結婚(2018年8月):ウラッハ公子アンゼルム殿下とクララ・フォン・ケンピス。アンゼルム殿下は、一時期「リトアニア王位継承者」を称していた(今も?)イニゴ殿下の次男

 2018年8月の最終週の週末に、ウラッハ公子アンゼルム殿下(His Serene Highness Prince Anselm of Urach : アンゼルム・フュルスト・フォン・ウラッハAnselm Fürst von Urach)とクララ・フォン・ケンピスClara von Kempis)の結婚式がおこなわれたようです。

 

 アンゼルム殿下の系統は、ヴュルテンベルク王室の貴賤結婚の子孫で、1918年に設立が計画されたリトアニア王国の王に選出されたウラッハ公爵ヴィルヘルム・カール殿下(リトアニア王ミンダウガス2世)の子孫でもあります。
 父、ウラッハ公子イニゴ殿下は、(兄の現・ウラッハ公爵カール・アンゼルム殿下の結婚がリトアニア王室法を満たしていないことを理由に)数年前にリトアニア王位継承者であることを宣言して活動を始めましたが、その後、特に情勢が報じられていないようです。

 

 クララ・フォン・ケンピスのほうですが、詳細な系譜はわかりませんが、フランス併合下の1797年の短期間にケルン市長を務めたマクシミリアン・フォン・ケンピスMaximilian von Kempis)という人物の同族かもしれません。
 いずれにせよ、貴族かどうかも確認できていません。

 

モナコ公オノレ3世殿下の次男の子孫が、自身の系統がフランスの強制によるモナコ公位継承法変更によってモナコ公になっていないことを理由に約3.5億ユーロ(約440億円)の賠償を求めてフランス政府を提訴とのこと(2018年8月)

 モナコ公オノレ3世殿下(Honoré III)の次男、モナコ公子ジョゼフ殿下(Joseph)の子孫、ルイ・ド・ヴァンサン・ド・コーザン伯爵子(Count Louis de Vincens de Causans)が、自身の系統がモナコ公位を継承していないのは、フランスにより継承法変更の強制があったためということで、約3.5億ユーロ(約440億円)の賠償を求めてフランス政府を提訴する(した?)とのことです。

 この問題ですが、現在のモナコ公アルベール2世殿下(His Serene Highness Prince AlbertII, Sovereign Prince of Monaco)の曾祖父にあたるモナコ公ルイ2世殿下(Louis II)には、婚姻外の子供であるシャルロットCharlotte)しか子孫がおらず、したがって継承者がいないため、次の継承者はドイツのウラッハ家(ヴュルテンベルク家の貴賤結婚の子孫)の系統になる、という状況が過去にありました。
 そして、継承法は変更され、モナコ公女となったシャルロット殿下の子孫のアルベール2世殿下が現在のモナコ公です。

 今回のルイ伯爵子の主張などでは、ドイツの家であるウラッハ家がモナコ公位を継承することをフランス政府が許さなかったために、モナコ公位継承法の変更が強要された、というものです(主流の見解?)。
 また、ドイツのウラッハ家の系統はモナコ公位への権利を放棄しており、その次が今回のルイ伯爵子の系統になる、ということです。

 伯爵子は(記事を読んだ限りでは)モナコ公になりたいのではなく慰謝料をもらいたい、というようなことのようですが(そもそも、もともとの継承法とウラッハの権利放棄が妥当だと考えると、現在のモナコ公位は彼の叔父グザヴィエ・ド・コーモン・ラ・フォルスではないかという気もしますが)、この不景気のご時世にフランス政府にそんな大金を払えなんて判決が出たら暴動が起きるのではないかと思います。

 

 (フランス語)S’estimant «spolié» du trône de Monaco, il réclame 351 millions d’euros à la France – Le Parisien

Le Parisien:
Louis de Causans, l'homme qui remet en cause la légitimité du trône de Monaco – 動画 Dailymotion

Le Parisienさんのツイート: "S’estimant «spolié» du trône de Monaco, il réclame 351 millions d’euros à la France https://t.co/JOQoiH6V4Q #Rediff https://t.co/JOQoiH6V4Q"

 

 (英語)Aristocrat sues France for €351m in row over Monaco throne | World news | The Guardian
 (英語)Aristocrat sues France for £314m in Monaco throne row | Daily Mail Online

 

Vanity Fair(英語)記事:“There’s Nothing Wrong with Falling from Grace”(2018年)君主政復活・王室支持の話と、エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下とニコライ・トルストイ伯爵子の話題など

 (英語)“There’s Nothing Wrong with Falling from Grace”: The Global Network of Monarchists Helping Deposed Kings and Queens | Vanity Fair
 (英語:上記からニコライ・トルストイ伯爵子に関する部分の一部を抜き出したもの)Count Nikolai Tolstoy on Russian Monarchy and the Romanovs | Royal Russia News

 

 冒頭は、ルーマニア王女マルガレータ殿下(当時)から連絡を受けた人物の話、君主政復活・王室支持の話と、エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下(His Imperial Highness Prince Ermias Sahle-Selassie)とニコライ・トルストイ伯爵子(Count Nikolai Tolstoy)の話題などが中心となっています。

 

 エルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下は故エチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世陛下の孫ですが、一般的にエチオピア帝室の当主とされていません。
 しかし、この記事のように、帝室の代表者として活動しているとみる立場もあるようです。

 

 ニコライ・トルストイ伯爵子の話の一部には、“Pretender【プリテンダー】”という用語に関するものがあります。
 いうまでもなくこの言葉は中立的ではないものですが、Wikipedia英語版のせいか、この言葉が使用されるケースが多い気します(上記の記事すらそうなのですが)。
 そのもっともアホらしい例は、リトアニアの王位継承者を称して活動を始めたウラッハ公子イニゴ閣下(His Serene Highness Prince Inigo of Urach)のものらしきサイト(すぐに更新止まりましたけれど)に、イニゴ閣下をリトアニア王位の“legitimate pretender”とする表記があったことです。もちろんこれは、イニゴ閣下を正当な王位継承者と表現したかったのでしょうが、pretenderに「不当」である意味がありlegitimateに「正当」である意味があることを考慮すれば、ギャグのような言葉の並びです。
 中立的というかなんと表現すればいいのかわかりませんが、“Claimant【クレイマント】”という用語がありますが、一般的の人にはなじみがなく、また、正直これが本当に中立な用語なのか首をかしげるときもあります。日本語で“王位請求者”と(訳して)書いている例がありますが……コメントは避けます
 伯爵子は“Heir【エア】”を使っているようですが、当方でも「(王位)継承者」などこの用語を意識して書いています。この用語が実は一番便利です。曖昧さを許容するという意味でも。pretenderはそもそも本人が称していないのにこう書くのは名誉棄損みたいなものですし、claimantも本人が称していない場合はどうなのか、よくわからない部分があります。