が戴冠

 2018年10月3日、ムポンド人のニャンデニ王マンガリソ・ンドロヴイェズウェ・ンダマセ陛下(King of AmaMpondo aseNyandeni Mangaliso Ndlovuyezwe Ndamase)の戴冠式が、リボデのニャンデニ大宮殿でおこなわれたようです。

 

 (英語)King Ndamase vows to develop nation | IOL News

 

 戴冠式より少し前、南アフリカ共和国憲法裁判所がCTLDCの判断を支持したので、政府がムポンド人の王をザノズコ陛下だと認める手続きを開始しましたが、2010年に南アフリカ共和国は、このザノズコ・シカウ陛下(Kumkani Zanozuko Sigcau)が争っていた位をポンド人全体の王だと認めています。

 一方、ムポンド人は地域別に二人の王がいたという話があり、それぞれムキケラ系統(Mqikela)=カウケニ王統(aseQawukeni)とンダマセ系統(Ndamase)=ニャンデニ王統(aseNyandeni)となっていたようです。なぜかよくわかりませんが、南アフリカ共和国は2010年に前者(つまりザノズコ・シカウ陛下のほうの位)をポンド人全体の王と認めたようです(他でも同じように一人を選んでいるケースがあります)。
 今回の記事からすると、そもそも二王は領域が異なっているので、同じ地位を争っていたわけでもなさそうです(未確認ですが、主導権争いのようなものはあったのかもしれません)。
 当然のことながら、ニャンデニの地域からは反発が続いています。

 戴冠式にはザノズコ・シカウ陛下は姿を見せていないようですが、これは以上の事柄を踏まえれば、来てくれても困る状況でしょう。

 

 戴冠したマンガリソ・ンドロヴイェズウェ・ンダマセ陛下は、地域の経済発展と失業率の改善、観光業の強化を訴えたようです(いずこも同じといいますか……)。

 

マラウイ伝統的君主:トゥンブカ大首長ウォルター・チェンジ・ゴンドウェが、初代大首長到来を祝う式典に臨席(2018年9月)マラウイ議会党副代表らが途中退席したことについて謝罪を要求しているとの報道も

 2018年9月29日、マラウイ共和国内の伝統的君主、トゥンブカ大首長ウォルター・チェンジ・ゴンドウェWalter Change Gondwe, Tumbuka Paramount Chief Chikulamayembe)が、初代大首長ゴナパムハンヤGonapamuhanya)の到来を祝う式典に臨席したようです。

 トゥンブカ人(トゥンブカ族 : トゥンブーカ人)の大首長で、下記記事では「king(王)」と表現されている箇所もあります。チクラマイェンベChikulamayembe)が称号名のようです。

 

 (英語)At this Malawian festival, natives celebrate their first king chosen for owning a hoe – Face2Face Africa

 

 一方、トゥンブカ大首長は、マラウイ議会党【マラウイ会議党】の副代表らが途中退席したことに対して、「リスペクトが欠けている」と謝罪を要求しているとの報道があります。

 (英語)Mia told to apologise to Tumbuka chief | Malawi 24 – Malawi news

 

Malawi24さんのツイート: "Mia told to apologise to Tumbuka chief https://t.co/9KG14puFdT… "

 

Malawi24 – Mia told to apologise to Tumbuka chief Tumbuka… | Facebook

 

ウガンダ伝統的君主:ブガンダ王ロナルド・ムウェンダ・ムテビ2世陛下に訴訟を起こしていた弁護士が上訴裁判所で逆転敗訴(2018年10月)憲法裁判所へ訴えた模様

 ブガンダ王ロナルド・ムウェンダ・ムテビ2世陛下(His Majesty Ronald Muwenda Mutebi II, Kabaka【King】 of Buganda)へ訴訟を起こしていた弁護士が、高等裁判所では勝訴していたものの、上訴裁判所で敗訴し、憲法裁判所でさらに争う、ということです。

 

NTVUganda:
Lawyer Mabirizi loses petition against Kabaka Mutebi – YouTube

 

 (英語)Lawyer Mabirizi loses petition against Kabaka Mutebi – National | NTV
 (英語)Mabirizi Advances 44 Grounds to Appeal in Kabaka Case | ChimpReports

 

 問題の所在がはっきりわからないのですが、もめている内容の根本は、土地は誰のものかということのようです。

 陛下側弁護人及びウガンダ共和国法務長官(閣僚)は、土地は王の私有物であり(借地料を払うべき)ということですが、訴訟を起こした弁護士は土地は公共のもので、王は臣民に管財人として管理を任されているにすぎないとしているようです。

 背景がいまいちわかりませんが、共和国からブガンダ王国への資産返還に伴う問題が発生してるのかもしれません。

 そして、国(大臣)が王の私有地としているということは、私有財産への課税がありそうなものですが……。
 特別規定で税金が免除されていない限り、ブガンダ王は借地料を徴収しないと金が減っていく一方なのでは。

 

追記:
 ほかにも記事が出ていたので追加でリンクしておきます。

 (英語)Kabaka cannot reveal bank statements – Court of Appeal –
 (英語)Stop Dragging Kabaka to Court- Buganda Attorney General :: Uganda Radio Network
 (英語)Mengo wants Mabirizi to pay Shs20b – Daily Monitor

