ハノーファー王室当主エルンスト・アウグスト王子殿下が野球のバットを持って警察署へおもむき警察官へ暴言との報道(2020年7月)

 少し前に、オーストリアの警察に病院(精神病棟?)に連れていかれたハノーファー王室当主エルンスト・アウグスト殿下(His Royal Highness The Prince of Hanover : Prince Ernst August of Hanover)ですが、このほどタクシーにて警察署に来襲、野球のバットを持って警察官を脅したとの報道が出ています。

 

 (ドイツ語)Ernst August von Hannover: Exklusiv: Neuer Zwischenfall! Polizei filmt Wutausbruch | BUNTE.de

 

ハノーファー王室当主エルンスト・アウグスト王子殿下が病院に収容された模様(2020年7月)殿下「調子が悪いので助けを呼んだら、なぜか警察に襲われた!」、警察「救助を求める電話に応えて救急と駆け付けたら暴れた」

 報道によりますと、オーストリア共和国に滞在しているハノーファー王室当主エルンスト・アウグスト殿下(His Royal Highness The Prince of Hanover : Prince Ernst August of Hanover)が病院に収容された模様です。

 下記記事によりますと、殿下は、体調不良(?)のため救急を読んだところ、なぜか警察に襲われたと主張。警官が酔っぱらっていたのではないかなどと語っているようです。

 一方、警察は、救助を求める電話に応えて救急と駆け付けたら殿下が暴れたとしています(文中には日本語で言う「自傷他害の恐れ」に相当しそうなものがあり、要するにそういう判断でしょう)。

 

 (ドイツ語)In Österreich: Polizeieinsatz bei Ernst August von Hannover

 

 殿下は警察を訴えると息まいているようですが……。

 

続報:
 ハノーファー王室当主エルンスト・アウグスト王子殿下が野球のバットを持って警察署へおもむき警察官へ暴言との報道(2020年7月)

 

誕生(2020年7月7日):ハノーファー王子ニコラス殿下とハノーファー王女ソフィア殿下。ハノーファー王子クリスティアン殿下とアレッサンドラ妃殿下の第一子(長男)・第二子(長女)

※ものすごく久しぶりの更新となります(更新再開できるかわかりません)。

 

 スペイン語圏メディアの報道によりますと、ハノーファー王子クリスティアン殿下(His Royal Highness Prince Christian of Hanover, Duke of Brunswick and Lüneburg, Prince of Great Britain and Ireland : クリスティアン・プリンツ・フォン・ハノーファーChristian Prinz von Hannover)とハノーファー王子妃アレッサンドラ殿下(Her Royal Highness Princess Alessandra of Hanover : アレッサンドラ・デ・オスマAlessandra de Osma)の二人の第一子(長男)・第二子(長女)となる双子が誕生した模様です。
 ハノーファー王子ニコラス殿下(His Royal Highness Prince Nicolás of Hanover, Duke of Brunswick and Lüneburg, Prince of Great Britain and Ireland : ニコラス・プリンツ・フォン・ハノーファーNicolás Prinz von Hannover)、
 ハノーファー王女ソフィア殿下(Her Royal Highness Prince Sofía of Hanover, Duke of Brunswick and Lüneburg, Prince of Great Britain and Ireland : ソフィア・プリンツ・フォン・ハノーファーSofía Prinzessin von Hannover)、
 となります。

 

 (スペイン語)Nicolás y Sofía Hannover de Osma: Nacen los gemelos de los príncipes Alessandra y Christian Hannover – COSAS.PE
 (スペイン語)Alessandra de Osma y Christian de Hannover han sido padres de mellizos

 

※なお、ハノーファーの長い名乗りだと、Prinz(Prinzessin) von Hannover Herzog(Herzogin) zu Braunschweig und Lüneburg Königlicher Prinz(Prinzessin) von Großbritannien und Irland(プリンツ【プリンツェッシン】・フォン・ハノーファー・ヘルツォーク【ヘルツォーギン】・ツー・ブラウンシュヴァイク・ウント・リューネブルク・ケーニグリッヒャー・プリンツ【プリンツェッシン】・フォン・グロースブリタニエン・ウント・イールラント)と、ブラウンシュヴァイク=リューネブルク、および英国の称号が名前に入ります。

 

 なお、ハノーファー王室の将来の状況はいまひとつはっきりしません。
 クリスティアン殿下の兄であるハノーファー王世子エルンスト・アウグスト殿下(Prince Ernst August of Hanover : His Royal Highness The Hereditary Prince of Hanover : エルンスト・アウグスト・エルププリンツ・フォン・ハノーファーErnst August Erbprinz von Hannover)とハノーファー王世子妃エカテリナ殿下(Ekaterina : Her Royal Highness The Hereditary Princess of Hanover : エカテリナ・プリンツェッシン・フォン・ハノーファーEkaterina Prinzessin von Hannover)の結婚が、父である当主のほうのエルンスト・アウグスト殿下から承認を得ていなかったというのが一般的な見解のようであり、ハノーファー王室法を厳密に考えると、この二人の間の子供はハノーファー王室のメンバーではないということになります(ルールを詳細に読んでないので称号については不明)。
 つまり王世子殿下の第二子・長男のヴェルフ・アウグスト殿下がハノーファー王室当主の位を継承することはないということになります(ざっくり言えば、当主が継承するはずの財産が継承されません)。
関連:
 誕生(2018年2月22日?):ハノーファー王女エリザベト殿下(?)、正式発表はまだながらも写真が出ています
 誕生?(2019年3月14日?):ハノーファー王世子エルンスト・アウグスト殿下とエカテリナ妃殿下の間の第二子・長男が誕生との一部報道

