訃報(2025年2月1日):(旧)エジプト王室のオスマン・リファット・イブラヒム王子殿下が薨去(1951~2025)母方からオスマン帝国最後の皇帝メフメト6世および最後のカリフ・アブデュルメジト2世の曾孫

 2025年2月1日、(旧)エジプト王室のオスマン・リファット・イブラヒム王子殿下(His Royal Highness Sultanzade Prince Osman Rifat Ibrahim)が、スペイン・マドリードのバス上での心臓発作で薨去したようです。
 1951年5月20日生まれの73歳。
 スイスに埋葬されるようです。

 母方からオスマン帝国最後の皇帝メフメト6世および最後のカリフアブデュルメジト2世の曾孫。

 

 (英語)Osman Rifat Ibrahim, grandson of last Ottoman Sultan, passes away – Türkiye Today

XユーザーのTürkiye Todayさん: 「Sultanzade Prince Osman Rifat Ibrahim, grandson of the last Ottoman Sultan Vahideddin Han, passes away at 73 in Madrid after a heart attack https://t.co/C9A2fwfO82」 / X

 

Instagram

 

PrinceOsman MediterreanCenter | It’s is with great sadness that we announce the passing of HRH Prince Osman Rifat Ibrahim of Egypt . Our death is our wedding with… | Instagram

カメルーン伝統的君主:元サッカー選手のサミュエル・エトーが、王の使者を意味する Ntumfoyn と、諸王の王(Fon of Fons)の称号を受けたという情報(2025年1月)困惑と憤慨も広がる

修正(2025年1月26日):
 ジュ・ウィルソンをコシン首長と表記しましたが、HRM(陛下:His Royal Majesty)の敬称付きで報道している例があるので、第三級とはいえ、やはり王であるとするとのが正しいと判断し、コシン王の表記に変更しています。
 また、そのコシン王が、エトー氏に諸王の王(Fon of Fons)を授与したという事実を否定しているようなので、新しく記事を立てて、リンクします。

 

 2025年1月17日、カメルーン共和国の元サッカー選手サミュエル・エトー・フィスSamuel Eto’o Fils)は、北西州の第三級伝統的統治者であるコシン王ジュ・ウィルソン(His Royal Majesty Fon Ju Wilson, the 3rd Class Fon of Koshin)より、王の使者を意味するヌトゥムフォイン(Ntumfoyn)の称号を受けたと報道されています。

 また、投稿されている動画から、諸王の王である「Fon of Fons」の称号も受けたのではないかということです。

 第三級の伝統的統治者であるコシン王にそのような権限があるわけもないですが、同王は、地域の王の代表としておこなったと主張しているようです。

※そもそも「王の使者」と「諸王の王」を同一人物に同時に出すというのは、根本的におかしいような気がしますが……。

 

 (英語)Samuel Eto'o has been given a chieftaincy title(video) – Lebledparle

JMTV +:
Samuel ETO'O ÉLEVÉ à la DIGNITÉ de FON des FONS dans le NORD-OUEST 🇨🇲👑🤴🏿,EST-CE VRAI ? – YouTube

 

 これに対し、翌2025年1月18日、北西部首長会議議長(President of the North-West House of Chiefs)でもあるバンバラング王ヤクム・ケビン・テウヴィー陛下(His Majesty Fon Yakum Kevin Teuvih, Supreme Fon of Bambalang)は、

 (英語)Samuel Eto'o's new traditional title brings division among traditional chiefs in the North West  – Lebledparle

1- There is only one “Fon of Fons” – H.E. Paul Biya.
2- Regional titles should only be awarded by constituted authorities.
3- Fons are custodians of our cultural heritage.
4- The Head of State has provided a platform (the House of Chiefs) through which the voices of Fons can be heard.
5- Individuals should desist from participating in or endorsing the desecration of our culture.