 こういう記事は、たいてい、何も知らない外国人が読むということを想定していないため(そりゃまあそうですが)、前提となることを説明してくれていません。
 基本的な知識がないので、なにがなにやらさっぱりです……。

 ともあれ、憲法裁判所で判決が出るときにまた記事が出るでしょうし、その時はどのニュースサイトも経緯をまとめてくれるのではないか、ということで、続報を待ちます。

 

南アフリカ伝統的君主:憲法裁判所がCTLDCの判断を支持。政府はムポンド人の王をザノズコ陛下だと認める手続きを開始(2018年10月)

 南アフリカ共和国の憲法裁判所は、CTLDC(Commission on Traditional Leadership Disputes and Claims :
伝統的指導権に関する議論と主張を扱う委員会)による、ザノズコ・シカウ陛下(Kumkani Zanozuko Sigcau)をムポンド人(Mpond people : AmaMpondo : Pondo)の王と判断する決定を支持するとしたようです。

 

 (英語)Govt begins process of recognising AmaMpondo king | News24
 (英語)Government begins process of Recognising King of Amampondo – EIN News
 (英語)Kumkani Zanozuko Tyelovuyo Sigcau to be recognised as rightful King of the AmaMpondo

 

 政府はすでに承認手続きを開始した模様。

 同王位は、1937年のマンドロンケ王(King Mandlonke)の崩御以降、争いが続いており、(当時)南アフリカ共和国大統領ジェイコブ・ズマ閣下(His Excellency Jacob Zuma)が2010年にザノズコ陛下を王と認めた後も憲法裁判所から異論が出されたりしていました。
 “対立王”であったムポンドンビニ・シカウMpondombini Sigcau)の死後、その娘のウェジズウェ・シカウWezizwe Sigcau)が主張を引き継いでいた模様。最高裁判所で敗訴したのちに、憲法裁判所に上訴していたようですが、憲法裁判所はザノズコ陛下を王と認めました。

※なお、在位年代が不明ですが、ムポンドンビニ・シカウに関しては、歴代の王として扱われている場合もあり、ザノズコ陛下の前に単独の王位主張者であったのかもしれません。

 

続報/
 最高上訴裁判所は判断を取り消す:
 南アフリカ伝統的君主:ムポンド人の王位に関して、最高裁判所が(5月に崩御し、6月に第一級公葬がおこなわれた)ザノズコ・シカウ陛下の王位を無効と判断(2022年9月)

 

関連:
 戴冠式(2018年10月3日):南アフリカ伝統的君主/ムポンド人のニャンデニ王マンガリソ・ンドロヴイェズウェ・ンダマセ陛下が戴冠

 

英国王室のチャールズ皇太子殿下夫妻が10月31日~11月8日にかけてガンビア、ガーナ、ナイジェリアを訪問(2018年9月)ガーナではアシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下を訪問の予定

 2018年10月31日~11月8日にかけて、英国王室【イギリス王室】のウェールズ公チャールズ皇太子殿下(Prince Charles : His Royal Highness The Prince of Wales)とコーンウォール公爵夫人カミラ妃殿下(Camilla : Her Royal Highness The Duchess of Cornwall)は、ガンビア共和国、ガーナ共和国、ナイジェリア連邦共和国を訪問する予定だそうです。

 10月31日に、ガンビア共和国に到着。ガンビア共和国大統領アダマ・バロウ閣下(His Excellency Adama Barrow)の出迎えを受けます。

 11月2日に、ガーナ共和国に到着。ガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)らの出迎えを受けます。
 両殿下は同国第二の都市クマシのマンヒヤ宮殿【マンヒア宮殿】を訪問し、アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)と会見予定。

 11月6日、ナイジェリア連邦共和国に到着。ナイジェリア連邦共和国大統領ムハンマド・ブハリ閣下(His Excellency Muhammadu Buhari GCFR)の出迎えを受けます。
 同国では、伝統的君主、経営者、芸術・ファッション関係者、軍関係者、慈善事業関係者との会見が予定されています。

 チャールズ皇太子殿下が英連邦の次期元首に決定(2018年4月)して以降、その構成国を訪問するのは初めてです。
 また、両殿下のガンビア訪問は初となるようです。

 

 (英語・クラレンス・ハウス/チャールズ皇太子公式サイト)The Prince of Wales and The Duchess of Cornwall will visit The Gambia, Ghana and Nigeria | Prince of Wales

The Asantehene (King of the Ashantis), His Majesty Osei Tutu II.

 チャールズ皇太子殿下の公式サイトで、「アシャンティ王、オセイ・トゥトゥ2世陛下」と表記されました。

 

 (英語)Prince Charles visits Ghana on November 2 – Graphic Online

 

Clarence Houseさんのツイート: "Just announced: The Prince of Wales and The Duchess of Cornwall will visit The Gambia 🇬🇲, Ghana 🇬🇭 and Nigeria 🇳🇬 from 31 October – 8 November. The visits will highlight the importance of the countries’ Commonwealth ties.… https://t.co/qcSD61ag6Y"