 そうであれば、クリスティアン殿下および今回誕生したニコラス殿下が将来的にハノーファー王室の当主となっていきそうですが……。
 もし一族内でそうなることが決定しているのであれば、ニコラスではなくエルンスト・アウグストと命名されそうでもあり、まだ引き延ばされることかもしれません(泥沼裁判になるかもしれません)。

 また、仮にハノーファー王室法が結婚に当主の許諾が必要と定めていても、現在ハノーファー王室が継承しているブラウンシュヴァイク=リューネブルク公室の法がそれと違うルールを定めている可能性もあり、場合によっては継承がわかれる可能性もないわけではありません。

 加えて、これまでのハノーファー王室当主は、1917年に剥奪された英国貴族のカンバーランド・ティヴィオットデイル公爵位について回復を請願できる立場にありましたが、同公爵位はハノーファー王室法とは何の関係もない 爵位が叙された時の Remainder によって継承が決まるため、王室当主の地位が傍系に移っても、直系がその権利を維持します。

 

当主のほうのエルンスト・アウグスト殿下の非常に残念な近況:
 ハノーファー王室当主エルンスト・アウグスト王子殿下が病院に収容された模様(2020年7月)殿下「調子が悪いので助けを呼んだら、なぜか警察に襲われた!」、警察「救助を求める電話に応えて救急と駆け付けたら暴れた」
 ハノーファー王室当主エルンスト・アウグスト王子殿下が野球のバットを持って警察署へおもむき警察官へ暴言との報道(2020年7月)

 

訃報(2019年7月24日?7月25日?):ホーエンベルク公ゲオルク・フリードリヒ閣下、薨去(1929~2019)ハプスブルク家フランツ・フェルディナント大公の貴賤結婚の孫

 2019年7月24日か7月25日なのか情報がはっきりしませんが、ホーエンベルク公ゲオルク・フリードリヒ閣下(Georg Friedrich : His Highness The Duke of Hohenberg : ゲオルク・フリードリヒ・ヘルツォーク・フォン・ホーエンベルクGeorg Friedrich Herzog von Hohenbergゲオルク・フリードリヒ・ホーエンベルクGeorg Friedrich Hohenberg)が薨去したという情報が出ています。
 1929年4月25日生まれの90歳。

 

 (フランス語)Mort du Duc de Hohenberg – RoyautéNews

 

Almanach de GothaさんはTwitterを使っています: 「His Highness Georg Friedrich, 3rd Duke of #Hohenberg, born #Artstetten 25-4-1929, died #Vienna 24-7-2019 #requiescatinpace」 / Twitter

 

 経歴としてチュニジア共和国駐箚、ローマ教皇聖座駐箚(マルタ騎士団、サンマリノ共和国兼轄)オーストリア共和国特命全権大使。
 オーストリア系の金羊毛騎士団の騎士。

 

 薨去に伴い、長男のニコラウス閣下(Nikolaus)がホーエンベルク公となります。

 

ライニンゲン公子カール・エミッヒ殿下を“ロシア皇帝ニコライ3世”として擁立しているロシアの君主政主義者党の立ち上げた王室情報サイト(2019年3月)“ニコライ3世”ではなく「ロシア公子ニコライ・キリロヴィチ殿下」となっています

 アントン・バコフ氏ら君主政主義者党がライニンゲン公子カール・エミッヒ殿下を「ロシア皇帝ニコライ3世」とし、理屈はともかくとして、ちょっとその宣言にはうんざりしながらも注目していた人も多かったのですが、いつの間にか同党関係者が王室情報サイトを立ち上げていました。
 各国の王室情報やロシアの過去の情報に、自分たちの情報を混ぜ込んでしまおうというものかと思われますので、その辺りはご注意を。

 

 さて、そのサイト。
 英語版の「About-his-highness」のところからですが……

 

 About-his-highness

The Heir to the All-Russian Emperorship,
His Highness Prince of the Imperial Blood Nikolay Kirillovich of Russia,
Prince zu Leiningen.