  1. 諸王の王「Fon of Fons」は、カメルーン共和国大統領ポール・ビヤ閣下(His Excellency Paul Biya)のみ。
  2. 地域の称号は当局のみによって叙されるべき。
  3. フォン(王・首長)は文化遺産の守護者。
  4. 国家元首は、フォン(王・首長)の意見を聞くための首長会議を設置している。
  5. 我々の文化への冒涜に参加しないように。

 という声明を発表しています。

 

 (英語)Outrage over Fons who bestowed title on Eto'o – Lebledparle

 批判者らは、今回のサミュエル・エトーへの称号授与は、同氏の政界進出への準備であり、その達成のためにお金が使われているとしています。

ナイジェリア伝統的君主:オヨ王国の九つの王家の王子らが、州知事が新たなオヨ王にアビンボラ・アキーム・オウォアデ王子を承認したことに反対を表明(2025年1月)

 ナイジェリア連邦共和国のオヨ州知事セイ・マキンデ閣下(His Excellency Seyi Makinde)によってアビンボラ・アキーム・オウォアデ王子(Prince Abimbola Akeem Owoade)が新たなオヨ王(Alaafin of Oyo)に承認されましたが、この動きに対し、オヨの九つの王家(The Atiba 9)の九人の王子らが反対を表明しています。

 シナ・アフォラビ王子ら九人は、選出を最初からやり直すように求めています。

 彼らが重要な間違いとしていることの一つは、イペビ(Ipebi)と呼ばれる、人を避けて一ヶ月ほど隠棲するという伝統的儀礼をおこなう前にオヨ王として宣言されたことのようですが、これはそれがどこまで重要なのかは部外者にはよくわからないところです(なお、オヨに到着したアビンボラ・アキーム・オウォアデ王子はこれからイペビに入るようです)。

 なお、九人の王子らは、枢密院(Oyomesi)の多数派が支持しているらしい、ルクマン・アデロドゥン・グバデゲシン王子(Prince Lukman Adelodun Gbadegesin)も支持しておらず、両王子を候補として選出したプロセスそのものそれぞれに異議を唱える訴訟を準備しているようです。

 九人の王子らが、九王家全体をどれだけ代表しているかはわかりませんし、オヨ王の候補となっている二人がこのうちのどの家に所属しているのかもわかりません(アビンボラ・アキーム・オウォアデ王子が所属するとされる家は九つの中には見当たりません)。

 

 (英語)Alaafin: Oyo royal families reject Prince Owoade as new monarch – The Nation Newspaper
 (英語)9 royal families fault Alaafin's appointment – Vanguard News

 

 九人の王子は、
 シナ・アフォラビ王子(Prince Sina Afolabi : アデイタン家 : Adeitan)
 レミ・アジーズ王子(Prince Remi Azeez : テラ・オキティパパ家 : Tella Okitipapa)
 ラモラ・オラニテ王子(Prince Lamola Olanite : オラニテ家 : Olanite)
 アグボイン・アデラブ王子(Prince Agboin Adelabu : アデラブ家 : Adelabu)
 ラジ・アデニラン王子(Prince Raji Adeniran : アデニラン家 : Adeniran)
 ヌレニ・タイウォ王子(Prince Nureni Taiwo : テラ・アグボジュログン家 : Tella Agbojulogun)
 ムフタウ・アデジャレ・アデソカン王子(Prince Muftau Adejare Adesokan : アデソカン・ババ・イドデ家 : Adesokan Baba Idode)
 アデシヤン王子(Prince Adesiyan : アデシヤン家 : Adesiyan)
 ベロ・ラシード王子(Prince Bello Rasheed : アビデクン家 : Abidekun)
※個人名と家名が同一の人物もいますが、記事の通りに引用しておきます。

南アフリカ伝統的君主/“雨の女王”継承問題:南アフリカ大統領シリル・ラマポーザ閣下が、マサラナボ・モジャジ王女を女王と認定(2024年12月)2022年に王に“即位”した兄のレクケラ王子は反発

 2024年12月13日、南アフリカ共和国大統領マタメーラ・シリル・ラマポーザ閣下(Matamela Cyril Ramaphosa)は、マサラナボ・モジャジ王女殿下(Her Royal Highness Princess Masalanabo Modjadji)を、新たなバロベドゥの女王(Queen of the Balobedu Queenship)として承認したという発表をしました。

