ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下らが、ドイツでクーデターを計画したとして逮捕(2022年12月)

 2022年12月7日、ドイツの連邦検察は、ロイス公子ハインリヒ13世殿下(His Serene Highness Prince Heinrich XIII Reuss : ハインリヒ13世・プリンツ・ロイス・ツー・ケストリッツHeinrich XIII Prinz Reuß zu Köstritz)らを逮捕しました。
 クーデターを計画したとの容疑だとのことです。。
関連:
 ドイツのライヒスビュルガー(Reichsbürger : 過激な君主政主義者)などに関するやや雑多な記事(英語)(2022年11月)ドイツ人の約10%が君主政支持、34歳未満では20%近くが支持(本当?)

 

※以下「~世」の数字を微妙に間違えている可能性もありますが、その場合は許してください。

 ハインリヒ13世殿下は、現存するロイス家の唯一の系統であるロイス=ケストリッツ家の一員です(当主ではありません)。

 ロイス=ケストリッツ家は、ドイツ帝国の中の弟系ロイス公国(ロイス=ゲーラ公国)の君主であったロイス=シュライツ家から早くにわかれた家で、現在は同家の年長系統のロイス公ハインリヒ14世殿下が当主、二つのロイスの公位の継承者と見なされています。

 ロイス家は慣習により、男子は全員ハインリヒなので、ナンバリングによって個人を特定します(20世後半から数字がややこしいこともありますが……)。
 これは生まれた順に振られるので、「兄が1世で弟が2世」ということもありえますし、「兄が1世で、次の二代が遠縁に振られていて、弟はいきなり4世」みたいなこともありえます。世紀が変わると1世からに戻ります。現在の当主、ハインリヒ14世殿下の長男はハインリヒ29世殿下ですが、次男は(21世紀に入ってから生まれているので)ハインリヒ5世殿下です。

 一方、ハインリヒ13世殿下は男系では傍系ですが、父の故・ロイス公子ハインリヒ1世が、最後の弟系ロイス公世子ハインリヒ45世養子となっています。ハインリヒ1世の妻がハインリヒ45世の女系の姪・故ヴォイツラヴァ・フェオドラですが、結婚より前の養子縁組です(結婚する予定だったかもしれません)。また、養子は(君主の地位の)継承権には関係ありませんが、財産に関しては係争もありました。
関連(逮捕されたハインリヒ13世の母の訃報):
 訃報(2019年6月3日):ロイス公子妃ヴォイツラヴァ・フェオドラ殿下(メクレンブルク公女)、薨去(1918~2019)バルト連合公国君主に推されたメクレンブルク公子アドルフ・フリードリヒ殿下の娘。薨去に伴いメクレンブルク=シュヴェリーン系統は男系女子二人を残すのみに

 要するに、
 当主:ハインリヒ14世
 傍系(だが父が弟系ロイス家当主ハインリヒ45世の養子となった)兄弟:ハインリヒ8世、ハインリヒ9世、ハインリヒ10世、ハインリヒ13世、ハインリヒ15世
 となっていて(他にも人物はいます)、逮捕されたハインリヒ13世は当主でもなく、兄もいます。が、「13世」と書かないと他の一族との区別が面倒になります。

関連:
 スピーチ映像(英語 2019年):ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下によるスピーチ映像(2022年12月)
 インタビュー動画(ドイツ語):ロイス家当主/ロイス公 ハインリヒ14世 殿下が、一族の ロイス公子 ハインリヒ13世殿下 がクーデター計画容疑で逮捕された件について(2022年12月)

 

 ドイツで国家転覆目指すテロ組織摘発 退役軍人など25人逮捕 | NHK | ドイツ

検察の発表によりますと「ハインリヒ13世」を名乗る男と退役軍人が首謀者とみられ、ほかに、去年まで連邦議会議員を務めていた現職の裁判官も逮捕されたということです。

組織の構成員らはドイツがいわゆるディープ・ステート=闇の政府に支配されているという陰謀論を信じ、去年11月ごろから国家の転覆と独自の政府の樹立を目指して会合を重ねていたということです。