 「ロシア帝位継承者/ロシア公子・ライニンゲン公子ニコライ・キリロヴィチ殿下」、ということでいいでしょう。

 なぜいつのまにかロシア皇帝ニコライ3世を称するのをやめたのかよくわかりませんが、なぜ称したのかもよくわからないので、考えないことにします。

 

 また、同ページですが、殿下に関することと彼らの立場(動機はともかくとして)がまとめて比較的短く説明されており、一読する価値は……興味があればあるのではないでしょうか。

 

 ここで簡単にわかりやすく説明してしまいますと、彼らがロシア皇帝・ロシア帝室当主としているのは、
 ニコライ2世 → (従弟の)キリル大公 → (長男の)ウラジーミル大公
 という順番になるようで(これはある程度知られていると思いますが)、ここまでは現当主のマリヤ女大公殿下と同じです。

 しかしここから先はロマノフ家協会などの理屈、すなわちウラジーミル大公の結婚は同等身分の結婚ではないため、生まれた子供=マリヤ殿下にはロシア帝位継承権はないとするものです。

 一方で、ウラジーミル大公自身が地位を失うわけではないとします。これはオーストリアのハプスブルク家で、フランツ・フェルディナント大公が貴賤結婚をしながらも次期帝位は失わなかったことを考えれば(暗殺されてしまいましたが)ムチャな主張ではありません。

重要なところ書き忘れていたので追記:
 さて、ウラジーミル大公のあとのことですが、男系男子が消滅するため、「再近親の男系女子・またはその男子優先長幼制子孫を考える」というのがセミ・サリカ法の基本の一つです(他の考え方もあります。セミ・サリカ法は極めてよくわからないものであり、最終的には力で決まるシステムと思ったほうが良いかと)。
 これにより、ウラジーミル大公の長姉であるマリヤ大公女(もちろん現当主のマリヤ殿下とは別人)及びその子孫が対象となります。
 1992年のウラジーミル大公薨去時に、マリヤ大公女及び長男のライニンゲン公エミッヒは故人となっていますので、エミッヒの長男ライニンゲン公子カール・エミッヒ殿下が潜在的なロシア帝位継承者となるわけです(潜在的であるのは、東方正教会の信徒でないことと、ロシア帝室法を守ることや当主となることを誓っていないことにあります)。
 カール・エミッヒ殿下は、二回目の結婚が貴賤結婚だったことにより、ライニンゲン公位継承権を失っていますが、上記のウラジーミル大公と同じく、本人のロシア帝位継承権が失われるわけではない、とするのが彼らの立場です。また、ライニンゲンの称号や敬称は失われていないとしていますが、これについては一般的にもそう扱われていることが多いです(他の家にも例はあります)。

 さらに、ウラジーミル大公は長女のマリヤ殿下を“摂政的地位”としたことについては(このあたり詳しくありませんが結局最終的には後継者になっています)、これはロシア帝室法の観点から見て合法ではないものの、当主が存在しない時期には不明確さが残るとします。が、2013年にカール・エミッヒ殿下が東方正教会の信徒となり、ロシア帝室法を守ることを誓い当主となったことにより、なんの意味もないものとなった、という解釈のようです。

 

 それはさておくとして。

 上記ページでは、三回の結婚のうち、

In 1984, Prince Karl Emich zu Leiningen contracted a dynastic marriage with Princess Hohenlohe-Öhringen (1960–1989), in which their daughter, Princess Cecilia zu Leiningen was born in 1988.

in which his second daughter Theresia zu Leiningen was born.

in which their only son Prince Emich zu Leiningen was born in 2010.

 興味深いのは、2010年に生まれた子息エミッヒ公子殿下について、ロシアに関連する称号の表記がないことが挙げられます。未成年であり、両親が望めば東方正教会への改宗も問題ないことを考えると、三回目の結婚が同等身分間でないことから、ロシアの称号を与えるのを躊躇しているのではないかとも思われます(“ニコライ3世”を躊躇してほしかったですが)。

 二回目の結婚で生まれた次女については、 Princess 表記がなく、母親が貴族ですらないということで問題外扱いなのかもしれません。単にタイプ時に抜けただけかもしれませんが……。

 しかし、一回目の結婚については、これはメディアタイズド・ハウス【シュタンデスヘル】同士の結婚であり、ロシア帝室とライニンゲン家の結婚が同等身分なのであれば、こちらもまた同等身分であるといえます。
 つまり、この結婚で生まれた子供は、(潜在的には)ロシア帝室の一員としての権利を持つ子供、ということになるでしょう。
 ライニンゲン公女ツェツィーリエ殿下(Her Serene Highness Princess Cäcilie of Leiningen)は30歳になっており、もしこのロシア話に興味があれば加わるでしょうし、そうであればロシア公女(Princess of Russia)の称号付きで記述されている可能性が高いでしょう。
 ですが、そのような称号は併記されておらず、残念ながら(?)このようなうさんくさい話には興味がないということかと。

 

※「ロシア公子」「ロシア公女」について

 ロシア帝室では、英語で「Prince」「Princess」にあたる称号を持つのは、皇帝から曾孫以降の(遠縁の)成員であり、大公や大公女より明確にランクが低いものです(敬称も「Imperial Highness」を用いず「Highness」「Serene Highness」を用います)。
 よって「皇子」や「皇女」としてしまうと、そのランクの低さが伝わらないため、当サイトでは「公子」「公女」としています。

 

関連:
 ロシア帝室ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下が、ロシア帝位継承法の変更の承認を、キリスト教/ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下に求めている模様(2019年1月)