 歴代数をあわせてマサラナボ・モジャジ7世Masalanabo Modjadji VII)と表記されています。

 このバロベドゥの君主は、“雨の女王”(Rain Queen)と通称され、女子が継承するものと思われていたもののです。
 その次期女王候補で、歴代大統領も承認していたのが、先代女王のひとり娘である(未成年だった)マサラナボ王女。
 しかし、2021年に同地の王室評議会が王女の兄レクケラ・モジャジ王子(Prince Lekukela Modjadji)を王に選出するところから騒動が起こり(2022年“即位”)、訴訟なども起こっていました。

 マサラナボ王女の戴冠式は延期されている状態ですが、最新の予定では2025年3月になっているようです。

 

 (英語:南アフリカ大統領府 公式ウェブサイト)President Ramaphosa legally recognises Her Majesty Queen Masalanabo Modjadji VII of the Balobedu Queenship | The Presidency

XユーザーのThe Presidency 🇿🇦さん: 「President @CyrilRamaphosa has legally recognised Princess Masalanabo Modjadji as the Queen of the Balobedu Queenship. https://t.co/NbcG1Y5PCT https://t.co/ytLkr1J7Vt」 / X

 

 大統領による声明は、事態に関して、大統領がルール(後継者が18歳になったら大統領は承認して掲示する)に基づいて予定通りにおこなったという主旨で、雨の女王という用語はなく(「Rain」という表記はなく)、レクケラ王子の話題などは一切なく、またレクケラ王子を支持したことから王女支持派から批判を受けていたおじのムパパトゥラ王子についても、王女が18歳になるまで摂政であったということが記されています。

As a result, since the time of the recognition of the Queenship, His Royal Highness, Prince Mpapatla Modjadji, Queen Masalanabo Modjadji’s maternal uncle, held the fort for her as a Regent until she turned 18.

 

 また、翌2025年1月、レクケラ王子は、メディアに対して、大統領の発表に対して反発しています。

 (英語)Balobedu prince says president overlooked custom by endorsing his sister

 

追記:
 レクケラ王子の写真付き記事:
 (英語)Ramaphosa's decision angers Prince Modjadji! | Daily Sun

XユーザーのDaily Sunさん: 「Ramaphosa's decision angers Prince Modjadji! #CyrilRamaphosa #QueenModjadji #RainQueen https://t.co/JZFgYT8nTE」 / X

 

追記2:
 関連記事。
 王女の後見人であるマトール・モツェクガ議員(マトール・モチェハMathole Motshekga)は、今回、王子や王室評議会が、仮に訴訟を起こすとしても、それは大統領(の決定)に対してであり、自分たちが対応するわけではないという認識を示しています。
 (英語)Prince Lekukela Modjadji pleads for sister's return amidst royal succession battle

 

関連:
 (インデックス)(2021年~)南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子殿下が選出された件に関する記事

ナイジェリア伝統的君主:オヨ州知事によってオヨ王に承認されたアビンボラ・アキーム・オウォアデ王子がオヨに到着する(2025年1月)

 ナイジェリア連邦共和国のオヨ州知事セイ・マキンデ閣下(His Excellency Seyi Makinde)によってオヨ王(Alaafin of Oyo)に承認されたアビンボラ・アキーム・オウォアデ王子(Prince Abimbola Akeem Owoade)が、オヨに到着したと報道されています。

 同王子は、これから約一ヶ月、人を避けて隠棲するという伝統的儀礼をおこない、その後に戴冠式がおこなわれるようです。

 

 (英語)Alaafin-designate Owoade arrives Oyo, begins traditional rites [VIDEO] – Daily Post Nigeria

Daily Post Nigeria:
Alaafin-designate Owoade arrives Oyo, begins traditional rites – YouTube

 

 また、こちらの記事によると、マキンデ州知事より、伝統的君主として承認する証明書を受け取ったようです。

 (英語)Makinde presents staff of office to new Alaafin [Photos] – Vanguard News

 

 こちらの記事では、(記事本題とは関係ありませんが)、新オヨ王の敬称に His Imperial Majesty が使われています。

 (英語)Ologburo Rallies Support for New Alaafin, Oba Akeem Owoade, Hails Gov. Makinde – National Insight News

the new Alaafin of Oyo, His Imperial Majesty, Oba Akeem Abimbola Owoade