具体的に、武装したグループで連邦議会の議事堂に押し入る計画を立てていた疑いもあるとしています。

 ドイツで何が “貴族”や裁判官などが国家転覆と独自政府樹立 計画か | NHK | ニュース深掘り

 

ANNnewsCH(ANN NEWS チャンネル):
ドイツで“クーデター計画” 25人拘束 “陰謀論”信じ…軍事部門も設立か(2022年12月8日) – YouTube

 

ANNnewsCH(ANN NEWS チャンネル):
主犯格の中に貴族出身「ハインリヒ13世」…ドイツで“クーデター計画” 25人身柄拘束(2022年12月8日) – YouTube

 

TBS NEWS DIG Powered by JNN:
「国家転覆を計画」ドイツ極右勢力の25人逮捕|TBS NEWS DIG – YouTube

 

ロイター(Reuters Japan):
ドイツで国家転覆計画、極右25人拘束 帝国再興企む – YouTube

 

Kanal13:
German POLICE arrests Prince Heinrich XIII and 25 suspected of far-right plot to overthrow state – YouTube

 

Guardian News:
Germany: police arrest far-right extremists planning to 'overthrow the state' – YouTube

 

WELT Nachrichtensender:
PRINZ HEINRICH-PUTSCH: Razzia – Thüringer Adeliger und Reichsbürger wollte Regierung stürzen – YouTube

 

 (英語)Germany arrests 25 accused of plotting coup – BBC News
 (英語)Heinrich XIII Prince Reuss: Who is 'ringleader' of German far-right coup plot – and what is the Reichsburger movement? | World News | Sky News

訃報(2019年6月3日):ロイス公子妃ヴォイツラヴァ・フェオドラ殿下(メクレンブルク公女)、薨去(1918~2019)バルト連合公国君主に推されたメクレンブルク公子アドルフ・フリードリヒ殿下の娘。薨去に伴いメクレンブルク=シュヴェリーン系統は男系女子二人を残すのみに

 2019年6月3日、ロイス公子妃ヴォイツラヴァ・フェオドラ殿下(メクレンブルク公女 : Her Highness Princess Woizlawa Feodora Reuss, Duchess of Mecklenburg : ヴォイツラヴァ・フェオドラ・プリンツェッシン・ロイス、ヘルツォーギン・ツー・メクレンブルクWoizlawa Feodora Prinzessin Reuß, Herzogin zu Mecklenburg)が薨去した模様です。
 1918年12月17日生まれの100歳。

 父はメクレンブルク=シュヴェリーン大公室のメクレンブルク公子アドルフ・フリードリヒ殿下(His Highness Duke Adolf Friedrich of Mecklenburg)で、母はロイス公女ヴィクトリア・フェオドラ殿下(Her Serene Highness Princess Viktoria Feodora Reuss)。
 アドルフ・フリードリヒ殿下は第一次世界大戦時に、創設が計画されていたバルト連合公国君主に推されていました。

 1939年に故ロイス(=ケストリッツ)公子ハインリヒ1世殿下と結婚しており、子孫が存在。
※ロイス家の男子はハインリヒ●世となるのが通常のため、上記のハインリヒ1世も君主・当主ではありません。

 

 薨去に伴い、メクレンブルク=シュヴェリーン家の男系は女子二人を残すのみとなりました。
追記:
 葬儀にフリーダ・ツー・メクレンブルクFrieda zu Mecklenburg)というトーゴ出身の女性が参列しているという話です。
 故アドルフ・フリードリヒ殿下に婚姻外の子供(婚外子)の男子(フルネーム不明)がいたようで、その娘のようです。故ヴォイツラヴァ・フェオドラ殿下の姪ということになり、身内として扱われていたようです。

 メクレンブルク=シュトレーリッツ家の貴賤結婚の子孫が現在その権利や称号(本人の主張を見る限りではシュトレーリッツに関するもののみ)を主張していますが、もっとも厳格な判断では、すでに(貴賤結婚の子孫を除いて)男系男子が存在しないメクレンブルク家は消滅しています。

 

 (英語:メクレンブルク=シュトレーリッツ家公式サイト)Death of Duchess Woizlawa Feodora of Mecklenburg-Schwerin – House of Mecklenburg-Strelitz

 (ドイツ語)Strittmatt: Eine Prinzessin stirbt im Hotzenwald | SÜDKURIER Online
 (ドイツ語)Gedenkseite von Woizlawa Feodora Prinzessin Reuß Herzogin zu Mecklenburg | trauer.mittelhessen.de
 (ドイツ語)Die letzte Geraer Prinzessin ist tot – Gotha | Thüringer Allgemeine

 

Haus Mecklenburg-Strelitzさんのツイート: "Gedenkseite von Woizlawa Feodora Prinzessin Reuß Herzogin zu Mecklenburg https://t.co/UTpA0i6QbG… "

 

Haus Mecklenburg-Strelitzさんのツイート: "Eine Prinzessin stirbt im Hotzenwald. Woizlawa-Feodora Prinzessin Reuß stirbt im Alter von 100 Jahren. Sie war eine der letzten lebenden Angehörigen des Hauses Mecklenburg-Schwerin. https://t.co/WGXJrfwbO4"

 

Yesterday Her Highness Duchess Woizlawa… – Das Großherzogliche Haus Mecklenburg-Strelitz | Facebook

 

Das Großherzogliche Haus… – Das Großherzogliche Haus Mecklenburg-Strelitz | Facebook

 

関連:
 子息がクーデター計画で逮捕/
 ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下らが、ドイツでクーデターを計画したとして逮捕(2022年12月)

訃報(2018年7月23日):メクレンブルク公子カール・グレゴール殿下、薨去(1933~2018)

 2018年7月23日、メクレンブルク公子カール・グレゴール殿下(His Highness Duke Carl Gregor【Karl Gregor】 of Mecklenburg : カール・グレゴール・ヘルツォーク・ツー・メクレンブルクCarl Gregor Herzog zu Mecklenburg)が薨去した模様です。
 1933年3月14日生まれの85歳。

 

 (英語)News – Death of Duke Carl Gregor | House of Mecklenburg-Strelitz

 (ドイツ語)In Remplin geborener Herzog zu Mecklenburg gestorben – WELT
 (ドイツ語)Nachruf: Mecklenburgischer Prinz in Baden-Württemberg verstorben | Uckermarkkurier.de
 (ドイツ語)Hechingen: Der trommelnde „Jazz-Herzog“ ist tot | Südwest Presse Online
 (ドイツ語)Traueranzeige von Carl Gregor Hetzog zu Mecklenburg | schwaebische.de Trauerportal

 

 メクレンブルク=シュトレーリッツ大公室の貴賤結婚の子孫で、現在この系統が権利を回復して大公室を形成していると見られています。
 が、カール・グレゴール殿下の父ゲオルク・アレクサンダー殿下は、メクレンブルクの称号や敬称は認められたものの大公室の一員としては認められていなかったとする主張もあり(というか大公室の一員として認められたとする根拠が特にない)、その場合メクレンブルク家の男系男子は消滅し、メクレンブルク=シュトレーリッツ大公位およびメクレンブルク=シュヴェリーン大公位の権利は、ホーエンツォレルン家当主/プロイセン王室当主のゲオルク・フリードリヒ殿下にあるとされることが多いようです。

 また、シュトレーリッツ系統の主張を認めた場合、全メクレンブルクの権利が当主のボルヴィン殿下にあることになりますが、現状ではメクレンブルク=シュヴェリーン系統の家産などはシュヴェリーン系統長系の男系女子メクレンブルク公女ドナータ殿下(Her Highness Duchess Donata of Mecklenburg)が管理しているとみられており、またドナータ殿下は子息にメクレンブルクの家祖またはその父とされている人物の名前を付けるなど、将来子息を当主とする気を隠そうとしていないように見受けられます。